新型カローラシリーズがデビューしてまもなく5年経過するも、未だに先代モデルを生産しているトヨタ。これは現行モデルが3ナンバーとなり、5ナンバー支持層。あるいは高齢の方やビジネスユース層のためと言われているためである。
だが、じつは最近マイナーチェンジを実施し、快適性などを向上したのだ。さすがトヨタともいうべき対応だが、一体先代カローラはいつまで買えるのか!? そして実際どんな人に支持されている!?
まだ進化するんかい!? 旧型になっても生き様貫く!! 先代カローラを存続させるトヨタの意地と今後
文:佐々木 亘/写真:トヨタ・ホンダ
ヘッドライトだけじゃない!! 快適性も向上するも最大でたった10万円アップ
ヘッドライトだけでなく、スマホ置き場やタイプCのUSBソケットを標準装備化するなど進化は止まらない!!
2022年8月22日に、カローラアクシオ・カローラフィールダーの一部改良が発表された。現行アクシオ・フィールダーの現行型は2012年に登場、今年で丸10年を迎える。
今回の改良内容は、質感や機能性を大きく向上させた。ヘッドランプはプロジェクター式LED(マニュアルレベリング機能)を標準装備し、内装ではシート表皮を一新している。トヨタ初となるマニュアルエアコンへのナノイーX搭載や、パーキングブレーキ横にスマートフォン置き場を作り、充電用のUSB端子(Type-C)を全車標準装備した。車両本体価格は、アクシオが161万1600円~217万7000円、フィールダーが175万8400円~233万400円だ。
改良前と比較すると、車両価格は5~10万円の範囲で上昇しているが、刷新内容を見れば、ヘッドライトの変更分だけで元を取れてしまう。変更された内容をみれば、価格の上げ幅は小幅なものであり、買い得感は非常に大きい。 今回行われた一部改良の内容は、単純な延命措置とは思えない。アクシオ・フィールダーに対するトヨタの信頼が、十二分に感じられるものとなっている。
先代カローラ延命は高齢者向けじゃない!? ビジネスユースが大多数という衝撃
クラウン同様にカローラオーナーの高齢化が留まることを知らないが、先代モデルを購入するのは以外にもビジネスマンが多いという
国民車とも言われたカローラが、2019年のモデルチェンジで全幅1745mmになり、5ナンバー枠を外れた。ボディサイズの拡幅は大きな話題になったが、カローラが3ナンバーセダンとなり既に3年が経過する。
「歴代カローラユーザーのために、5ナンバーサイズのカローラは残さなければならない。」と言われ続けてきた。アクシオ・フィールダーが今も残る理由は、比較的高齢な歴代ユーザーのためと思っている人が多いのではないだろうか。しかし、販売現場でアクシオやフィールダーの存在意義を聞くと、高齢者向けという言葉はほとんど出てこない。
高齢ユーザーで、アクシオを選ぶという人はごく僅からしい。その中でも、ほとんどがガソリンのエントリーモデルにあるマニュアルトランスミッション(MT)を希望するようだ。5ナンバー枠であることにこだわってCVTのアクシオを購入するケースはほとんどなく、MTという制限が無ければ、機能性が上の3ナンバーになったカローラを選んでいくという。
今回行われた改良では、USBポートやスマホ置き場、ナノイーXなど若中年層が快適に使うための装備が増えた。ここから、アクシオ・フィールダーが向く先は、高齢者よりも現役生産世代のビジネスマンということがわかる。
トヨタHPのラインナップを見ても、乗用車にアクシオ・フィールダーの名は無い。ビジネスカーとして登録されている両者は、法人ユースにターゲットを絞り、存在感を高めていくことだろう。
フルチェンはセダンの市場規模から期待薄……まだまだ現役の予感!!
プレミオやアリオン、他社でいえばグレイスといった5ナンバーサイズが軒並み姿を消した今、唯一残っているのはカローラアクシオである。そのためニーズを一挙に請け負っている状況だ
登場から10年も経過するアクシオ・フィールダーだが、フルモデルチェンジの話は煙すら立たない状況だ。ヤリスやアクアに使われているGA-Bプラットフォームを使って、小型セダンを登場させて欲しいものだが、現在のセダンの市場規模では難しいだろう。登場からの年数だけを考えれば、アクシオ・フィールダーは、いつ生産打ち切りが発表されてもおかしくない存在だ。しかしながら、ここ数年の間に、存在が消えることは考えにくい。
大幅に精査された現在のトヨタラインナップでは、アクシオ・フィールダーの代わりになるクルマがないのが大きな理由である。プロボックスやハイエースでは、アクシオ・フィールダーの存在を埋めることは出来ない。
実際に、2022年6月の販売台数を見ると、アクシオ・フィールダー合わせて約2500台だ。この数字はカローラ・カローラスポーツ・カローラツーリングの3台を合わせた販売台数と、ほとんど変わらない。
プロボックスやハイエースも長寿モデルであるし、過去のトヨタにはコンフォートという23年もの間、活躍したモデルも存在する。少なくとも販売台数が数十台から100台規模まで落ち込まない限り、アクシオ・フィールダーは存在を続けるクルマであろう。
今後もアクシオ・フィールダーは、時代に合わせて変化し、活躍を続けていくはずだ。
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みんなのコメント
すぐに新車が必要な人は、助かると思う。
価格も手頃だし、フィールダーは、荷物もかなり積める。
社用車としての法人需要が今でも高そう。