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クラウンリボーンから考える「コンセプトチェンジしたクルマたち」4選

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クラウンリボーンから考える「コンセプトチェンジしたクルマたち」4選

 2022年は、新型シエンタ、新型クラウンや新型セレナなどの最新モデルが続々と登場している。ダイナミックに変身した最新モデルが発表されるごとに、さまざまな意見が飛び交う。

 読者にとって、一番印象に残っているフルモデルチェンジはどのクルマだろうか? そこで、本稿では大胆に「コンセプトチェンジしたクルマたち」4台を厳選し、どのような変身をとげたのか、解説する。

クラウンリボーンから考える「コンセプトチェンジしたクルマたち」4選

文/永田恵一、写真/NISSAN、HONDA、SUBARU、MAZDA

賛否両論で人気下落? 厳しいフルモデルチェンジ事情

2022年7月にフルモデルチェンジした新型クラウン。クロスオーバー、セダンなどの4つのボディに展開。さらに世界進出へと舵を切った

 2022年7月に16代目モデルとなったクラウンはFRからFFベースの4WDへの移行、クロスオーバーセダンからスタートし4つのボディを展開すること、本格的な海外進出の開始など、別のクルマになったと言えるほどダイナミックなフルモデルチェンジを受けた。

 この点には驚きや賛否両論あるようだが、大きな話題となり、販売も好調となっている。

 クルマは、時折新型クラウンほどではないにせよ、良くも悪くもダイナミックなフルモデルチェンジをするものがあり、ここではダイナミックなフルモデルチェンジを行ったモデルを振り返ってみた。

●日産レパード

 レパードほど空白期間もないのにモデルごとに悪い意味でコンセプトが変わり続けたモデルも珍しい。レパードは、1980年にファッショナブルな4ドアハードトップと2ドアクーペという形で初代モデルが登場。

 しかし、翌1981年にレパードに対し、いろいろな面で華やかさに溢れたトヨタソアラの初代モデルが登場すると、初代レパードは初代ソアラの陰に埋もれてしまった。

1986年に登場した2代目レパード。ドラマ「あぶない刑事」の劇中車として使われた。その影響で、絶版したのちも人気を博している

 初代モデルの反省もあり、1986年登場の2代目モデルでレパードはソアラをターゲットとした2ドアクーペ専用車に移行。しかし、同時期に登場した2代目ソアラが当時の日本車にとって遠いものだった輸入車を目指した部分もあったほど、力の入ったモデルだったのに対し、2代目レパードはほとんどの部分が2代目ソアラに及ばず、2代目レパードもソアラに完敗に終わった。

 ただ、2代目レパードはドラマ「あぶない刑事」の劇中車に使われたことで熱狂的なファンがおり、その影響もあり現在中古車が高値で取引されている点で絶版後にインパクトを残した。

 1992年登場の3代目モデルはJフェリーのサブネームが付き、当時のシーマと同等の車格となるパーソナルなセダンに移行。レパードJフェリーは日本では全体的に個性が強いこともあり販売は低調だったが、アメリカではそれなりに売れ、記憶に残るモデルではあった。

 ところが、レパードとしては最後のモデルとなった1996年登場の4代目モデルは「レパードを販売する当時の日産店とサニー店に向けた、セドリック&グロリアをベースにしたほぼ同じクルマ」としか言いようがないモデルとなってしまった。

 4代目レパードに日産初となる直噴エンジン搭載車を追加するという話題はあったものの、浮上することはなくレパードは4代目モデルで歴史に幕を閉じた。

●ホンダインサイト

1999年に登場したホンダ初代インサイト。当時のプリウスを超える燃費を実現したものの、惜しくも2006年に一度目の絶版となった

 インサイトは歴代ホンダにおいてハイブリッド専用車が使ってきた車名である。

 1999年登場の初代モデルは「燃費を追求した実験車」という存在で、ハイブリッドシステムこそ簡易なアシスト型となるホンダIMAだったが、2ドア車ということも生かし徹底的な空気抵抗低減と軽量化を行い、当時のプリウス以上の燃費を実現。

 しかし、初代インサイトは技術的には面白いモデルだったものの、普遍性がまったくなかったこともあり、2006年に一度目の絶版となった。

 2009年に2代目モデルとして復活したインサイトは、当時の2代目フィットをベースにした5ナンバーサイズとなる5ドアセダンのハイブリッド専用車に移行した。

 2代目インサイトは登場当初はハイブリッドカーとしては安価な189万円という価格を大きな理由に、登場から2カ月後の2009年4月には月間販売台数1位に躍り出るほどの人気となった。

