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BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは

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BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは

BYDが東京工科自動車大学校でEV特別講座を開催

BYDブランドのEV乗用車を2023年から日本で本格展開しているBYDオートジャパンが、未来の整備士たちを輩出している東京工科自動車大学校で、初の「EV特別講座」を開催しました。次世代のメカニックとして習得しておくべき、EVの基本構造から仕組み、さらには実車を確認しながらEVならではの故障診断の模擬、そして最終的にはサービス業務の在り方まで、広く学生たちに講義を行いました。どんな内容だったのでしょうか。

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自動車大学校で、これからのEVの授業はどうなっていくのか

現在日本国内で急速にディーラー網を広げているBYDオートジャパンが、同社初となる自動車大学校でのEV(電気自動車)に関する特別講座を2024年5月29日(水)、東京工科自動車大学校の中野校で、一級自動車整備課の3年生24名に対して行った。

学校法人小山学園が展開している東京工科自動車大学校は、中野・世田谷・品川と都内に3校を展開し10の学科を設けている。世田谷校の自動車整備課にはメルセデス・ベンツコースがあり、品川校では自動車整備課2輪コースにハーレーダビッドソン専科を設けているなど、数ある自動車大学校の中でも特色のある学校だ。

4年制の一級自動車整備課は、その名の通り、一級自動車整備士を目指すコース。国が認証する特定整備認証工場には一級整備士の在籍が義務付けられており、その資格を取得するため、クルマに関する知識や技術の習得に学生たちは日々勤しんでいる。この国家資格である一級整備士資格取得には、実際にクルマを安全に保つ重要な整備要素がてんこ盛りであり、その資格取得は険しい道のりではあるが、現在の自動車を取り巻く環境はドラスティックに変化してきている。

国土交通省もそのギャップを埋めるべく、対策を検討しており、この資格取得の内容についても今後変更があるわけだが、現在この学校の一級取得を目指す学生にとってはちょうど移行期間の端境期ともいえるタイミングとなる。同校の佐藤康夫校長は次のようにコメントしている。

「これからの整備士業界を背負っていく学生にとって、今回のような機会は非常に有効です」

座学と実車講義で学生たちも興味津々

学生たちにとって「社会に出てからプラスアルファとしての講習」という位置づけで行われた今回のEV特別講座。講師は、この自動車大学校の卒業生で、現在BYDオートジャパンで技術顧問を務める三上龍哉氏である。三上氏も「学校で学んでいることのもっと先のことを学べる機会」としてこの講義を組み立てており、この学校のことを知っているOBだからこその、親身になった講義の内容となっていた。

講義はまず座学として、BYDの紹介から始まった。1995年にバッテリーメーカーとして創業した若い会社でありながら、現在70万人の従業員を抱え、世界自動車販売台数ではトップ5に入っているという急成長ぶりを紹介。自動車部門だけではなく都市モビリティやエナジーストレージ事業、ITエレクトロニクスなど、グループ全体としては幅広い事業を行っている巨大な会社でもある。日本国内では、BYD製の公共バスが多く導入されているので、バスでBYDを知っている人も多いはず。そしてBYDオートジャパンは、2025年末までに国内100店舗を目指し、急速に日本国内でディーラーの展開を進めており、街中でその看板を見かけることも多くなっている。

学生たちの大半がEVに乗ったことがないため、続いてEVについての基礎知識を学ぶこととなる。EVとはどういう仕組みで動き、どういった構造を持つのか、BYDのEVを例に挙げながらICEV(内燃機関車両)との違いを示しつつ、整備士という視点からの内容も含め、非常にわかりやすくEVという乗り物をとらえることとなった。

ATTO 3とドルフィンの実車でレクチャー

続いて同校の3号館に場所を移動し、実車を使っての講義となった。今回この学校に持ち込まれたのはBYDのSUVモデルである「ATTO 3(アットスリー)」と「ドルフィン」の2台。教室内にはすでにボンネットを開け整備保護カバーがかけられた2台が学生たちを待ち受けている。実際にATTO 3にBYDの診断機を接続し、EVの故障診断の例を挙げながら、EVのさらなる解説が行われた。

その後にはこの2台のEVの見学の時間も設けられ、学生たちはこの最新EVの先進性を感じ取っていた。今後到来するであろう、EVがありふれた存在として身近にある社会での、新たなサービス業務の在り方などについて学ぶ機会ともなったようだ。

エンジン車とともに新たにHV、PHV、そしてBEVといった車両が次々と登場し、さらに各車両にセンサーやカメラなどのADAS(先進運転支援システム)が搭載されていくなど、急速に変革していく自動車業界。それを下支えする整備士に求められるものはさらに広く深くなっていく。彼らが今後ユーザーの強い味方になってくれることを期待したい。

AMWノミカタ

1980年代に日本では初めて欧州自動車メーカーとして現地法人を日本に設立したBMWは、いちはやくBMWグループの技術者養成に特化した専門コースを開校して間もないNATSに1991年に設置している。ちょうど、日本全国にBMWの正規ディーラー網が構築されていったのと時を同じくしている。日本での販売台数を増やすには、ディーラーを増やすことはもちろん、クルマを整備するメカニックを確保することも重要である。しかも、80年代90年代と違い、現在はメカニックが不足していることに加えてメカニックを目指す若者も減少している。BYDの今回の取組みは、自社のメカニック確保もさることながら、日本の自動車業界を盛り上げることにも一役買っているように思う。また、BYDの日本市場参入へかける本気度の現れでもある。

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みんなのコメント

17件
  • tmu********
    BYDはEV部門は一部で、世界で一番あのロシアオリジナルな自動小銃を作っている軍事産業でもあります。危険ですね、そういう実態を持った企業と関係を持つのは。
  • zzz********
    BYDの背後は中共で超ブラックだからなぁ…
    うち(BYD)の奴隷にならないか?
    と言う事だろ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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