ボルボのハイパフォーマンスブランドとして名を馳せたポールスターが、2017年より電気自動車専業メーカーとしてスタートした。併せて、ボルボにエンジン・オプティマイゼーション・パッケージを提供。その電動車をよりスポーティにチューニングしたコンプリートカー、「T8 ポールスターエンジニアード」に試乗した。
あくまで電動車をよりスポーティに仕立てたコンプリートカー
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ボルボは60シリーズをべースとしたハイパフォーマンスモデル「T8 Polestar Engineered(ポールスターエンジニアード)」をおよそ1年ぶりに再販した。昨年11月にS60をベースとしたモデルが30台発売され、即日完売したという人気を受けてのもので、今回はS60ベースの15台にくわえ、V60が20台、XC60が30台の計65台が用意された。
ボルボに詳しい人なら“ポールスター”の名はおなじみだと思うが、実はこの数年で当初とはまったくの別会社になっている。そもそもポールスターは、1996年に創立され、ボルボの様々なモデルで欧州のツーリングカー選手権に参戦していたレーシングチームをルーツとする。
のちにボルボ・カーズとの提携関係を強化し、オフィシャルパートナーとして市販車の開発にも乗り出す。そしてボルボのハイパフォーマンスブランドとして、パーツやコンプリートカーを手がけるようになった。いわば、メルセデスにとってのAMG、BMWのMのような位置づけにあった。
そして2015年にボルボはポールスターのブランドとパフォーマンスカー部門を買収する。市販車開発は正式にボルボ傘下となり、一方でレース部門はシアンレーシングとして独立する。このタイミングでポルスターのイメージカラーだったブルーはその名にあるようにシアンレーシングのものになっている。そして現在は、ボルボと親会社であるジーリー・ホールディングとの共同出資によって設立された中国市場向けのブランドLynk & Co(リンク・アンド・コー)」のもとでレース活動を継続している。
ここからが少しややこしいが、電動化を強力に推し進めるボルボは2017年、ポールスターを電気自動車専業メーカーとすることに決定。ボルボの名がつかない独立したブランドとして事業を開始する。欧州ではすでにポールスター1や同2といった電動モデルが発表されているが、日本への導入はいまのところ予定されていないようだ。同時にポールスター社はボルボ車向けのエンジン・オプティマイゼーション・パッケージをポールスター・エンジニアリング・ブランドの名のもとで提供する役割を担っている。
したがって、この「T8 ポールスターエンジニアード」は、かつてのサーキット由来という位置づけではなく、あくまで電動車をよりスポーティにチューニングしたコンプリートカーだ。ポールスターのバッジもかつてのブルーではなく、新たなイメージカラーであるホワイトだ。
パワートレインは、T8 Twin Engine AWDをベースにポールスター社によってチューニングされたもの。2リッター直列4気筒ターボ&スーパーチャージャーエンジンと電気モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドモデルだ。内燃エンジンの最高出力は333ps、最大トルクは430Nmで、これにモーターの87ps/240Nmが加わることでシステム最高出力は420psに達している。一充電走行可能距離は42kmでEV走行時はリアモーターのみで駆動する。これだけ走れば日常はEVとしても使いやすい。「チャージ」モードを使えば、内燃エンジンで走行中に積極的に充電することもできる。
通常時は「ハイブリッド」モードにしておけば効率よく走行できる。「コンスタントAWD」や電動優先の「ピュア」モードをはじめ、このモデルだけに設定されているのが、「ポールスターエンジニアード」モードだ。エンジンの出力特性、レスポンス、ギアシフトコントロール、リアモーターの出力特性などをスポーツモードへと切り替え、エンジンとモーターをフル稼働してスポーツカー並みの走行性能を発揮する。アクセルペダルに力を込めれば、まあとにかく速い。
国内でも即日完売の人気モデル
試乗車はV60ベースのステーションワゴンだった。エッジの効いたデザインの鍛造ホイールの内側にブレーキはブレンボ製6ポッドキャリパーにベンチレーテッドディスクで強化。足回りはオーリンズ製の調整式のレーシングショックアブソーバーが備わり、なんと減衰力を手動で22段階も切り替えられる。フロントには見るからに質感&剛性感の高そうな専用ストラットタワーバーが備わり、その中央には調整ダイヤルが飛び出している。後輪側の調整はダイヤルがショックアブソーバーのサイドについているようでジャッキアップが必要だ。試しにもっとも柔らかい仕様、中間、硬い仕様などを試してみたが、やはり市街地では柔らかめのセッティングがいいかもしれない。
かつてボルボは240や850エステートをベースにツーリングカー選手権に参加し、"フライングブリック(空飛ぶレンガ)"という異名を頂戴していたが、なさがらそれの現代版というわけだ。電動化しようとも、レースのDNAが息づいている。
実はこの原稿を書いている段階で、すでに再販分も完売してしまったようで、ボルボの申し込みウェブサイトにもSOLD OUTと表示されている。台数が少ないだけに中古車市場にもまったく見られない。ボルボ・カー・ジャパンには再再販を期待するばかりだ。
文・藤野太一 写真・茂呂幸正 編集・iconic
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