6月26日に全貌が明らかになるトヨタの新型「C-HR」は期待しかない! 今尾直樹が考察した。
思い出されるC-HRプロローグ
メルセデスやBMWではなくキャデラックという選択もアリ!──新型CT5スポーツ試乗記
さる6月12日、トヨタ・ヨーロッパはCセグメントのクロスオーバーSUVクーペのヒット作、C-HRの新型を6月26日に世界初公開すると自社サイトで発表した。たった1枚だけ、画像を添えて。
それは記憶に新しいレクサス「LBX」の予告と同じく、暗闇に真っ赤なテール・ライトが光るリアのショットで、小さく“TOYOTA C-HR”と入っているのだった。後ろのドライバーに誇らしげに見せつけるように。
この画像からわかることはなにか? と、モッタイつけるまでもなく、新型C-HRにはレクサスLBXのときとは異なり、トヨタ自身が手がかりをわれわれに提供している。昨年12月にベルギーのブリュッセルで発表した「C-HRプロローグ」という名前のコンセプト・カーがそれだ。ふふふ。おまえたちのやっていることは全部まるっとお見通しだぁ。と「トリック」の仲間由紀恵だったらいっているところです。
C-HRプロローグなんて名前をつけておいて、新型C-HRのプロローグになっていなかったら、世間はなんというでしょう。ヒソヒソ。もとい、それ以前に大トヨタがウソをつくはずもない。これこそ、正真正銘、新型2代目C-HRのプロローグだったのだよ、小林くん。明智先生。証拠はあるんですか。ない……。以下、証拠はないけれど、たぶん、そうだろう、という筆者の推測であることをお断りしておく。
まずもってC-HRプロローグは、あくまでプロローグにすぎないともいえる。なので、市販型とは若干異なるところもある。確実なちがいの第1は、C-HRプロローグは3ドア・ハッチバックだったのに対して、市販型は初代同様の5ドアになっているだろう。
5ドアのほうが断然実用的だし、前例もある。2014年秋のパリ・サロンに展示されたC-HRコンセプトは3ドアだった。翌年、5ドアのコンセプトがフランクフルトで発表されて、それが市販型につながった。今回、なぜかは知らねど、後者はパスされている。おそらく2代目だから、初代のときほど丁寧にしなくてもよい、と、判断したのだろう。
新型はどうなる!?確実なちがいは第1で終わってしまったのですけれど、市販型でも実現しているだろうと予想されることはいかに? 第1は、新型クラウン、新型プリウスでも採用されている「ハンマーヘッド・フェイス」である。ハンマーヘッド・シャーク、日本語でシュモクザメをモチーフとする、と思しきこのシャープなツラ構えは、これまでの「キーンルック」に代わる新しいトヨタの顔なのだからして。
第2は、C-HRプロローグで見られるように、市販型もボディの前後オーバーハングが切り詰められ、それはすなわちホイールベースが延長され、より大径のホイールを装着している点である。よりクーペらしいデザインになっているのに、室内空間は拡大している、と、C-HRプロローグでは説明されてもいる。それが市販型でも実現されているにちがいない。だって、予告編でそういっていて、本編でそうなっていなかったら、世間はなんというでしょう。ヒソヒソ。いつの時代も、正直は最善の策である。なので、ここは市販型でも、きっとそうなっている。ここが進化のポイントのひとつなのだ。
それに、新型C-HRとプラットフォームを共有するであろう、TNGA第2世代の新型プリウスのホイールベースが先代比50mm延びている。これに呼応して、新型C-HRも初代比で50mm程度プラスされているのではあるまいか。
C-HRプロローグの画像から判断する限り、全高も若干高くなっている。つまりボディは全体にちょっと大きくなっている。第3のトリコロール・カラーの採用は、ま、あるとしたら、という前提付きで申し上げるわけだけれど、それはボディがふっくらしたことを視覚的に薄めるためである。リヤのフェンダーのちょっと前からブラックにすることでボディ全体を引き締め、ルーフをゴールドにすることで全高を低く見せる。CH-Rプロローグではこの3色塗り分けが効いている。デザイン以上のメリットが大きいので、市販型でも実現する。プジョー「308GTI」で2色は実現している。あともう1色。ルーフにゴールドのラッピングをくわえればよいのだから、やると思うなぁ。願望をこめた第3の共通点である。
