■日産待望の新型車「キックス」登場!
いまもっとも注目されるコンパクトSUVカテゴリに、日産が新型「キックス」を投入。2020年6月30日より発売されます。
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ライバルが多いカテゴリのなかで、新型キックスはどのように戦うのでしょうか。直接のライバルとなるトヨタ「C-HR」と比べてみます。
日産のコンパクトSUVといえば、2010年に登場した「ジューク」がこのカテゴリを開拓したモデルですが、2019年にフルモデルチェンジした2代目ジュークは日本市場では販売されず、欧州を中心とした海外モデルになりました。
ジュークの代わりに日本販売されることになった新型キックスですが、もともとは海外で販売されていたモデルです。
2016年にブラジルで発売されて以降、北米や中国、東南アジアなどで販売。2020年5月にはビッグマイナーチェンジモデルがタイで世界初公開され、6月末から日本でも発売されることになりました。
新型キックスの外観は、ミニバンの「セレナ」に採用されているような、内部にクロームをちりばめた大型の「ダブルVモーショングリル」を装着するとともに、フローティングルーフやシャープな形状のLEDヘッドランプなど、力強くスタイリッシュなデザインとしました。
ボディサイズは全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mmと、街中でも扱いやすい大きさです。
内装はモダンプレミアムをコンセプトとし、肌触りの良いシートやインパネなどに上質さを感じさせるダブルステッチを施しています。
さらにハンドルは、操作性の良いDカット型にするとともに、本革巻を採用することで、スポーティさを強調しました。
また、カテゴリートップクラスのフロントウィンドウ見開き角と低いウエストラインにより、運転席は開放感ある視界を実現。
後席は、ニールームが600mm、ヘッドルームも85mmを確保し、大人でも充分くつろげる広い室内空間が広がります。
ラゲッジルームもトップクラスの423リッターと、Mサイズのスーツケースを4個積載できるスーペースを確保しました。
対するC-HRは、2016年に登場。C-HRもグローバルモデルとして、欧州、アジア、北米など、さまざまな地域で販売されています。
2019年10月にマイナーチェンジを実施し、デザイン変更やスポーティな「GRスポーツ」グレードが追加設定されました。
C-HRのボディサイズは、全長4385mm-4390mm×全幅1795mm×全高1550mm-1565mmと、新型キックスよりも幅が広く、背が低い、ワイド&ローを強調したスタイルです。
外観デザインにおいても、左右に大きく広がるエアインテークやエアインテーク上部に配置されたフロントフォグランプが、より一層のワイド感を演出しました。
また、上位グレードに装着されるヘッドランプは、LEDクリアランスランプをデイライトとターンランプのダブルファンクションとするとともに、リアコンビネーションランプには右左折時に内側から外側へ流れるように点灯する「シーケンシャルターンランプ」を採用し、先進的なイメージも付与しています。
内装は、質感や形状などの細部にこだわり、上質感あふれるデザイン追求したほか、メーターを中心とした操作パネルをドライバーに向けて配置するなど、運転に集中できる空間を実現。
さらに、マイナーチェンジにおいて、内装色として落ち着いた雰囲気のオーキッドブラウンが追加されました。
※ ※ ※
新型キックスはアクティブで力強いイメージ、C-HRはスタイリッシュで都会的なイメージです。
どちらもクーペスタイルのSUVということで、後席の居住性が気になるところですが、新型キックスは身長180cmの人が座っても足元や頭上に余裕があるとされていますが、C-HRは後席の狭さが指摘されることがあるようです。
■パワートレインや燃費、価格を徹底比較
新型キックスとC-HRのパワートレインはどのようになっているのでしょうか。
新型キックスは、1.2リッター直列3気筒エンジンに「e-POWER」を組み合わせた、シリーズハイブリッド方式を採用しています。
「ノート」やセレナにも搭載されるパワートレインですが、キックスではe-POWERの最大出力を約20%向上。バッテリーやモーターなどの制御を磨き上げ、レスポンスが良く力強い走りを可能としています。なお、駆動方式は2WDのみです。
C-HRのパワートレインは、1.2リッターターボと1.8リッターハイブリッドを用意。ターボ車のトランスミッションは、CVTに加え、6速MT(iMT)も設定されており、ターボエンジンによる爽快な走りとMTによる操る楽しさが味わえます。
駆動方式は、ターボ車が2WDと4WD、ハイブリッド車が2WDとなります。
新型キックスはハイブリッド専用車ということで、C-HRのハイブリッドモデルが近い存在といえますが、それぞれの燃費はどうでしょうか。
WLTCモード燃費は、新型キックスが21.6km/L、C-HRが25.8km/Lと、エンジンで発電してモーターで駆動新型キックスと、「プリウス」譲りのハイブリッドシステムを搭載するC-HRでは、C-HRのほうが低燃費だといえます。
安全装備では、新型キックスには「プロパイロット」や「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」が標準装備されています。これらの機能は日本仕様のみに搭載されるものです。
また、2019年3月に発売された軽自動車「デイズ」から順次搭載されている「SOSコール」も全車標準装備。もしもの事故の際の自動通報はもちろん、あおり運転や急病などの緊急事態にも手動で通報できる機能で、安全なクルマを目指しました。
C-HRは「トヨタセーフティセンス」を搭載し、プリクラッシュセーフティやレーンデパーチャーアラートなどが標準装備されます。
さらに、インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]、リヤクロストラフィックオートブレーキ(パーキングサポートブレーキ[後方接近車両])、パノラミックビューモニターなど、安全機能をオプション選択可能とし、ドライバーを支援します。
新型キックスの価格(消費税込)は、標準グレード「X」が275万9900円、内装がツートーンの「X ツートーンインテリアエディション」が286万9900円です。
C-HRは、ターボ車が236万7000円から273万2000円、ハイブリッド車が273万円から309万5000円。ハイブリッド車同士で比べると、新型キックスとC-HRの価格はほぼ同等で、両車は価格面でも競合しているといえます。
グレード展開においては、C-HRには走りを追求したスポーティモデルの「GRスポーツ」が設定されていますが、新型キックスにスポーティモデルはありません。
今後、新型キックスにもピュアスポーツの走りを実現するNISMO仕様が用意されるといった展開もあり得るかもしれません。
※ ※ ※
2020年6月24日にオンラインで発表された新型キックスですが、新型キックスを見た一般ユーザーから、デザインやe-POWERについて高評価を得ているといいます。
新型キックスがe-POWER専用車としていることについて、チーフマーケティングマネージャーの小木曽氏は、次のようにコメントしています。
「e-POWERは日産独自のパワートレインで、踏んだ瞬間に違いがわかります。ノートとセレナでも好評をいただいているe-POWERを、ひとりでも多くのお客さまに体験してもらいたいです」
新型キックスは日産SUV初のe-POWER搭載という、ほかのSUVにはない魅力を身につけました。
日産にとって主力モデルとなる新型キックスが、ライバルひしめくコンパクトSUVのなかで、どれだけ存在感を発揮できるか期待されます。
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みんなのコメント
キックスはノートと同じBセグメントだからライバルはヤリスクロスだよ
価格からするとC-HRだが車両の質感で間違いなく負ける。ライズ/ロッキー、クロスビーには勝ると思うが金額が高すぎて価格競争に負けてしまう。
つまりほとんど売れないで日本では廃盤になるのは目に見えている