現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ハイパワーと大トルクのSUV対決! ポルシェ・マカンターボ パフォーマンス × BMW・X3 M40d

ここから本文です

ハイパワーと大トルクのSUV対決! ポルシェ・マカンターボ パフォーマンス × BMW・X3 M40d

掲載 更新
ハイパワーと大トルクのSUV対決! ポルシェ・マカンターボ パフォーマンス × BMW・X3 M40d

高性能ミドルサイズSUVの雄、マカンターボに新たなライバルが登場した。最新の直列6気筒ディーゼルターボエンジンを搭載し、326㎰/680Nmもの強大なアウトプットを発生するBMW X3 M40dだ。ハイパワーミドルサイズSUV2台の熾烈な戦いに注目だ。REPORT◉渡辺敏史(Toshifumi Watanabe) PHOTO◉市 健治(Kenji Ichi)

ガソリンとディーゼルそれぞれの特徴を持ったスポーツユニット

「ハレ」と「ケ」両方持ち合わせるロールス・ロイス・カリナンは最高に豪華なSUV

 BMWのモデルラインナップにおいて、MパフォーマンスはMとMスポーツの間を埋める位置づけになっている。コスメティックや足まわりだけでなく動力性能も含めてトータルで性能向上をみているそれは、アウディになぞらえればS系のカテゴリーということになるだろう。日本では既にM240iやM760Li、SUVでもX2 M35iといったモデルがラインナップされている。
 
 そして直近で追加されたMパフォーマンスモデルがX3 M40dだ。X3は言わずもがな、最も売れ筋にあたるだろうDセグメントSUVだ。当然看板たる6気筒モデルもあって然るべきだが、そのラインナップは4気筒エンジンで構成されていた。そこに加えられたのが40d。待望の6気筒は驚くことにディーゼルでの投入となったわけだ。

 M40dに搭載されるB57D30B型ユニットは、現行ラインナップにおいては740d系と同型になるが、パワースペックは若干異なっている。この3.0ℓストレート6の開発にはM社も関与しているとされ、その出力は326㎰、最大トルクは680Nm。パワーはガソリン版3.0ℓストレート6のB58系とほぼ同等、そしてトルクはN63系4.4ℓ V8のそれをも上回るという。この数値をみればM40dがMパフォーマンスを名乗るのに文句はつけようがない。



 この強烈なパワー&トルクを路面に伝えるxドライブは、FR的な駆動配分セットアップをベースに差動を電子制御でコントロールするMスポーツディファレンシャルを備えるなど、曲がりを存分に意識して躾けられている。ちなみに21インチの40扁平タイヤも前後は異幅だ。併せて足まわりはサスペンションセットアップだけでなく、ブレーキも対向ピストン式が充てがわれるなど、強化ポイントに抜かりはない。

 Dセグメント系ディーゼルでは当然最強クラスのパフォーマンスを示すことは容易に想像できるこのX3M40dに好敵手を用意するとなれば、同じくdセグメント系ガソリンでのトップパフォーマーたるマカン・ターボパフォーマンスだろう。3.6ℓ V6はベースとなるターボに対して40㎰増の440㎰、トルクは50Nm増の600Nmとなる。M40dに対してはトルクで劣るもパワーで勝る。両エンジンのわかりやすい特性差が現れている。



 まずはそのマカンを受け取り、一般道から高速道路を経由して郊外へと向かう。足まわりはターボパフォーマンスの専用設定となり、その振る舞いにもはやSUVの腰高感は皆無であることは一般道の取り回しからして伝わってくる。オプションの21インチタイヤはX3よりさらにひと回り太いが、低中速域でもその脚さばきに大きな不満はない。凹凸や目地段差でもインパクトは感じるも刺とげとげ々しいショックはスッと綺麗に抜いていく。PDKのリンケージ感もすこぶる滑らかなのは、試乗車が2万kmを超えていよいよ各部にアタリがついてきたからだろうか。

 回せば6800rpmのレッドゾーンまで力感を途切らすこともなくシュンと回るエンジンの気持ちよさに改めて溜飲が下がる。大きなマスをあらんばかりの力で押し出すSUVの速さに魔性を感じる向きも多いかもしれないが、このクルマも十分その期待に応えるだろう。が、それだけでなく曲る止まるの操作においても寸分の遊びもなくピタッと反応するところがポルシェたる所以といえるだろう。ともあれ欠点を見出すことの方が難しい。マイナーチェンジ前のモデルをしてそれである。
 


