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SUV過多でも新型ロッキー&ライズはなぜ登場? 両車の販売戦略の違いとは

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SUV過多でも新型ロッキー&ライズはなぜ登場? 両車の販売戦略の違いとは

■国産コンパクトSUVの真骨頂「ロッキー&ライズ」とはどんなクルマ?

 東京モーターショー2019で参考出品車として注目されたダイハツ「ロッキー」、そして初披露となるトヨタ「ライズ」が11月5日に発表されました。
 
 5ナンバーサイズのSUVとしては久しぶりの新型モデルですが、両車は共にダイハツの新しいプラットフォームDNGAを使った兄弟車です。この2台のSUVは、国内の新車市場でどのように棲み分けがされるのでしょうか。

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 まずロッキーですが、実はダイハツは1990年から2002年まで、この車名の小型オフロード4WDを出していましたが、新型ロッキーとの関係性について、ダイハツの商品企画担当者は次のように話します。

「かつてあったロッキーのDNAを受け継いでいる…といいたいところですが、ロッキーという名前の響きが力強さやダイナミックさを感じるため、今回の新型SUVのコンセプトに合うということで付けさせていただきました」

 一方のライズという名前は、トヨタでも初の車名です。トヨタの商品企画担当者は車名の由来について、「このクルマのコンセプトがアクティブであるとか、乗ると元気になるといったものですので、気持ちを盛り上げるという意味で『ライズ(raise)』という名前を付けて、力強さを感じさせるために一文字を『z』に変えました」と説明しています。

 ロッキーとライズはそれぞれ個性を持ってはいるものの、やはり兄弟車です。果たして、市場においてのバッティングはないのでしょうか。これについては、まったく問題ないと両社の開発陣は口を揃えます。

「そもそもダイハツは軽自動車が顧客のメインであり、ロッキーは軽自動車からの乗り替え組を想定しています。弊社のマーケットでは軽から軽への乗り替えが非常に多いのですが、やはりたまには違う雰囲気の車に乗ってみたいというお客様もいらっしゃるのです」とダイハツの開発スタッフは語ります。

 一方、トヨタのスタッフは「弊社には上のサイズのSUVやミニバンがあるので、そうした車種からダウンサイズしてくるお客様を想定しています。基本的にはライズとロッキーはDNGAを使った兄弟車ですが、市場でバッティングするとは考えていません」といい切ります。

 ちなみに、ロッキーとライズに大きな違いはなく、グレード設定の違いやそれによる装備の差違、そしてエクステリアデザインの違いくらいだそうです。

 外観のデザインは、ロッキーがSUVの王道的なフロントマスク、一方のライズは最近のトヨタ顔に共通する「キーンルック」を採用しています。見た目の雰囲気でいえば、ライズの方が無骨で飾り気のない、アグレッシブな印象を受けます。

■新型ライズとC-HRでユーザーの取り合いにはならない?

 ダイハツとしては悲願ともいえる本格SUVですが、トヨタにとって5ナンバーサイズのコンパクトSUVは、同社のラインナップを補完する形となりました。

 2019年4月にRAV4が復活した際には、「C-HRとの競合はない」としていましたが、今回のライズの場合はどうなのでしょうか。商品企画担当者は次のように説明しています。

「C-HRはトレッドを広く確保して、オンロードでの走行性能をしっかりと確保したモデルだと思っています。ライズは良品廉価、つまりサイズのわりには実用的に使える車内空間を持ち、しかもリーズナブルな価格設定を目指しました。そういう意味では、安くていいクルマを求める、トヨタには新規の顧客層にアピールできるモデルだと思っています」

 実車を見るとよく作り込まれているにも関わらず、廉価グレードが170万円を切る価格なのは、リーズナブルだといえます。

 ライズの国内市場でのポジショニングは、初代RAV4が登場したときに近いのではないでしょうか。安い価格もさることながら、十分な室内空間や快適性、考え抜かれた機能性、そしてインターフェイスのデザインを見ると、これまでSUVを新車で買えなかったユーザー層が、飛びつく可能性を秘めたクルマだと感じます。

 事実、トヨタによれば2019年11月5日までにライズの先行予約は6500台(月販目標台数4100台)にも上るといいます。

 今回、トヨタとダイハツどちらのディーラーでも写真の事前公開を一切伏せていたにも関わらず、多くのユーザーがデザインも見ないでこの新型SUVに飛びついたというのは驚きです。

 ちなみに一部グレードでオフロード性能を高め、イメージもオフロードに振っているRAV4に対して、ロッキーとライズはあくまでも「日常に溶け込む形」「汎用性の高さ」を追求しています。

 4WDシステムは、走行シーンによって100対00から50対50に前後駆動トルクを自動配分する、電子制御カップリングをセンターデフに使用。

 滑りやすいコーナーなどでの挙動を安定させる「VSC」以外のデバイスを、オフロード走行で介入させることはないとのことです。しかし、キャンプ場などちょっとした未舗装の地形でも十分に走行できるのではないでしょうか。

 肩肘張らずに、日常で普段使いできるSUV、ロッキーとライズ。この2台の登場によって、スズキ「SX4 S-CROSS」やスバル「XV」、日産「ジューク」には少なからず影響するでしょう。2台が市場でどのような評価を受けるのか、今後が楽しみです。

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