第4は大径ホイールの採用である。これはもちろん、C-HRプロローグのデザインでも効いている。新型プリウスで細幅の19インチを標準採用していることもある。
ヨーロッパ独特のクーペ文化最後に機能面、「カーボンニュートラルに対するトヨタの取り組み」を示すものとして、C-HRプロローグではハイブリッドだけでなく、プラグイン・ハイブリッドの設定が紹介されている。
新型プリウスのプラグイン・ハイブリッドをそのまま流用すれば市販型でも実現はたやすい……と、実際はそうではなくても、外野はそう思う。新型プリウスPHEVは19インチでEV走行87km。従来型比50%以上の増加を達成している。おなじシステムが新型C-HRにもラインナップされることは疑いない。
6月26日の正式発表まで、もういくつ寝ると全貌が明らかになる。もうちょっと待っていれば、いいのに……というのんびりなことを許さないのが現代のネット・メディアである。以上は筆者の想像の産物なので、違っていたらお許し願いたい。
新型C-HRの公開予告、トヨタのニッポンのプレスサイトは音無しの構えである。それはなぜか? 思い出すなぁ。あれは「カローラ・クロス」の試乗会のときだったか、筆者は開発担当者の方に、素晴らしい! と、絶賛した。もはやC-HRはいらないでしょう。とまで申し上げた。
というのも、初代C-HRは日本では2016年の暮れに発売となり、翌年、11万7299台を販売するヒット作になった。全体ではプリウスや日産「ノート」、トヨタ「アクア」に次ぐ4位で、SUV新車販売台数ナンバー1に輝いているのだ。
だけど、その翌2018年は7万6756台に急落。2022年は1万1811台、42位で終わっている。C-HRみたいに斬新なデザインは飽きられるのも早い。2代目も考えにくい。と私はそう思った。だから、より機能的なカローラ・クロスの出番になったのだ、と。
ところが、C-HRというのはもともと南フランスにあるトヨタのデザイン部門で開発された、ヨーロッパ戦略モデルなのである。
筆者がお話ししたカローラ・クロスの開発担当者はC-HR、カローラ、プリウスの開発担当者でもあった。そういう方に私は「もはやC-HRはいらないでしょう」などと笑止千万なことを申し上げたのである。新型車についてあれこれしゃべるわけにもいかず、その方は「いや、あれはあれで……」とだけ、穏やかにいっておられた。
ヨーロッパ戦略車として2代目へと進化するC-HR。SUVクーペというジャンルがヨーロッパにはあることを極東の島国の、かりそめにも自動車ジャーナリズムの隅っこにいるようなひとはおぼえておかねばならない。
ヨーロッパ独特のクーペ文化、馬車の時代から続くクーペのあるライフスタイル、あるいは自己表現というものに対する考え方、みたいなことへの理解がないと、なかなか……です。ごめんなさい。ぺこり。
文・今尾直樹 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
4代目プリウスのデザインが不評でその受け皿になったこと、プリウスベースで安く作れたこと、SUVトレンドでしかもやや背の低い最小モデルであったこと、その他諸々の幸運が重なった時期の登場だった。もちろんその多くはトヨタの先見性によるものだが、逆に書くと今後そうしたことは起きにくい。
現在では、C-HRよりも小さいライズやヤリスクロスがあり、再販車種のカローラクラスもある。リアドアのハンドルをピラーに隠す手法もプリウスがやってしまっている。
個人的には好きな車だが、現在の日本では隙間がない感じ。また、オシャレさんが買う車だったこともあり、現在では流行遅れの感もある。リフレッシュでそこら辺を刷新して欲しいが…。