この記事をまとめると
■2023年のニュースはダイハツの認証申請における不正問題
「数少ない短納期車種だったのに……」 ダイハツの不正がトヨタの販売現場にも混乱を及ぼす!
■相互牽制が利かない職場環境を2023年6月まで放置していたことに筆者は驚いた
■OEM車のあり方についても一石を投じる事件となった
組織の構造が不正の大きな要因となった
2023年のニュースはいくつかあるが、とくに注目されたのはダイハツの認証申請における不正問題だ。このわかりにくさは、不正が行われて出荷も停止されながら、「ダイハツ車を今までどおり運行して大丈夫」と案内されていることにある。第三者認証機関の「テュフ・ラインランド・ジャパン」も含めて、安全面で問題がないことを確認した。ダイハツ・キャスト&トヨタ・ピクシスジョイの衝突時にドアロックを解除して乗員救出を容易にする安全性能は、「法規に適合していない可能性も判明」とされて不安を残すが、それ以外は「運行して大丈夫」という見方だ。
これは出荷の停止と矛盾が生じる。大丈夫なら出荷も停止する必要はないからだ。
出荷停止の理由は、生産された車両に運行上の問題がなくても、安全性に大きな影響を与える認証申請で不正問題が生じたからだ。そこで国が改めて基準適合性の確認を行うまで、すべての新車の出荷を停止することになった。
認証申請の不正問題は、ダイハツ以外の複数のメーカーでも、過去に問題になっている。その原因として挙げられたのが、開発部門と認証部門の組織的な距離だ。過去の事例では、燃費数値を向上させたい開発部門の意思が、認証部門に影響を与えて不正を発生させる一因になっていた。
そのために数年前に複数メーカーの開発者から「この教訓に基づいて、開発部門と認証部門の組織を改めて見直した。距離が近い場合は離した」という話を聞いた。認証は、いわば国側の立場で行う業務だから、開発側が絶対に影響を与えてはならないのだ。
ところが今回のダイハツの第三者委員会による調査報告書によると「実験報告書から認証申請書類としての試験成績書を作成する業務のいずれも、安全性担当部署が担当していて、相互牽制が利かない職場環境にあったことが不正の温床になった」とある。そして2023年6月になってから、組織改正を実施して、性能開発・評価・認証の各機能を分離させるとともに「特に客観性が重視される認証機能を開発部門から独立させた」としている。
これには驚いた。2023年6月といえば最近で、それまで旧態依然とした「相互牽制が利かない」、つまり認証部門の独立性が担保されない組織で認証作業を行っていたことになるからだ。まさに「不正の温床」を放置していた。
ダイハツは組織をもう一度、完全に見直して、不正が発生しないようにする必要がある。
トヨタ車ユーザーに対してはトヨタも責任を負う必要がある
またこの問題に関しては、トヨタも一部の責任を負っている。親会社だからではなく、ルーミーを始めとするダイハツ製のOEM車を販売しているからだ。
この点はユーザーの立場で考えねばならない。ルーミーやライズのユーザーは、ダイハツのクルマを買ったのではない。トヨタのエンブレムが装着されたトヨタ車を、トヨタの販売店で購入したのだ。ダイハツが企画と製造を受け持ったOEM車というのは、あくまでもメーカー側、販売会社側の事情に過ぎない。
従ってトヨタのルーミーやライズが出荷を停止して、ユーザーが不安を感じるなど迷惑を被った場合、直接の責任はトヨタが負担する。その上でトヨタは、ダイハツにその賠償を求めることが可能だ。今回のダイハツの認証不正問題は、OEM車のあり方についても一石を投じている。
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みんなのコメント
部品のリコールでも部品メーカーじゃなくて販売した自動車メーカーがリコールして対応してる。
普通じゃね?
サプライヤーが一元化してしまうとリコールや今回のような事があると供給が滞る。
自衛隊のスクランブル任務に当たる戦闘機がなぜ三機種もあるか。リコール事案で飛行停止が起きても他の機種で穴埋めできるから。
F-2がハーネス、F-15が胴体亀裂で飛行停止になったときでも最古参のF-4が任務に飛んだ。