この記事をまとめると
■BYD SEALが日本で発売
知れば知るほど驚異でしかない! 中国のEVメーカー「BYD」が日本を席巻する可能性
■RWD、AWDモデルを試す機会を得た
■試乗インプレッションをお届けする
RWDとAWDをラインアップ
中国のBYD社が日本市場に向け「ATTO3」「ドルフィン」に次ぐ第三のモデルとして「SEAL」を導入する。今回、そのRWD(後輪2輪駆動)及びAWD(全輪駆動)モデルを一般道で試乗する機会が得られたのでリポートしよう。
BYD社が日本市場に導入する乗用車はすべてBEVだ。それだけに、クルマの善し悪しを云々する前にBEVを取り巻くインフラや社会環境整備の問題がある。そこを無視してはBEVの発展はない。一般家庭でも充電設備を整備できるか否かでBEVへの関心の程度は違ってくる。ここではBEV購入に関心の高い人へ向けた発信とすることを前提としていただきたい。
SEALが搭載するリン酸鉄リチウム・イオンバッテリーはBYD社独自のブレードセル方式で82.56kWhの総電力量が与えられ、充電はCHAdeMO対応の急速充電(~105kWh)と家庭での充電を想定した200V普通充電に対応している。航続距離はRWDが640km。AWDは575kmだ。
バッテリーパックは車体フロア下にレイアウトされているが、従来と異なるのはCTB(セルtoボディ)と呼ばれる搭載方法で、これは車体骨格にバッテリー外殻を組み込んで車体剛性向上とバッテリー保護、車体軽量化に貢献している。
駆動モーターは前輪用に非同期モーター、後輪用には永久磁石同期モーターを採用。電費や回生効率を高める工夫が凝らされているという。AWDは前後重量配分が50:50としているのも操縦性に大きな関心を抱いている証だろう。
車体ディメンションは全長4800mm、全幅1875mm、全高1240mmで欧州のDセグメントを意識している。
リニアリティに優れた操縦性を実現
さて、その走りだが、最初にRWDモデルを走らせた印象は極めて上質で質感が高く、静粛性に優れていることに感心させられた。装着タイヤはコンチネンタル社エココンタクト6Q、235/45 R19サイズ。サイズだけを見れば乗り心地に難がありそうだが、実際にはしなやかな乗り味で快適性に優れている。
またステアリングフィールがすこぶるよく、正確性の高いライントレース性を示している。これはEPS(電動パワーステアリング)をデュアルピニオン化し剛性を高め、前後サスペンションセッティングと上手くマッチングさせているためで、近年の欧州スポーツセダンからも失われつつあるリニアリティに優れた操縦性で好感がもてるものだ。
サスペンションのダンパーにコンベンショナルなシングルチューブ方式を採用したことで路面インフォメーションが豊かで接地感を高めているが、この乗り味がいつまで維持できるか、耐久性については見守る必要があるだろう。
こうした近代的な先進アイテムを多く投入できるのは独ボッシュ社やコンチネンタルなどサプライヤーが中国内に開発・生産拠点を築き、欧州に勝るとも劣らないサプライチェーンが構築されていることも見逃せない。BYDはほとんどのパーツを内製しているそうだか、サプライチェーンの取り込みや人財確保なども積極に行われているのだろう。
室内は快適なシートと広い後席、大きなラゲッジスペースなどで実用性も高く、完成度も競争力も高いといえる。
次にAWDモデルを走らせる。AWDをラインアップさせていることにメーカーとしての意欲を感じずにはいられないが、ただ4輪の制御の完成度はまだ十分とはいえないようだ。走り始めに前後モーターの協調性が悪い領域がありギクシャク感が残っている。またAWDの強大なトラクションを路面に伝える足はスプリングが硬く、新開発の専用ダンパーの作動も初期反力が強く乗り心地を悪化させている。
ステアリングシステムはRWDと同様だが、駆動モーター搭載によるフロント荷重増加がステアリングの操舵ゲインを過剰にしてしまい、ワインディングでは切れ込みすぎる場面がたびたび見られた。
ただ国内の降雪地帯ではAWDは必須であり、そうした地域に対応したAWDモデルをラインアップしていることは評価できる。
走りとしてはRWDが好印象だったが、モデル構成としては文句ないラインアップとなっているわけだ。
最後に価格を知って震撼した。システム総合最高出力312馬力のRWDモデルは495万円。同じく529馬力! のAWDモデルは605万円だ。世界中の同クラスのBEVと比較して半額に近いバーゲンプライスとなっている。今後の成否はBYD Japanによるブランドイメージ向上が鍵となりそうだ。
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