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ただのスクラップと思いきや… 廃車置き場の隠れた逸品 40選(後編) ジャンクヤード探訪記

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ただのスクラップと思いきや… 廃車置き場の隠れた逸品 40選(後編) ジャンクヤード探訪記

ロイドLT500

(翻訳者注:この記事は後編です。前編と合わせてお楽しみください)

【画像】このクルマ知ってる? 米カイザー社が作った「おちょぼ口」【カイザー・ダーリン161を写真で見る】 全21枚

今度は、全く異色のクルマをご紹介しよう。東ドイツ製のロイドLT500のペアだ。左がステーションワゴン、右がバンである。いずれも、クロスリーやナッシュ・メトロポリタンと競い合っていた米国では比較的好調な売れ行きを示したが、今日では “揺り馬の糞” (=存在しないもの、という意味)よりも珍しい。

1959年型シボレー・ビスケイン

クロームメッキの少なさから判断すると、この1959年型シボレーは廉価グレードのビスケインと思われる。1959年型シボレーは伝説のデザイナー、ハーレー・アール氏が手がけたもので、間違いなく歴史上最も特徴的ですぐに認識できるクルマの1つである。「キャッツアイ」と呼ばれる独特のテールライトと「バットウィング(コウモリの翼)」のリアフェンダーは、発売当初は賛否両論を巻き起こした。しかし全体的には好評で、シボレーは150万台近くを販売し、2年連続でトップセールスを維持した。

1949年型リンカーン・コスモポリタン

1949年型リンカーン・コスモポリタンは、最近、特にジャンクヤードではほとんど見かけない。この頑丈な車両に、オリジナルの5.5L V8エンジンと「ハイドラマチック(Hydra-Matic)」4速オートマチックトランスミッションが残っているかどうかはわからない。

1953年型カイザー・マンハッタン

筆者はオークリーフ・オールド・カーズで3台の同年代のカイザーを見つけたが、これはそのうちの1台だ。どれも、特徴的なハート型のフロントガラスですぐに識別できた。リアフェンダーの小さなクロームテールフィンと、車体下部のクロームバンドから判断して、これは1953年のマンハッタンである。フルカーペット、独特のステアリングホイール、着色ガラスなど、廉価版のデラックスにはない装備がいくつか設定されていた。同年、マンハッタンより上位のモデルは、最上級のドラゴンだけだった。

1963年型オールズモビルF85

長いキャンバスルーフを備えたこの1963年型オールズモビルF85コンバーチブルの内装は今や、風雨にさらされている。この角度から見るとシートはまだ綺麗に見えるが、近くで見るとまったくそんなことはない。この隣に並んだ独特のルーフラインに注目してほしい。もちろんこれはオールズモビル・ヴィスタクルーザーのものだ。

1957年型ビュイック・スペシャル

この1957年型ビュイック・スペシャルは火災で焼け落ちたように見える。ボンネットの下には最高出力250psの364立方インチ(5.9L)のV8エンジンが搭載されており、0-97km/h加速11.6秒を達成し、燃費は7.4km/lだった(もちろん、同時には実現できない)。2ドアのスペシャルは2596ドルで、1957年当時のビュイックのラインナップでは最も低価格であり、約2万3000台が販売された。

1963年型キャデラックの霊柩車

この珍しい1963年型キャデラックの霊柩車は3ウェイモデルで、広いサイドリバースドアとテールゲートから荷物の積み下ろしが可能である。コーチビルダーはスーペリア社と思われるが、確証はない。1963年に製造されたキャデラックの霊柩車と救急車は2500台未満だった。

1948年型ビュイック・ロードマスター

これは1948年型ビュイック・ロードマスターと思われる。この年、ロードマスターで大きなニュースとなったのは、伝説の「ダイナフロー(Dynaflow)」トランスミッション、つまり乗用車初のトルクコンバーター式トランスミッションが導入されたことだ。ほとんどの購入者がこれを指定したが、加速時のスリップが頻繁に発生するという初期不良があったため、一部の人々は皮肉を込めて「ダイナスラッシュ(Dynaslush)」と呼んでいた。

1952年型ウィリス・エアロ

ウィリス・エアロは1952年から1955年にかけて製造されたが、この個体はスプリットウィンドウ(分割式フロントガラス)を備えていることから初期のモデルだとわかる。米国での生産終了から5年後、このモデルの製造に必要な機械一式がブラジルに輸出され、驚くべきことにさらに11年間も現役を続けた。

1952年型リンカーン・カプリ

1952年に発表されたリンカーン・カプリは、意識的に小型化を図ったモデルである。25年ほど早かったとはいえ、これは理にかなったアイデアであった。言うまでもなく、世間はこのコンセプトをあまり理解していなかった。販売実績は期待外れであったが、7年間製造されていた。

1957年型マーキュリー・モントクレア

マーキュリーは1950年から1960年まで、そして1964年から1968年までモントクレアの名称を使用していた。初登場時はマーキュリーの最高級モデルであったが、第2世代となる1957年型の2ドア・ハードトップが発売された時点では、中級モデルに格下げされていた。

