クルマ趣味は我慢の今だからこそ、思い切り楽しめる時に備えておきたいもの。そこで、アフターコロナに改めて味わいたい、この1年で印象に残ったクルマ達を紹介。ひと時、ともに楽しい妄想の世界に浸っていただければと思う。
レクサスGSが販売終了に
「コロナに負けるな」特別企画──勝手にジュネーブモーターショー2020【スーパーカー編】
このコロナ禍で海外出張の予定がいくつも吹き飛んで、今年はまだ大好きなドイツのアウトバーンを走ることができていない。陽が長く、空気はカラッとしていて、濃い緑の中に菜の花の黄色が美しいこの季節に彼の地を走るのは本当に爽快で、毎年楽しみにしているだけに寂しい。
そうやってドイツに思いを馳せていたら、更に寂しいニュースが飛び込んできた。レクサスのミドルクラスセダン「GS」が2020年8月をもって生産を終了するというのだ。モデルチェンジで新型に切り替わるのではなく、ラインナップから姿を消すのである。
現行型のGSがデビューしたのは2011年。レクサスはこのクルマを、ブランド展開が始まった1989年、日本での開業となった2005年に続くブランドの第3章の幕開けと銘打ち、初めてスピンドルグリルを採用したスタイリングにとどまらず、3年で100万kmを超えたという徹底的な走り込みによって作り上げた高いシャシー性能など、あらゆる面で意欲的なクルマとして仕立てていた。
しかしながら、今や乗用車の主流はクロスオーバーSUVへと移り、セダンの販売が全体に低調なことはお察しの通りである。しかもレクサスは、従来は主に北米、中国での主力だったESのグローバル展開を始めていたから、いつかお別れの日が来るのかもしれないと、覚悟していたが……。
かつてアウトバーンで体感した真の実力
そんなGSとアウトバーンが一体どう関係あるのかと思われたかもしれない。実は個人的な話なのだが、私は2012年春に、ミュンヘン空港を起点に開催されたヨーロッパのジャーナリスト向けに行なわれた試乗会に参加して、生まれたばかりのGSでアウトバーンを走っていたのである。先に日本で試して感心した走りを、彼の地でも試してみたい、と、そう考えて自分で手配して渡航し、無理を言ってクルマを1台あてがってもらったのである。
目的地はオーストリアのスキーリゾートであるキッツビュール。行程は2日間で約440kmあったと記憶している。国際試乗会としても長めの設定からは開発陣の「しっかり走って評価してほしい」という熱意が感じられたものだ。
今も鮮烈な記憶が残っているのがアウトバーンでの走りである。95号線の速度無制限区間に入り、アクセルをいっそう深く踏み込むと、V型6気筒3.5リッターエンジンと電気モーターを組み合わせたパワー・ユニットは、かつてのハイブリッドのイメージとはまるで異なる心地よい伸び感を発揮し、分厚く途切れることのないトルクで速度をみるみる押し上げていき、リミッターの働く250km/hまでクルマを軽やかに導いた。
この時の操縦安定性の高さにも打ち震えた。おそらく優れた空力性能に拠る部分も大きかったのだろう。感覚的には100km/hを超える辺りから、車体を路面に押し付けるだけでなく、左右から空気の壁で挟み込んで直進性を高まるかのような感覚をハッキリと体感できたのだ。
250km/hという日本では試せない速度域、しかも瞬間的にではなく、それをずっと維持し続けられる過酷な環境でこそ知ることができた真の実力。「これはジャーマン・プレミアムカーにも負けていない。いや、あるいは……」と、肌で感じたのは大きな歓びだった。
このGS以降、レクサス車のデザインが何かの模倣ではない独自の個性を磨き上げながら今に至っていることは皆さんもご存知の通り。そして走りの面でも、時間はかかっているけれども着実に実力を高めてきている。本当なら、そうした積み上げの結果としての次のGSを見てみたかったところだけに、退場のニュースは寂しい。
ちなみに当時のGSでチーフエンジニア補佐を務め、試乗の際に現地で対応してくださったのは佐藤恒治氏。現レクサスインターナショナルのプレジデントである。自ら手がけたクルマだけに寂しさもあったに違いないが、それもブランドの前進のためにはやむをえないということだろう。再びアウトバーンを最新のレクサスで走り、その進化のほどを確かめることができる日が来るのを、今は楽しみにしている。
尚、生産終了のニュースとともにレクサスは、GSの有終の美を飾る特別仕様車「Eternal Touring」の販売を開始している。こちらも最後にもう一度、ステアリングを握れたらと今、願っているところである。
文・島下泰久 写真・トヨタ自動車 編集・iconic
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