パフォーマンスで肉薄するX3

 そんなマカンの感触を刷り込んだ後では、さすがにX3も分が悪いところはある。それは主に低中速域での乗り心地にあって、轍はともあれ微妙な凹凸のいなしや目地段差の乗り越えなどでの応答はやや粗い。この辺りはマカンに対して走行距離的にこなれていないところもあるだろう。それでも巨大なバネ下の動きに淀みや濁りを残さない辺りはさすがだ。そしてブレーキの効きやコントロール性もマカンに肉薄している。

 速度が乗れば乗り心地のアラも収まり、X3はサルーンにも等しい快適性で乗員をもてなしてくれる。足まわりはしっかり固めても車高が必要以上に下がっていないのか、SUVらしい見晴らしの良さが維持されている辺りは乗員にも喜ばれるだろう。8速ATを介しての100km/h巡航はエンジンの回転数も1200rpm付近に抑えられ、車内は実に静かだ。いかにもディーゼル的なガラガラ系の音は総じてきっちり抑え込んである。




 そのディーゼルユニットのパフォーマンスはやはり強烈なものだった。とりわけ最大トルクが発せられる2000rpm手前から3500rpm辺りの蹴り出し感は、例えようにも対象が見当たらないほどに豪快だ。流れに乗るような運転ならばエンジンは2000rpmも使えば必要な駆動力は足先の動きだけで即座に得ることが出来る。そこから一気に加速体制に入ると21インチタイヤが悲鳴を上げ、景色がぐっと歪むようなGをもって速度計が跳ね上がる。その猛烈な力がきめ細かな粒感で伝わってくる辺りは、まさに直6の恩恵といったところだろう。吹け上がりの軽さやヌケの良いサウンドも相まって、ディーゼルの重さや粘り気は殆ど感じられない。

 この激烈かつ個性的、かつ使い勝手のいい速さが、低燃費と相反することなく両立している。M40dの魅力は他のモデルでは叶えられないものだろう。800万円台に抑えられた価格を知れば、この選択肢はますます説得力の高いものと思えてくる。

BMW X3 M40d
■ボディスペック
全長(mm)4725
全幅(mm)1895
全高(mm)1675
ホイールベース(mm)2865
車両重量(kg)1980
■パワートレイン
エンジンタイプ 直列6気筒DOHCディーゼルターボ
総排気量(cc)2992
最高出力 240kW(326㎰)/4400rpm
最大トルク 680Nm(69.3kgm)/1750~2750rpm
■トランスミッション
タイプ 8速AT
■シャシー
駆動方式 AWD
サスペンション フロント マクファーソンストラット
サスペンション リヤ マルチリンク
■ブレーキ
フロント&リヤ ベンチレーテッドディスク
■タイヤ&ホイール
フロント 245/40R21
リヤ 275/35R21
■環境性能
燃料消費率 14.9km/ℓ(JC08モード)
■車両本体価格(万円) 878

ポルシェ・マカンターボ パフォーマンス
■ボディスペック
全長(mm)4699
全幅(mm)1923
全高(mm)1609
ホイールベース(mm)2807
車両重量(kg)1925
■パワートレイン
エンジンタイプ V型6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc)3604
最高出力 324kW(440㎰)/6000rpm
最大トルク 600Nm(61.2kgm)/1500~4500rpm
■トランスミッション
タイプ 7速DCT
■シャシー
駆動方式 AWD
サスペンション フロント ダブルウイッシュボーン
サスペンション リヤ マルチリンク
■ブレーキ
フロント&リヤ ベンチレーテッドディス
■タイヤ&ホイール
フロント 235/55R19
リヤ 255/50R19
■環境性能
燃料消費率 9.7~9.5ℓ/100km(EU複合モード)
■車両本体価格(万円)1194

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
バイクブロス
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
motorsport.com 日本版
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
くるまのニュース
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
VAGUE
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
バイクのニュース
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
モーサイ
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
Webモーターマガジン
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
バイクブロス
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」  理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
くるまのニュース
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
レスポンス
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
ハミルトンFP2も首位、メルセデス好調も上位は接戦模様か。RB角田裕毅は10番手|F1ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
スズキ、フラッグシップ『ハヤブサ』のカラーリングを変更した最新モデルを発表。11月22日より発売
AUTOSPORT web
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
まだまだ続きます 北近畿豊岡道の「有料トンネル」料金徴収期間を延長 背景に老朽化
乗りものニュース
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
700万円超え! スバル新型「SUV」発表! 2リッター「水平対向」×マイルドハイブリッド搭載! 全長4.7m級の「新フォレスター」欧州に登場へ
くるまのニュース
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
F1ラスベガスFP2速報|FP1に続きメルセデスのハミルトンが最速。角田裕毅10番手
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

958.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9825.0万円

中古車を検索
X3の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

958.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.9825.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村