 しかし、2009年5月に登場した3代目プリウスは2代目インサイトの影響を受け、205万円からという車格や装備内容を考えれば、超リーズナブルな価格で登場。3代目プリウスの登場後2代目インサイトはすっかり陰が薄くなってしまい、それなりに改良は行われたものの浮上することなく2014年に2回目の絶版となった。

 インサイトは2018年に3代目モデルとして2回目の復活を遂げる。3代目インサイトは「シビックをハイブリッド専用車とした4ドアセダン」というポジションで、乗ればなかなかいいクルマに仕上がっていた。

 しかし、3代目インサイトはカーナビまでフル装備ながら320万円台からという価格の高さが決定的な弱点となり、モデルサイクルを通して販売は振るわず。そのため、インサイトは最近登場したシビックハイブリッドを後継車に在庫がなくなり次第販売終了となり、再び絶版となる。

 インサイトが再度復活することがあるのかは定かではないが、そのときには今度こそ継続されるモデルになって欲しいところだ。

新たなモデルへと生まれ変わったクルマたち

●マツダデミオ

初代デミオは、車中泊ができ、価格が安いコンパクトワゴンとして、人気を博した。マツダ経営の大ピンチを救った救世主である

 マツダのコンパクトカーであるデミオは2代目モデル以降、コンパクトカーという点以外コンセプトが大きく変わり続けている。

 1996年登場の初代モデルはマツダが大ピンチに陥っていた時期のモデルということもあり、クルマ自体に目立つところはなかった。

 しかし、そのコンセプトは「車中泊が可能で、自転車のようなものも積めるコンパクトワゴン」という新鮮なもので、初代デミオは価格の安さもあり大ヒットし、苦しかったマツダの経営に大きく貢献した。

 2002年登場の2代目モデルはキープコンセプトながら、全体的に初代デミオに欠けていたクルマとしての質を大幅に向上した。2007年登場の3代目モデルは初代と2代目モデルのコンパクトワゴンから、「前席中心でスペースは重視しないスタイリッシュなコンパクトカー」に移行。

 3代目デミオは軽量化により軽快に走るコンパクトカーではあったものの、乗り心地やインテリアの質感といったクルマの質は2代目モデルに届いていなかったというのが率直な印象だった。しかし、3代目デミオもリーズナブルな価格などを武器に販売は堅調だった。

 2014年登場の現行型4代目モデルは「広さを重視しない」という点は3代目と同じながら、世界最小級となる1.5リッターディーゼルエンジンの搭載やインテリアの質感の向上などにより、「プライドを持って乗れるクラスレスなコンパクトカー」というコンセプトになった。

 4代目デミオは途中車名をマツダ2に変えるなど、改良を繰り返しながら登場から8年が経った今も販売はまずまずで、マツダのエントリーカーという重要な役割を担っている。

●スバル5代目レガシィ

 レオーネの後継車として1989年に初代モデルが登場したレガシィは歴代スバルの大黒柱となるモデルである。

 レガシィは4代目モデルまで2リッターターボ+4WDを中心としたパワートレーンなどを武器に、日本では「普通の人が買える上限(300万円前後)となる質の高いクルマ」というコンセプトを一貫。特に2003年登場の4代目モデルはアウディのような欧州プレミアムブランドが決して遠くないポジションにまで成長した。

 しかし、4代目レガシィはスタイリッシュな代わりにリアシートが広いクルマではなかったことが災いし、スバルのメインマーケットとなる北米での販売が伸び悩んだ。

 という背景もあり2009年登場の5代目モデルは乗ればレガシィとして納得できるクルマながら、北米をメインターゲットにボディサイズを大幅に拡大しがら価格もリーズナブルなものとした反面、インテリアの質感が低下するなど、4代目レガシィとはまったく違う「質というより量」というモデルになった。

2009年に登場した5代目レガシィ。4代目モデルからの大変革は賛否両論が出たが、2010年にアイサイトが搭載され、人気は上昇した

 5代目モデルでのレガシィの大変革に対し日本のレガシィファンはガッカリし、スバル以外に流れたユーザーも少なくなかった。しかし、5代目レガシィは計画通り北米では絶好調だったのに加え、日本でも登場翌年にアイサイトが加わったことでそれなりに売れ、スバルのファイナンスを潤した。

 そのおかげでちょっと時間は空いたものの、4代目レガシィの直接的な後継車となるレヴォーグが2014年に登場するなど、悪役のようにも見えるが、5代目レガシィが残した功績は長い目で見れば大きなものだった。

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みんなのコメント

10件
  • ホンダではよくある事
  • 2代目シティの様変わりには驚いたけどな。トールボーイから背の低いコンパクトって初代の狙いを自社が否定しちゃった。2代目はジムカーナで活躍するなど悪い車じゃなかったけれど初代からは変わり過ぎた。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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