2023年12月21日に正式発表され、2024年3月22日から販売を開始するホンダのコンパクトSUVのWR-Vの注目度が赤丸急上昇中!! WR-Vはインド生産のエレベートをWR-Vという車名で日本導入する輸入車だ。東南アジアで販売されるWR-Vとは別物。ホンダはこれまで海外で生産するモデルを日本でたびたび販売してきたが、正直な話苦労の連続で、WR-Vは久々のスマッシュヒットとなりそうな感じ。ホンダの海外生産車を日本に導入して販売したモデルの悲喜こもごもを見ていく。
文:ベストカーWeb編集部/写真:HONDA
WR-Vは逆輸入アコードワゴンに続くヒットか!? 今思えば失敗作も多々……ホンダ逆輸入車の悲喜こもごも
アコードクーペ
初代:1988年4月~1990年3月
2代目:1990~1994年
3代目:1994~1997年
初代アコードクーペは日本で大ヒットしたリトラクタブルヘッドライトの3代目に設定されていたモデルで、ホンダの北米の生産拠点であるホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング(HAM)でのみ生産。ホンダはこの初代アコードクーペを88年から輸入して日本で販売。日本メーカーが現地生産したアメリカ仕様モデルの輸入第一号だった。
日本に導入された初代アコードクーペは、日本メーカーが現地生産モデルを日本に輸入して販売した第一号
エンジンは2L、直4SOHCで左ハンドル仕様のみとなっていた。当時のアメリカで販売するモデルに装着されていた、ドアの開閉だけでシートベルトが脱着可能なパッシブシートベルトをフロントに採用していたのも特徴だった。
ラグジュアリーな本革シートなど当時の日本車にはないテイストを持っていたが、販売面では振るわず。
2代目のクォリティは上がったが、初代のリトラクタブルのような特別感がなかった
アコードクーペは2代目(1990~1994年)、3代目(1994~1997年)の合計3モデルが日本に輸入されたが、3代目をもって日本への導入終了。
3代目は精悍なフロントマスクだったが、販売面にはつながらず
アコードワゴン
初代:1991年4月~1994年2月
2代目:1994~1997年
初代はアコードUSワゴンと命名。この特別感のある車名もユーザーを煽った
4代目アコードベースのワゴンを1991年から北米から輸入して販売開始。初代レガシィツーリングワゴンの登場で日本にもステーションワゴンが認知されるようになったジャストタイミングで日本に輸入。
アコードベースとは思えないほどの上質感、伸びやかなフォルムで大ヒット。ボディサイズは全長4725×全幅1725×全高1440mmでエンジンは2.2Lということで、当時は少数派の3ナンバー登録となり税金類も高くなったが、日本人の上級嗜好、虚栄心を絶妙にくすぐったのが人気になった要因だ。
この人気は2代目でさらにエスカレートし、輸入車ゆえに当時長い納車待ちになっていた超の付く人気モデルとなった。
アコードワゴンは初代、2代目とも台数だけでなく、存在感と言う意味でホンダが現地から輸入して日本で販売した最大の成功モデルと言える。
2代目アコードワゴンはワゴンの王道、スバルレガシィツーリングワゴンにない洗練された雰囲気と上質感が魅力だった
アコード
10代目:2020~2023年
11代目:2024年~
アコードのセダン系としては、初の輸入モデルとなったのが先代モデルでたいから輸入
ホンダ車のヒエラルキーにおいてシビックの上に位置するアコード。最新のアコードは、2023年9月に日本仕様が公開され、3月に日本でも新型アコードが販売開始される予定となっている。
そのアコードは先代モデルから海外から輸入して販売。新型も同様に輸入についても同様だ。かつてクーペやワゴンが北米から輸入されていたのに対し、アコードはタイの工場で生産されたモデルを日本に輸入して販売している。
レジェンドが消滅した現在、ホンダブランドのフラッグシップセダンとなったアコードの復活に期待がかかる。
キープコンセプトながら質感が大幅にアップしている新型アコードは、先代同様にタイから輸入
シビッククーペ
初代:1992~1996年
2代目:1996~1998年
日本に導入された最初のシビッククーペはバランスのいいコンパクトクーペだったが、日本ではブレークせず
ホンダはアコードクーペの弟分的なシビッククーペを1992年に北米から日本に輸入開始。ベースとなっているのは5代目シビック(このモデルからセダンにフェリオのサブネームが付けられた)だった。発売当初は4ATのみだったが、後に5MTが追加された。
日本に輸入された最初のシビッククーペはコンパクトクーペとしてまとまっていたが、同世代のハッチバックがスタイリッシュでもっとカッコよかった。ハッチバックの大人気の影響もあり、存在感は薄かった。
