JAIAが発表した2020年度外国メーカー車モデル別新規登録台数で、昨年度から2つ順位を上げてベンツAクラスが2位へとランクアップした。
1位はミニだが、ミニは全モデル合計、つまりBMWミニブランド全体の台数と基本的に同数になっているので、実質的なモデル別新規登録台数の輸入車ナンバーワンは「Aクラス」といっていいだろう。
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最近、ベンツAクラスが売れている。その理由はどこにあるのか? 石川真禧照氏は次のように分析する。
文/石川真禧照 写真/Daimler AG、ベストカー編集部
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■今年度の登録台数が2位へジャンプアップしたベンツAクラス
2018年10月に発表、受注開始したベンツAクラス。BMWミニに次いで2020年度の輸入車登録台数ランキング2位と大躍進を遂げた。価格は362万~807万円
2020年度(2020年4月~2021年3月)の外国メーカー車モデル別新車登録台数順位を調べてみると、1位はBMWミニ(2万836台)で、5年連続のトップ。2位はメルセデスベンツAクラス(8723台)で、2019年度の4位からジャンプアップした。
BMWミニとトップの座を長年、争っていたVWゴルフは、ニューモデルの端境期だったこともあり6位にランクダウンした。
1位BMWミニは、3ドア/5ドア/コンバーチブルのグループと、クロスオーバー/クラブマンのプレミアムグループが一緒になってのほぼミニブランド全体の登録台数。2位のAクラスもハッチバックとセダンがあるが、基本的に同一シャーシのモデル。
ということは、単一モデルでの実質的なナンバー1はメルセデスベンツAクラス、という見方もできる。
Aクラスは2018年度はランキング13位だった。それが2018年のフルチェンジで現行モデルになり、2019年度では4位まで順位を上げ、2020年度はさらに上昇してきたのだ。
■Aクラス大躍進までの系譜
Aクラスの歴史は1997年の初代登場にまでさかのぼる。床下にバッテリ-などを搭載するEV/FCVの生産計画もあったため二重フロアが採用され、全高は1600mmと高く設計された
2004年登場の2代目も初代のトールボディを踏襲した
Aクラスが売れている理由はどこにあるのか探ってみた。
Aクラスは1997年に同社としてははじめてのスモールサイズカーとして販売された。そのスタイルは全高が1600mmと高くワゴン車のようだった。全高だけでなく、フロアも高かった。
これは、もともとAクラスは床下にバッテリーや水素タンクを搭載する新世代のタウンカーとして設計、開発された、という経緯があるからだ。しかし、設備やインフラの関係で電気自動車や燃料電池車は正式な販売はされなかった。
そこでフロアが高いままのモデルがAクラスとして市販された。FFレイアウトで背の高いAクラスは、2004年登場の2代目にも踏襲された。日本でもコンパクトなメルセデスということで、人気モデルになり、販売ランキングでも同社のなかで上位に入っていた。
大きく変わったのは2013年からの3代目。FF方式は継続したが、全高は1400mmになり、スタイリングもロングルーフの2ボックスになった。2018年に登場した現行の4代目もこの路線をキープして登場した。
この4代目が現在のAクラス人気のベースになっている。
人気の理由はバリエーションの多さだ。といってもボディバリエーションは2ボックスのほかには、コンパクトクラスでは珍しくトランクスペースが独立した3ボックスセダンを追加しているのがひとつのポイント。上級モデルからのダウンサイジングユーザーが小型のセダンに注目したのだ。
パワーユニットは、4気筒1.4Lガソリンターボ、2Lディーゼルターボ、2Lガソリンターボだが、エコな小排気量ターボやクリーンなディーゼル、ハイパワーな2Lガソリンターボと多彩。ビギナーからクルマ好きまで対応している。
■ライバル車よりも一歩先を行く先進安全装備が魅力
AMGラインには専用のダイヤモンドグリル、フロントバンパー、18インチ5ツインスポークアルミホイールを装着(写真はA180 スタイル AMGライン仕様)
メーターパネル、センターモニターと液晶表示モニターが連なるコックピットはグラッシーで近未来的。「ハイ、メルセデス」でおなじみの対話型インフォテインメントシステム「MBUX」ももちろん搭載
しかし、AクラスのライバルであるBMW1シリーズやアウディA3などと比較すると、Aクラスの価格設定は高額だ。にもかかわらず、売れている。
●メルセデスベンツAクラス価格帯(362万~807万円)
●BMW1シリーズ価格帯(337万~633万円)
●アウディA3シリーズ価格帯(329万~661万円)
これも理由はハッキリしている。Aクラスの標準装備を見ると、LEDヘッドライト、ワイアレスチャージ、24時間緊急通報サービスなどのメルセデス・ミー・コネクト。対話型インフォテイメントシステム(MBUX)が標準装備。
直近では先進安全運転支援システムのレーダーセーフティパッケージも標準装備になっている。
Aクラスを購入するユーザーは他社も比較することが多いのだが、オプションを付けていくと、Aクラスと同じレベルの価格帯になることも多いという。「それならメルセデスにするか!」というケースもあるようだ。
そのAクラスのライバルといえるBMW1シリーズだが、2020年度の登録台数ランキングでは11位。台数ではAクラスに約3000台ほど差をつけられている。この差はどこからきているのか。これも取材をしていくと、興味深い事柄がわかってきた。
2021年5月18日、第4世代に進化したアウディA3シリーズが日本上陸。従来型よりもスポーティなデザインになった
■競合するBMW1シリーズは販売面で大きく水をあけられている
ベンツAクラスのライバルであるBMW1シリーズは、2020年度の登録台数ランキング11位と販売で大きく差をつけられている。価格は337万~633万円
それは、女性ユーザーとセカンドカー需要だ。
女性ユーザーはAクラスでは、推定で3割ぐらいと言われている。一方、1シリーズは「おそらく2割にも満たないかも」(販売員)。
その理由だが、BMWのキャッチフレーズだ。「駆けぬける歓び」。BMWの走りの楽しさを表現した言葉として、すっかり定着している。しかし、これが女性ユーザーには「ひびかない」。むしろ、「BMWは走りのクルマだから、合わない」と思われ、敬遠されてしまうことがあるのだ。
キャッチフレーズが定着したのはいいことなのだが、販売の現場では悩みのタネにもなっている。
これがセカンドカー需要にもかかわってくる。実際に名義上もセカンドカーとして登録されているAクラスは、全体の1割程度のようだが、高級住宅地や会社オーナーのガレージで、メルセデスが2~3台並んでいる光景は見かける。もちろんその1台はAクラスだ。
しかし、BMWの2~3台持ちという光景はあまり見かけないような気がする。
2~3台目のクルマは大抵が娘さんか奥様用。その時に安全性や先進性を強調するメルセデスを、すでに出入りしているセールスに薦められれば「購入」というケースは多くなる。
クルマ本体からセールスまでのいろいろな意味での幅広さがAクラスをランキング2位まで上昇させた理由といえる。
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みんなのコメント
書込みでは上位グレードが買えないのが見栄で
乗るとか言われるけど、けしてそんなことは無い。
ファーストカーでもセカンドカーでも所有する
満足度が高い良い車です。
レクサスUXは見るだけでダサ過ぎて笑える。
レクサスの場合どうしてもメルセデスに見劣りしてしまう。
メルセデスが買えなかったのかな?と勝手に思ってしまう。