IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でGTLMクラスに代わって2022年から導入されるGTDプロクラスについて、現在のGTDクラスと同じ仕様のミシュランタイヤを使用することなど、この新設クラスの技術および競技規則をIMSAが明らかにした。
6月9日、IMSAは「数えきれないほどの時間」をかけた分析、およびIMSAのオフィシャル・タイヤパートナーであるミシュランとのテクニカル・ワーキング・グループでの会議を経て、GT3カーによって争われる新設カテゴリーの規則を発表した。
「GTLM消滅は悲しいが、GT3こそが未来」と“プロ”クラスに上がったウェザーテック・ポルシェのマクニール/IMSA&ル・マン
IMSAの声明によれば、GTDプロクラスに参戦するワークスおよびカスタマーチームの「開発コスト削減のため」、現在のGTLMクラスで採用されているコンフィデンシャル(いわゆる専用開発)タイヤ、およびセミ・コンフィデンシャルタイヤに代わり、現在GTDに供給している『パイロット・スポーツS9M』が選択されるという。
これらの共通タイヤ、およびVPレーシング・フューエルによる共通燃料に加え、GTDプロとGTDでは同じBoP(性能調整)プロセスを採用するが、BoPはそれぞれのクラスで独立して管理される。
IMSAはGTDプロのパフォーマンスレベルが、GTDを上回るものと予期している。なぜなら、GTDプロはファクトリー支援を受けたチームとドライバーを対象としているからだ。
GTDプロでは、ドライバーのレーティング、予選、グリッドの配置、レース手順において、現在のGTLMクラスにおける競技規則を踏襲する。
しかし、チームは予選で使用したタイヤでレースをスタートしなければならなくなり、これに従わない場合はペナルティの対象となる。現在のGTLMクラスでは、割り当てられたタイヤの中から自由にスタートタイヤを選ぶことができる。
また、2022年のGTDプロクラスでは現在のGTLMクラスと同様となる、最大8日間のテスト制限が設けられる。
GTDクラスでは引き続き4日間にテストは制限されるが、ブロンズドライバーはIMSAの承認を得て、無制限のテストを行なうことができる。GTDでは風洞およびストレートライン・テスト(直線のトンネルなどでマシンを走らせ実際の空気抵抗等を測定するもの)は禁止される。
GTDクラスにおいては、少なくともひとりのブロンズ、またはシルバードライバーが必須という現在のドライバー要件が維持されるが、来季からは新たな予選フォーマットが導入される。これは必須となるドライバー交代に続いて、ブロンズまたはシルバーのドライバーが、そのチームのスタートポジションを決定するもの。そして、2回目の予選セッションでは予選ポイントが与えられる。
「GTDプロのルールを定めるためには、マニュファクチャラーやタイヤパートナーと足並みをそろえて作業することが肝要だった」とIMSAプレジデントのジョン・ドゥーナンは述べている。
「我々のIMSAテクニカルチームは徹底的な分析を行ない、最終的には、カスタマーレースというGTDクラスの性質とは対照的である、ファクトリーサポートを受けるGTレースとなるGTDプロクラスの将来に向けた、よい針路を描くことができた」
「最終的には、マニュファクチャラーの参戦計画が明らかになることでマーケットが示すことになるが、来年からGTDプロとGTDの両方で強力なフィールドが完成することについてはとても楽観的に考えている」
ドゥーナンは以前Sportscar365に対し、シリーズはコルベット・レーシングと協力し、GTE仕様のシボレー・コルベットC8.RをモディファイしてGTDプロのグリッドに並べることを計画していると語っていたが、今回の発表ではFIA GT3ホモロゲーション車両以外の『例外』については、公式には何の言及もされなかった。
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