筑波55秒台&富士1分43秒台の超速ロータリーチューンド!
ストリートスペックのワイドボディシステムも注目!
「若い奴にはまだまだ負けん!?」誕生から15年以上を経ても一線級の戦闘力を持つタイムアタックRX-7!
パンスピードの基本概念はRE搭載車のストリートチューン。ストリートチューニングをカテゴライズするというのも実は難しいところではあるが、パンスピード小森谷代表が常に言い続けているのは、速さのために耐久性を犠牲にしないこと。ストリートマシンは、乗るかそるか?みたいなギャンブル的な改造ではなく、安全マージンとフェイルセイフをしっかりかけ、その上でガンガン走って楽しんでもらうことが大切という考えを貫いてきたのだ。
エンドユーザーに安心できる内容のチューニンングを提供するには、どこまで負荷をかけるとトラブルが発生するのか(あるいは大丈夫なのか?)そんなことをしっかりと検証しなくてはならない。それを検証してデータとノウハウを蓄積すべく、長年チャレンジを続けてきているのが、サーキットでのタイムアタックというわけだ。
ここで紹介するマシンは、長年サーキットを走り続けてきたもの。筑波で55秒台、富士で1分43秒台という記録をこれまで達成。筑波ではFR最速の称号を手中に収めたこともあり、その栄誉が主催者の目に留まり、オーストラリアのWTAC(ワールドタイムアタック)に招待された経歴も持つなど、歴戦の勇士と呼ぶに相応しい経歴を持つ。
フル補強がされたシャーシには、フロントストラットまでしっかりとロールケージが組み込まれる。各部の軽量化も徹底され、アクリルウインドウも採用するほどだが、製作から10年もの月日が流れると外観的なヤレも隠しきれなくなってくる。
そこで、2015年にストリート用の新しいワイドボディキットへと衣替えを行いリフレッシュが図られた。
このエアロパーツはストリート用とはいえ、295サイズのタイヤが履けるようにデザインされた本格仕様だ。ストリートからサーキットまで、見た目も性能も追求した拘りのキットとなっている。ボンネットダクトにはフィンが装備され、効率良くエンジンルーム内の圧力を抜き取る設計だ。
アンダーフロアの空力チューンをいち早くストリートチューンに取り入れたのもパンスピード。このエアロもフロントの下面は高性能なフラットパネルとしている。ミッションやエンジンルームの走行風をしっかり抜き、冷却に影響を与えないことも考えられている。
その内部に収まるのは、ブリッジポートにTO4Zタービンを組み合わせ、497ps/52kgmを出力する13B-REWだ。水平マウントのインタークーラーは車両製作当時いち早く投入した。TO4ZはパンスピードがREにベストマッチと考えるタービンである。
重要なエンジンマネージメントにはモーテックを採用。フルコン制御も多くのパターンを試したが、最後にたどり着いたのはモーテックのM800だったそうだ。
駆動系チューンも抜かりはない。ミッションはホリンジャーの6速シーケンシャルをセットし、クラッチとLSDはOS技研のものを採用する。また、ミッションデフ共にオイルクーラーを装備し過酷なアタックにも耐えうる駆動系を構築した。
一方のサスペンションは、ザックスをベースにしたオリジナルの車高調システムに、信頼性の高いハイパコ製スプリングを組み込むセットアップ。富士をターゲットにした仕様の基本レートはF12kg/mm、R20kg/mm。フルピロ化やオリジナルのスタビなどで長年セットアップを重ねてきた内容だ。
FD3Sチューニングとしては究極のハイスペック仕様だが、これらはストリートチューンにフィードバックするノウハウを得るための実験に他ならない。あくまでもユーザー第一主義、それがパンスピードのチューニング理念なのだから。
●取材協力:パンスピード 埼玉県蓮田市関山2-7-8 TEL:048-764-2040
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