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【2022年までに1割減の衝撃!!】日産 車種減で消える車 5選

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【2022年までに1割減の衝撃!!】日産 車種減で消える車 5選

 2019年7月25日、日産から衝撃の事実が発表された。

 業績悪化が明らかとなった日産の西川社長は、コスト構造や生産体制などの見直し、人員削減と合わせ、「商品ラインアップを2022年度までに10%以上効率化」すると明らかにしたのだ。

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 日産には現在、グローバルで約40の車種がある。10%以上ということは、少なくとも4~5台以上は消滅することになる。

 では、「3年以内に消滅の危機に瀕す国内の日産車」は、具体的にどのモデルになるのか? 元日産エンジニアのジャーナリスト・吉川賢一氏に、存続が危ぶまれる日産車5台とその理由をあげていただいた。

文:吉川賢一
写真:編集部

フーガ「今や置いてきぼりの高級車に」

現行フーガは2009年に登場し、2015年の改良でインフィニティバッジに。外観はスカイラインとかなり近くなったが、直近で大きなテコ入れはなく10年選手に……

 まずはじめに、本稿は現役日産関係者からの情報をもとにしたわけではなく、あくまで筆者が元日産エンジニアとして、現行日産車の売れ行きや立ち位置、市場動向、競合関係やモデルサイクルを材料として予測したものであるという点をご理解いただきたい。

 さて、1台目はフーガだ。2009年にデビューした現行モデルは、すでに10年目を超えており、もはや「置いてきぼりの高級車」となっている。

 海外ではインフィニティQ70としても販売されているが、2014年のフルモデルチェンジで「高級車」となったQ50(現行型スカイライン)との差別化が微妙であり、加えて、昨今の高級ブランドにみられる「フェイスの統一化」によって、もはやどちらがどちらなのか、その区別は困難を極める。

 下位であるはずのスカイラインには、ダイレクトアダプティブステアリングやプロパイロット2.0といった最先端技術が搭載されているが、フーガには一切なく、元日産開発技術者の筆者としても、この車を薦める理由はまったく見当たらない。

 いっそのことシーマに吸収して、超上級アッパーサルーンを狙い、日産の「フラッグシップカー」として再出発する方が良いのではないだろうか。

エルグランド「不人気車に対する日産の愛情のなさが露見」

1999年には初代が年間5万1521台を販売するなど、トヨタに負けない上級ミニバンだったエルグランド。現行型は3代目で2018年の販売は年間7313台と人気の低迷が続く

 上級ミニバンであるエルグランドは、現行モデルのデビューが2010年、こちらもすでに9年目に突入している。

 世代を追うごとにアルファード&ヴェルファイアとの差が開き、仮にエルグランドが今すぐマイナーチェンジをして真っ向勝負を挑んだとしても、もはや爪痕を残すことすらできないであろう。

 なぜならこの手の高級ミニバンを好むお客様は、「走り」以前に「迫力のあるボディサイズ」を求めているからだ。

「ミニバンをフルラインアップ」と気張っている場合ではない。エルグランドを廃止して、販売好調のセレナへ投資を集中する方が良いと考えられる。

 例えば、セレナにVCターボエンジンを搭載し、豪華装備と特別なエクステリアを加えた「カスタマイズカー」を設定した方が、余程いいのではないだろうか。

マーチ「コスト低減で魅力も削がれた悲運の車」

3代目の発売年、2002年には車種別で年間3位の13万9332台を販売したマーチも今や消滅危機に。2018年の年間販売は1万2121台と最盛期の10分の1以下だ

 現行型のデビューは2010年、すでに9年目となる。現行型マーチは、現在でも国内およびアジアにて販売されてはいるが、既に欧州市場では、2017年から後継車のK14マイクラが販売されている。

 ただし、K14型は欧州で戦うことを前提としたため、ベンチマークはVWポロであり、ボディサイズもK13に対して大きく、全幅1743mmと、現行ノートの1695mmよりもずっと大きい。

 K14マイクラは「マイクラ」という名前であっても、ヒエラルキーはノートの下ではなく、同等以上に位置する車。たとえK14マイクラをマーチとして国内市場に出しても、ノートの顧客を喰い合うことになってしまうだろう。

 もはやマーチを残しておく理由はない。コンパクトカーが欲しければ、デイズを勧めればよいのだ。K13マーチには潔い撤退をお薦めする。

GT-R「今こそスカイラインGT-Rへの回帰を」

今でも一線級の性能を持つGT-Rだが、登場から10年以上が経過。価格も1500万円以上となった今、存続が危ぶまれている

 日産のスポーツカーのフラッグシップ、GT-Rも消滅の危機にあるといえる。

 次期型GT-R開発の話題は幾度も上がってはいたが、特殊な開発手法&製造方法を必要とする車であるため、続行は困難に思えるのだ。

 これまでGT-Rは、ポルシェ911などをベンチマークとし、スーパースポーツと戦う車であったが、車両開発費や特殊な製造工程、販売台数の少なさなどから、どうしてもコストが高くなってしまう。

 今後は「目標性能」を見直して、メルセデスのAMGやBMWのMなどのラグジュアリースポーティカーを目指し、1000万円以下のGT-Rに戻した方が、販売台数も増やせるのではないか。

 希望的観測だが、「GT-R」としてではなく、「スカイラインGT-R」として登場させていただきたい。我々クルマ好きは、そうした過去のストーリーとの融合が好きだ。

 2007年にGT-Rとして独立したときの違和感を、このタイミングで払拭できれば、どれほど面白いシナリオに感じるか、想像してみてほしい。

リーフ「多車種のEV化で発展的消滅の可能性も」

日産を代表するピュアEVのリーフ。将来性はあるが、当初の役目果たし、意外にも発展的解消となる可能性も!?

 意外に思うかもしれないが、リーフも廃止されるのではないかと推測している。

 ただし、EVをなくしてしまうのではなく、EVパワートレイン技術を、車種跨ぎで採用する方針に転換し、e-POWERのように、既存車種の1グレードとして織り込むのではないか、という予測だ。

 量販EVを世に知らしめたリーフのタスクは終え、次のビジネス展開をしてくるように思える。

 例えば、e-NV200のアーキテクチャーを使えば、「e-セレナ」とすることも出来るだろう。さらにはエクストレイルにも搭載し、「e-エクストレイル」というのもあり得る。

 個人的に筆者がEV化をおすすめしたいのは、初代リーフが開発される前のEVベース車両だったキューブだ。コミカルで古さを感じさせない秀逸なデザインのまま、「e-キューブ」になったら思わず買ってしまうかもしれない。

◆  ◆  ◆

 単に不人気車をリストラしても、ラインナップの魅力が減るだけだ。

 それならば、日産の持つ「財産」を生かし、新たなラインナップを生み出す工夫をしてみることをお勧めしたい。一刻も早い、日産の復活を期待している。

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