RRの究極の乗り味に惚れた!『Honda e』は上質な都市型スーパーハッチだ Part.2
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安全装備、技術力、コスパ、プロが選ぶWithコロナ時代の〝安くてイイ〟クルマ3選
いよいよ10月30日(金)より発売される、ホンダ初となる電気自動車(EV)の『Honda e(ホンダ イー)』。その人気は凄まじく、すでに第一期分の販売予定台数に達したため、現在の注文は一時停止(執筆時)となっている。
先日、そんなホンダが提案する都市型コミューター『Honda e』に試乗する機会を得たのだが、実際に乗ると“都市型コミューター”なんて言葉から想像するような、ヤワなクルマではなかった。
では、どんなクルマか?
なんと、これほどまでに、先に結論から書きたくなるクルマも珍しいが、『Honda e』は上質なRRのスーパーホットハッチだったのだ。
ということで、前回はエクステリアとインテリアについてレポートしたが、今回は、その走りについて迫りたい。
未来の走りを見据えた先進技術
さて試乗会場には、見ているだけでワクワクするような『Honda e』のカットモデルが展示されていて、その構造などがわかりやすかった。そこで、まずはスペックや技術的な部分を簡単に紹介しよう。
改めて『Honda e』のボディサイズは、全長3895mm×全幅1750mm×全高1510mm、ホイールベース2530mmで、車両重量は1510kg(Advanceは1540kg)となっている。
そのパワートレーンには、最高出力136PS(Advanceは154PS)、最大トルク315Nmを発生する駆動用モーターを後輪車軸のわずか後方に配置するため、駆動方式は数少ないRR(リアモーター・リアドライブ)のクルマとなる。
さらに総電力量35.5kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に敷きつめ、超ハイテン材を適用したボディとIPUケースのクロスメンバーを重ねて配置することで、低重心かつ高剛性なボディを実現。
フロントフード中央には、CHAdeMO急速充電とType1単相の通常充電に対応した充電/給電ポートを設置。WLTCモードにおける一充電あたりの最大走行可能距離は、283km(Advanceは259km)。CHAdeMOの急速充電(50kW以上)を使用すれば、30分でバッテリー容量の80%まで充電することができる。
こちらの上級グレードのAdvanceに設定されているタイヤは、ミシュランの『PILOT SPORT 4』というスポーツタイヤ。サイズはフロントが205/45R17、リヤは225/45R17の前後異サイズとなり、RRのためリアタイヤを太くしている。
サスペンションには、前後ストラットによる4輪独立懸架を採用。また重量配分は、走行に理想的な前後50:50というだけでなく、左右についても50:50となるこだわりようだ。もう、ここまでのスペックを見ても、その走りの楽しさが想像できるのではないだろうか。
そして、『Honda e』で最も特長的なのが、4.3mという軽自動車より小さな最小回転半径だ。これは、駆動方式をRRとしたことでフロントのレイアウトの自由度が高くなり、前輪タイヤの切れ角を内輪側が約50度、外輪側が約40度という、とてつもない切れ角を実現。
それでは、次に4.3mという最小回転半径がもたらす走行性能を特殊なコースを使って試してみよう。
驚異の小回り性能でクイックに曲がる
今回、その小回り性能を試すために用意されていたのが、3000個もの段ボールを使ってつくられた全長400メートルを超える迷路コース。このコースは、横浜の商業施設の建物内につくられていたのだが、『Honda e』が排ガスの出ないクリーンな電気自動車だからこそ叶ったのだという。
さて実際に『Honda e』に乗ってみると、そのスクエアに近いボディ形状のおかげもあり見切りもよくて、意地悪な幅の狭いコースでも運転しやすい。とはいえ、通常のクルマなら遠慮したくなるようなコースであることは間違いない。
さらに、ミリ波レーダー及びカメラと前後のソナーセンサーによる先進の安全運転支援システムも死角になる障害物などに対して、心強い味方となる。
そして極めつけが、上の写真のような通常ではありえないタイヤの切れ角で、軽々と直角コーナーをクリアしてしまう。もちろん、前後のオーバーハングが短いことも回頭性の良さにつながっているのだが、これは驚異的。
最初は、迷路コースを恐る恐る走らせていたのだが、慣れてくるとクイックなハンドリングも手伝って、リズミカルに走らせたくなるので不思議だ。
ということで迷路コースの試乗を終え、実はここまでであれば『Honda e』は“よくできた都市型コミューター”だったのだが、次の公道試乗でその印象が激変した。
RRの究極の走りが気持ちいい!