2代目は1996~1998年と短命に終わった。その要因はいろいろあるが、地味なデザインと、エンジンはホンダ自慢のVTEC仕様だったものの、スポーツ仕様ではなく燃費&環境志向のVTEC-Eだった点も、クーペに乗るスペシャル感を味わうには残念過ぎた。この2代目をもって日本への輸入は終了。
1997年にハッチバックにタイプRが設定されたのもクーペの存在感を薄めた
ホンダフィットアリア
初代:2002~2009年
フィットアリアはフィットをベースにした、東南アジアマーケット向けに開発されたコンパクトセダンで、現地名はシティだった。そのモデルを日本仕様に改良を施して日本に輸入して販売した。
トヨタプラッツ、ベルタ、日産ティーダラティオなどの対抗馬として日本に投入されたが、販売面では苦戦して2009年に日本での販売を終了……。
フィットアリアが登場した頃から、小型セダンへの需要が激減していたのが不運だった
実質後継車となるグレイス(2014~2021年)は、フィットアリア同様に東南アジア向けのシティの日本仕様だが、寄居工場(埼玉県)で生産されていたため輸入車ではない。
ホンダラグレイト
初代:1999~2005年
ラグレイトはほかのミニバンにない巨大さが個性となり、根強い人気を誇った
カナダ工場で生産していた北米向けのオデッセイを1999年に日本に導入開始。全長5105×全幅1935×全高1740mmでホイールベースは3000mm!! グランエース登場まで日本の最長ミニバンのレコードホルダーで、当時はそのデカだが際立っていた。ミニバンブーム真っ只中、デカいがゆえに話題になり、その巨大さに心惹かれた人は多かった。
ホンダエレメント
初代:2003~2005年
現在のハイトワゴンに求められる要素に加え、観音開きドア、オシャレなデザインが与えられていたエレメントは密かに中古車が人気
ファニーなデザインに観音開きドアという斬新コンセプトで登場したエレメント。全長4300×全幅1815×全幅1790mmのボディサイズは、現代のハイトワゴンとしてはごく当たり前の大きさだが、当時は巨大に感じ、このデザインで全幅1700mm以下の5ナンバーサイズなら買ったのに!! という人は多かった。
そのためアメリカではヒットしたが日本では販売面で苦戦して短命に終わった。大きさに抵抗がなくなった現代では、中古でけっこう人気が高く、高値安定が続いているのを考えると、登場した時期が早すぎたのかも。
シビックタイプR
2代目:2001~2005年
タイプRユーロ:2009~2010年
4代目:2015~2016年
5代目:2017~2021年
イギリス生産となったのはこの2代目モデルから
大ヒットした初代シビックタイプR(EK9型)は鈴鹿工場で生産。それに対し2代目(EP3型)はイギリスのスウィンドン工場で生産されたモデルを日本に輸入して販売した。これは当時かなり話題になった。
それに対し4ドアセダンベースの3代目タイプR(FD2型)は、4ドアセダンをスウィンドン工場では生産していなかったため、再び鈴鹿工場で生産となった。
フロントセクションはフィットベースのタイプRユーロは2回限定販売された
そしてシビックタイプRユーロ(FN2型)、4代目(FK2型)、5代目(FK8型)は再度スウィンドン工場で生産されたモデルを日本に輸入。タイプRユーロは2009年に2010台、2010年に1500台と2回限定販売され、4代目は750台の限定販売、5代目はカタログモデルだった。
4代目はWTCCのコンペティションモデル。ニュルの7分50秒から750台が限定販売され、速攻で完売
現行のシビックタイプR(FL5型)は2021年7月でスウィンドン工場が閉鎖となり、生産地が注目され北米、中国、タイなどの候補地が噂されていたが、日本の埼玉製作所となり、シビックタイプRは輸入車ではなくなった。
5代目のコテコテとしたデザインは賛否が分かれるが、FFとしての圧巻のポテンシャルは誰もが絶賛
ここでは紹介しなかったが、ホンダが海外から輸入して日本で販売したモデルには、MDX、2代目NSXもあるが、売れているクルマのほうが少なく、けっこう苦戦している。だからこそWR-Vの躍進ぶりが凄いことなのだ!!
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みんなのコメント
車自体は失敗作ではなく、それぞれの生産国では売れた良い車。
それを失敗作だなんて失礼な記事だ。
おかげで二輪は他社より比較的楽に車種を増やすことに成功してる
なんとか四輪でも…って思ってやってるんだろうと思います。もう国内専用車の販売台数じゃ元が取れないのでしょう(軽のNを除く)