バッテリーはクルマで使う電気を一時的に蓄えておく装置であり、ここに溜まった電気でセルモーターを回してエンジンを始動させている。
電気の消費量が多くなるとバッテリーから給電し、またオルタネーターで発電した電気をバッテリーに止めておくなど常に電気を貯めたり放出して補ったりしている。一般的にバッテリーは3年から5年ごとに交換と言われている。それは徐々に劣化してバッテリーの性能が低下してしまうからだ。
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もちろんそれは大切なことで、大きなトラブルにつながる前にバッテリーを交換する必要はあるのだが、せっかくなら純正品とはちょっと違うもので、さらに大きな効果を得たいと思うもの。そこでチューニングとしてバッテリー交換がある。
◆バッテリーチューニング1:小型軽量なものに交換する
バッテリーは「40B24L」のように大きさと性能が示されている。この40はバッテリーとしての性能を示す。40よりも42の方がたくさん電気を貯められる。B24はサイズを示し、Lは端子が右側か左側かを示している。
この最初の数字が少し小さくなってもいいので、小型なバッテリーにすることで軽量化を目的にすることがある。普段乗りの車両ではあまりオススメしないが、サーキットメインのクルマではそういった選択肢もある。また、ひと回り小型なバッテリーにすることで、開いたスペースにオイルキャッチタンクを取り付けたりする場合もある。
◆バッテリーチューニング2:サイズそのままで容量をアップ
さきほどの40B24Lのバッテリーを「42B24L」にするのがこの方法。貯められる電気が増えるのでバッテリー上がりには強くなったりする。とはいえ、エンジンのパフォーマンスがアップするかというと、そういうわけではないし、バッテリー自体が極端に長持ちするようになるわけでもない。
せっかく交換するなら、ワンランク上のものにして安心感を高めるようなイメージ。普段あまり乗らず、保管時間が長い場合には効果的。
◆バッテリーチューニング3:軽量なドライバッテリーにする
通常のバッテリーは電解水がたっぷりと入っていてとても重いもの。その電解水をゲル状にしたり、媒体に染み込ませたりして内部の水分が少ないものをドライバッテリーと呼ぶ。最近ではリチウムイオンを使ったものもある。そういったバッテリーはとても軽く、軽さという意味でのチューニング効果が高い。
一般的な普通車の場合で、ざっくりと純正バッテリーが14~15kgほどが多く、同じクラスのドライバッテリーだと約5kgほど。10kgほどの軽量化が可能になる。
ひと昔前のクルマは鉄製ボンネットをFRPやカーボン製にすることで約10kg軽量化。あとはシートを純正からフルバケットにするだけで片側25kg軽量になり、左右で50kg。ボンネットと合わせて60kgくらいの軽量化は簡単にできたが、最近はスポーツ系車種だと樹脂製ボンネットにひけと取らない軽さのアルミボンネットが増えている。純正シートもフルバケット並みの軽さのものが増え、軽量化できる余地が少なくなっている。その意味ではバッテリーは貴重な軽量化できる部位なのだ。
さらにドライバッテリーは起動電流が強いので、セルモーターが元気に回ってくれる。バッテリーが多少貯めている電気が減っても、エンジンが掛かりやすいという特徴もある。
こうしたバッテリー交換チューニング、いくつか気をつけたい部分もある。
まず、アイドリングストップ車や充電制御車は対応したバッテリーを使うこと。一般的なバッテリーだと極端に短寿命になることがある。
次に特にドライバッテリーの安価な輸入物には注意。アジア製の安価なドライバッテリーが増えているが、そういったものから発火したという話が後を絶たない。もし、燃えだしてしまうと工具がないとエンジンルームから外すことが出来ず、そのままクルマが全焼してしまうこともある。ドライバッテリーの多くは輸入品だが、きちんと日本でサポート体制が整っているメーカーの商品を使っていただきたい。そういったメーカーでは全品を日本で検品してから出荷していることが多く、初期トラブルもほとんど起きないという。
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