さて、『Honda e』Advanceでの公道試乗は、横浜の市街地と高速道路のチョイ乗りというショートコースだったのだが、先ほどの迷路コース試乗でもわかるように、見切りがよく小回り性に優れているので、路上駐車の多い繁華街の狭い道路でもとても扱いやすかった。
話題のサイドカメラミラーシステムについては、試乗したのが夕暮れ時の暗くなりはじめた時間にも関わらず、モニターでは実際より明るくはっきりと後方が映し出されていて感心させられた。
また、もうひとつ感心したのが、音声認識で最新かつリアルタイムの情報をオンデマンドに提供してくれる「Hondaパーソナルアシスタント」だ。これは「OK、ホンダ」と呼びかけ、「近くの○○を探して」などと言うと瞬時に検索結果が出てくるのだが、その反応の早さと言葉の聞き取り認識の正確さなど、コミュニケーション能力の高さが抜群だった。
そして、肝心な走りについてだが、アクセルをひと踏みした瞬間から、電気自動車ならではの一気に立ち上がる力強いトルク感とRRの背後から押されるようなダイレクトな挙動に、思わず「気持ちいい~」と声を発してしまうほど感激させられた。
さらに低重心がもたらす軽快なハンドリングが爽快で、カーブでも路面に吸いつくような安定した走りを披露。
また、最大トルク315NmというV6 3リッターエンジン相当の大トルクモーターのおかげで、発進の際も素早い加速感が得られ、勾配のきつい登り坂も涼しい顔でスムーズに駆け上がってしまう。
実は、今回の試乗会に参加するために、私の少しばかりヤンチャなホットハッチのクルマで訪れたのだが、会場に向かう途中の信号待ちで、他の方が試乗中の『Honda e』に遭遇。いい機会なので、後ろからついて走りを見てやろうと思ったものの、スタートダッシュですっかり置き去りにされてしまったほど、スゴい加速力であった。
ちなみに、『Honda e』Advanceの履くミシュラン『PILOT SPORT 4』というタイヤは、私のホットハッチにも同サイズ(205/45R17)を装着していて、少しばかり硬めの乗り心地であるのはわかっているのだが、個人的には気に入っている。
なお、『Honda e』には、走行シーンや好みに合わせて「NORMAL」と「SPORT」が選べる走行モードがある。加えて、回生ブレーキの強弱を3段階に利かせて、アクセルペダルだけで減速や停車まで行なえる「シングルペダルコントロール」が付いていて、これがストップ&ゴーの多い街中などでは便利でクセになる。
さて、『Honda e』のあまりに気持ちいい走りを終え、興奮冷めやらぬ中、ホンダの開発や広報の方々と懇談した際に、私の発した感想が以下のとおりである。
「このクルマでジムカーナをやってみたい!」
「『Honda e』タイプRをつくって欲しい!」
「次期S2000のベースはこのクルマで!」
開発や広報の方々は終始、苦笑いではあったのだが、まんざらでもないように写ったのは、私の勝手な思い込みだろうか。
愛を込めて“ダメ出し”
この『Honda e』について、一充電走行距離が少ないだとか価格が少し高い、さらに年間の販売計画台数(1000台)が少ないというような、どうしようもないことを言う気はさらさらない(言っちゃてるけど)。
ただ私としては、ホンダの“都市型コミューター”という表現が、これほどまでにワクワクするような気持ちいい走りの『Honda e』に対して、どうしてもしっくりこないのだ。
それならば、“スーパー(とっても上質で)ホット(熱い走りの)ハッチ”と個人的には名付けたいところだが、その表現も過激すぎるかも知れない。そこで間を取って“都市型スーパーハッチ”というのはいかがだろうか?
■関連情報
https://www.honda.co.jp/honda-e/
取材・文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメや家電、ファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。
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