現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「手放し」&「よそ見」中の自動運転で事故が起きたら? 保険の扱いとは

ここから本文です

「手放し」&「よそ見」中の自動運転で事故が起きたら? 保険の扱いとは

掲載 更新 1
「手放し」&「よそ見」中の自動運転で事故が起きたら? 保険の扱いとは

 現時点で国の制度ではレベル4まで想定している

 ついに日本の公道を自動運転レベル3の自動運行装置搭載車が走り始めた。言わずもがな、それはホンダセンシング・エリートを搭載したレジェンドだ。

便利すぎるがゆえのワナ! 頼りっきりは「危険」なクルマの先進装備5つ

 高速道路(一部は除く)での渋滞時限定とはいえ、ドライバーが周辺監視からも解放され、すべての運転行為をクルマに任せることができるというのはじつに画期的だが、もし事故が起きた場合の責任や保証はどうなってしまうのか。そのあたりの整備はされているのか、と指摘する声は少なくない。

 当然、政府として自動運転レベル3を認可するには、そうした整備がされているのは当然だ。そもそも、こうした状況を想定した被害者救済という考え方は数年前から損保各社が採用している。

 たとえば、損保ジャパンの自動車保険においては、2017年7月から「被害者救済費用特約」が自動付帯されている。自動運転中にドライバー等に責任がなく発生した事故は、本来の使用とは異なる動作が生じたと捉えることができるため、被害者救済として賠償金相当を支払うことが可能となっている。もちろん、この特約を使って賠償金を支払った場合は、等級に影響しないので保険料が上がることはない。

 もちろん、自動運転中であってもドライバーがなんらかの操作を行なうなど、少しでも責任があると認められれば、通常の事故と同じく対人賠償責任保険、対物賠償責任保険で支払うことになり、その場合は翌年以降の保険料に影響することは言うまでもない。

 これはいわゆる任意保険での対応だが、加入が義務付けられている「自賠責保険」においても自動運転中に起きた事故についての賠償と責任の所在については明確になっている。

 レベル4までは所有者に運行責任が発生する

 国土交通省が2018年に実施した「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」での報告書では以下のように発表されている。 ・自動運転車いずれの事故の場合も、「被害者救済」の観点で自賠責保険は補償対象となる

・自動運転車であっても所有者等に運行供用者責任は生じる

・事故発生にあたって自動運転システムの不具合等、自動車メーカー等の過失があると考えられる場合、保険会社が被害者に保険金を支払ったうえで、責任割合に応じた保険金を保険会社から自動車メーカー等に求める(求償する)ことになる そして一般論としては、もし自動車メーカー等に過失があったとすれば、それは各社が加入しているPL保険(生産物賠償責任保険)で支払うことになるであろう。

 当然、損害保険各社は、自動車メーカー等に過失があることを明確にしなければならないし、求償する際の実行性を確保する仕組みも必要となるわけだが……。

 前述した「自動運転における損害賠償責任に関する研究会」において検討された自動運転はレベル3(条件付自動運転)とレベル4(特定条件下における完全自動運転)となっている。いずれも限定的な自動運行装置であって、所有者に運行に関する責任が生じると理解するのは自然だ。

 逆にいえば、常にすべての運転操作をシステムが行なう自動運転レベル5での賠償責任については、これから明確化していく必要があるといえる。とはいえ、レベル5の自動運転が実現するにはまだまだ時間がかかるのは間違いない。

 ひとまずはレベル4までを想定した整備をしておいて、そこでの事象をフィードバックするなどして、完全自動運転時代の被害者救済を考えていくことで、法整備としては十分に間に合うだろう。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
日産「新型ラグジュアリーSUV」世界初公開! 斬新「紫」内装&オラオラ「ゴールド」アクセントで超カッコイイ! ド迫力エアロもスゴイ「QX60C」中国に登場
くるまのニュース
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
変化と進化──新型ロールス・ロイス ゴースト シリーズII試乗記
GQ JAPAN
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
加熱する中国高級SUV市場、キャデラック『XT6』2025年型は「エグゼクティブシート」アピール
レスポンス

みんなのコメント

1件
  • 人身事故で揉めたらややこしくなりそうだな
    こんなクルマ、マトモな責任感のある会社は出せないわね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

707.41100.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

27.5503.0万円

中古車を検索
レジェンドの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

707.41100.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

27.5503.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村