1961年型ダッジ・ダート

1961年型ダート・パイオニアは、それまでのダッジの中で最も美しいクルマ……とは言い難いものだった。これは筆者だけの意見ではない。奇抜な形状のフィンやリアフェンダー、「巻き爪」と呼ばれたライトなどは当時非常に不評で、販売にも響いた。1960年には約30万6000台のダートが販売されたが、翌年には16万7000台強に減少した。

1966年型マーキュリー・モントレー

この1966年型マーキュリー・モントレーのトランクに粉々になったガラスが残っていることから、オークリーフ・オールド・カーズに運ばれてきてからリアウィンドウが割れてしまったようだ。しかし、ありがたいことに、逆傾斜の「ブリーズウェイ(Breezeway)」ルーフのおかげで後部座席はある程度保護されている。

1957年型シボレー210

このクルマについては、あまり紹介する必要はないだろう。1957年型シボレーは、コレクターズ・カーの中でも最も人気のあるクルマの1つである。しかし、いまだに米国のジャンクヤードに多数放置されていることには驚かされる。これは210の4ドア・セダンで、同年販売された20車種の中で特に人気が高く、27万3696台が製造された。ボディパネルはまだ十分残っているが、内装は剥ぎ取られている。

1971~1973年型フォード・マスタング・マッハ1

マッハ1は、1969年に初めて登場したフォード・マスタングの高性能パッケージだ。スポーツルーフというボディスタイルのみに設定され、発売から1年以内にGTに取って代わった。このV8エンジンを失って久しい残念な車両は、初代のフェイスリフト版である。1971年から1973年にかけて製造されたが、この個体が何年に製造されたものなのかはわからない。

1964年型リンカーン・コンチネンタル

1964年のリンカーン・コンチネンタルは第4世代にあたるが、その最も特徴的な装備の1つが逆開き(観音開き)のリアサイドドアである。これには安全上の重大な問題があった。例えば、走行中にドアが開いて乗員が転落したり、降りる際に通りがかりのクルマにぶつかってドアに押しつぶされたりする危険性が指摘された。わずかな期間を除いて、コンチネンタルという名称は1930年代後半から2002年まで使用されていた。14年間の空白を経て、2017年にMKSの後継車種として復活したが、2020年に生産終了となった。

1948年型ハドソン

この1948年型ハドソンの2ドア車のリアサイドウィンドウを覆っている奇妙な金属板が何なのか、皆さんは心当たりがあるだろうか? まるで映画『特攻野郎Aチーム』で作られたような代物だ! もしかしたら、何らかの装甲板なのかもしれない。フロントガラスにはすでに弾痕があるのだから……!

1968年型スバル360

これは珍しいトリオだ。スバル360は、ガソリン代を節約したい人々をターゲットに、1968年に米国で発売された。約28km/lの低燃費と1300ドルという価格設定は、お金に敏感な一部の消費者には刺さるものだったが、その疑問の残る外観と非力なパフォーマンス(0-80km/h加速38秒)により、米国での売れ行きは決して良くなかった。

1958年型エドセル・サイテーション

1958年に製造された9299台のエドセル・サイテーションのうち、半数以上(5588台)がこのような4ドア・ハードトップだ。サイテーションはエドセルブランドで最も高級なグレードであったが、2番目に売れなかったモデルでもある。1958年当時、最も売れなかったのはバミューダというステーションワゴンで、販売台数はわずか779台だった。

1947年型スチュードベーカー・コマンダー・スターライト

1947年型スチュードベーカー・コマンダー・スターライトの2ドア・クーペは、伝説的な自動車デザイナー、ヴァージル・エクスナー氏の作品であり、道路上では他に類を見ない外観であった。スタイリングの特徴としては、パノラマ式の曲面リアウィンドウや大型トランクなどがあり、当時の評論家たちは「このクルマはどちらに向かって走っているのか?」と混乱したという。

記者紹介

英国の自動車ジャーナリスト、ウィル・シャイアーズ(Will Shiers)は、35年にわたり放置された米国車を撮影してきた。隠された宝物を探しながら、廃車を求めて全米50州を訪れ、納屋、野原、砂漠、ゴーストタウン、ジャンクヤードなどを探索している。

ウィルは30年ほど自動車雑誌に寄稿しており、著書に『Roadside Relics – America’s Abandoned Automobiles』がある。

(翻訳者あとがき:ウィル・シャイアーズ記者の著書はアマゾン等で購入できます。写真を見ているだけでも楽しいので、廃車や廃墟がお好きな方は一度試し読みしてみてください)

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みんなのコメント

2件
  • 投資家のコメント
    お分かりいただけただろうか

    もう一度ご覧いただこう。

    廃車の室内から、こちらを睨みつける人の顔らしきものが.......


  • tnw
    こんなのより浜松の軽トラ事故が重大で、こんなのと言うと日本の半導体産業の暴力縁故側の商売思想が勢力を増すだけである。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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