この記事をまとめると
◼︎トヨタが来年のモータースポーツ活動に関する活動内容を発表
レーシングカーが散らす本物の「火花」はあえて出している! その正体をエンジニアに直撃した!
◼︎選手の移籍や引退の発表も行なった
◼︎来年度から走る新型車両のデモランも実施した
2022年のモータースポーツ体制をいち早く発表
12月6日、年内で営業を終了する東京都江東区にあるトヨタの大型展示場、「MEGA WEB」の特設会場にて、例年なら翌年に開催される次年度のモータースポーツの参戦体制をトヨタがいち早く実施した。
発表会では、トヨタ自動車の社長であり、時にはレーシングドライバー「モリゾウ」として活躍する豊田章男社長が登壇したほか、ミスターGTの異名もを持つ、TGR TEAM SARDの監督である脇阪寿一さんや、スーパーGTなどのモータースポーツのリポーターで人気のタレント井澤エイミーさんが司会役で登壇。
異例とも言える速さで開催された来年度の体制発表は、豊田章男社長の考えでは「ドライバーズファーストを考えてのこと」だと言う。「決まっていることをすぐに発表することで、選手や関係者が質問攻めに遭うことを避けて、練習やトレーニングに当ててもらいたい」ということだった。選手としてもレースに参戦する「モリゾウ」ならではの視点と言えよう。そのほかにも、トヨタのカーボンニュートラルに対する考えや、トヨタの考えるレース現場のあり方などを語った。
なお、今回はレーシングドライバー、中嶋一貴の引退発表も行われた。中嶋一貴は、F1やスーパーGT、WECなど数々のレースで活躍してきた名ドライバーであったが、2021年をもって18年の現役生活にピリオドを打った。2022年からは、TGR-E(トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ)の副会長に就任することも併せて発表されたので、またさまざまな形で活躍してくれることだろう。
注目の参戦体制発表のほか、日本初のデモ走行も披露!
また、トヨタの関わるさまざまなモータースポーツでの体制発表もこの日に行われた。
来年は今までに続き、WEC(FIA世界耐久選手権)にハイパーカー・カテゴリー(LMH車両)で参戦することを発表し、2021年は全勝でチャンピオンを獲得したGR010 HYBRIDを2台投入する。チーム代表は小林可夢偉だ。
そして、8号車にはスーパーGTのGT500クラスに参戦する「TGR TEAM KeePer TOM’S」から平川 亮が参戦すると発表された。これにより、2022年は「TGR TEAM KeePer TOM’S」から平川は離脱する形となった。
ヤリスが大活躍してるWRC(FIA世界ラリー選手権)にも引き続き参戦。2022年は、サステナブルなモータースポーツに向けた新たなレギュレーションの下、トップカテゴリーとなるRally1クラスに新マシンを投入して参戦。待ちに待ったGRヤリスをベースに、ハイブリッドシステムを搭載するGR YARIS Rally1が暴れまわる予定だ。
ヤリ-マティ・ラトバラ代表の下、3タイトル(マニュファクチャラー、ドライバー、コ・ドライバー)の2年連続獲得に向けて挑戦する。TGR WRCチャレンジプログラムでは勝田 貴元がWRC全戦にGR YARIS Rally1で参戦することも発表された。
ダカールラリーでは、トヨタは2021年は市販車部門において8連覇を達成している強豪で、2022年ダカールで9連覇を目指す。
2022年1月にサウジアラビアを舞台に戦われるダカールラリー2022に、最新ラリーレイド仕様のGRダカールハイラックスT1+ 4台体制で参戦を発表。
なお、200系ランクル最後のレースとのことで、来年度からは新型の300系ランドクルーザーで戦うとのことだ。
日野自動車の日野チームスガワラは、トラック部門(排気量10リットル未満クラス)にて12連覇を達成しており、2022年ダカールでは、同部門にて、日野自動車初のレース用ハイブリッドシステムを搭載した車両で13連覇を目指す。
日本でも人気の高い、ニュルブルクリンク24時間レースには2020年、2021年の参戦見送りに引き続き、来年度も国内レースとのスケジュールの都合上、参戦は見送られるという発表もあった。
国内に目を向けて見よう。
先ずは全日本ラリーだが、こちらには2022年は2021年に続いてGRヤリス2台体制で、トップカテゴリーのJN1クラスに参戦する。
日本のトップカテゴリーとして人気のスーパーGTだが、今回はGT500クラスの発表のみで、GT300クラスは後日とのこと。GT500ではチームや車両の変更はないが、選手の入れ替えがある。
「TGR TEAM KeePer TOM’S」に在籍していた平川が移動したことにより、その枠には「TGR TEAM WedsSport BANDOH」で活躍していた宮田莉朋が移籍。「TGR TEAM WedsSport BANDOH」の宮田莉朋が移籍したことにより、2021年のGT500にサッシャ・フェネストラズの代役で参戦していたGT300の阪口晴南が本格参戦する形だ。
2021年度のスーパーGTチャンピオンだった「TGR TEAM au TOM’S」に在籍していた関口雄飛が「TGR TEAM SARD」に移籍する関係で、2021年度のGT300で活躍したジュリアーノ・アレジが「TGR TEAM au TOM’S」に加わり、新たにGT500クラスに参戦する。「TGR TEAM SARD」で活躍したヘイキ・コバライネンは2021年を持って日本でのレース活動を終えた。
全日本スーパーフォーミュラ選手権では、TRD(Toyota Racing Development)より、直列4気筒2リッター直噴ガソリンターボエンジン(TRD 01F)を6チーム11台に供給。新たにジュリアーノ・アレジも参戦する。
水素エンジンのカローラを投入したことで大きな話題になったスーパー耐久シリーズにも引き続き参戦。
豊田章男社長がオーナーを務めるROOKIE Racing より、カローラスポーツをベースとした水素エンジン車両に加え、バイオマスを由来とした合成燃料を使用する新型GR86をベースとした車両でST-Qクラスに参戦すると発表。また、TOM’S SPIRITより、新型GR86でST-4クラスにも参戦すると表明した。
TGRは2022年も引き続きROOKIE Racingとともに、「意志ある情熱と行動」で、カーボンニュートラル実現に向け、新たな選択肢を広げる挑戦に取り組んでいくと語った。
会場には、2021年に活躍したマシンが集結し、そのなかには先日のスーパーGT最終戦で劇的な優勝を果たした「TGR TEAM au TOM’S」のGRスープラも展示された。
そして、「MEGA WEB」の試乗コース内に設置された特設コースでは、来年から実施される新規定のWRCで走る「GR YARIS Rally1」の日本初となるデモ走行も披露。
ドライバーにはヤリ-マティ・ラトバラ、助手席には豊田章男社長が搭乗したほか、豊田章男社長が全日本ラリーで使用するGRヤリスを操ったパフォーマンスも披露。関係者のみの会場となったが大いに盛り上がった。
今年1年、さまざまな経験をしてより強くなったTOYOTA GAZOO Racing、2022年の活躍にも期待したい。
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みんなのコメント
それに引き換えホンダニッサンはよぉ…