アメリカ・テキサス出身、これまで数々のカテゴリーで“最速のアマチュア”と呼ばれてきたベン・キーティングは、1月27~28日に行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権開幕戦のデイトナ24時間レースで、彼自身としてはこのイベントでお馴染みとなったダブルエントリーを果たす。
キーティングは21日にデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われた予選で、ユナイテッド・オートスポーツUSAの2号車オレカ07・ギブソンをドライブしてLMP2クラスのポールポジションを獲得した。しかし、彼が出場するのはLMP2だけではない。今回のデイトナで彼は、JDCミラー・モータースポーツの85号車ポルシェ963でも、ティメン・バン・デル・ヘルム、フィル・ハンソン、リチャード・ウエストブルックと組んでGTPクラスにエントリーしているのだ。
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なお、第2戦以降はLMP2のユナイテッドでのフル参戦を予定している。
今回、彼は初めてLMDh車両でレースをすることになるが、そのポルシェ963について、彼がこれまでドライブしたなかで「怯えさせられた」初めてのクルマであると語っている。
ブロンズドライバーのキーティングは以前、DPi規定最終戦の2022年もJDCミラーから最高峰カテゴリーに出場しており、このときはキャデラックDPi-V.Rで総合3位表彰台を獲得している。
しかし、52歳の彼は、ハイブリッドシステムを備えるポルシェ963を使いこなすことは、キャデラックDPi-V.Rよりもはるかに大きな課題であると語った。
「GTPカーは、僕がこれまで運転したなかでもっとも複雑なクルマだ」とキーティング。
「これは僕を本当に怖がらせた初めてのクルマだよ」
「ドライバーにとっては、ノブやボタンなど、制御すべきものがよりたくさんある。取り入れるべきことがたくさんあるんだ」
「実際、DPiはLMP2よりも運転しやすかった。もっとも素晴らしいトラクションコントロールを備えており、クルマを本当にアグレッシブに操ることができたんだ。そのシステムが、トライバーを限界の範囲内に保つんだ」
「GTPカーはLMP2よりも難しいよ。ブレーキ・バイ・ワイヤのシステムは感覚の一部を奪う。それに慣れて、このタイヤでこのクルマを運転する方法を学ばなければいけない」
■ダブルエントリーで「チャンスを2倍にしたい」
キーティングは今週、キャリア14回目のデイトナ24時間参戦を迎えるが、2台の異なるクルマでのダブルエントリーは8回目となる。2022年に彼はDPiとLMP2の両クラスの車両をドライブした。LMP2とGTDの2台で、この24時間レースに出場したこともある。
「24時間レースではどのクルマにもチャンスがあると信じているので、2台の異なるクルマに挑戦し、チャンスを2倍にしたいと思っているんだ」とキーティングは言う。
「IMSAのルールでは、あらゆる種類のインシデントに対してセーフティカーが導入される。僕は(GTP)クラスでもっとも遅いドライバーになる可能性があるけど、(速さで)負けてもセーフティカーで挽回できるんだ」
「僕の唯一の本当の仕事は、気をつけてクルマに乗ることだ。僕が2回、LMP2のタイトルを獲得していることで、JDCは僕を信頼してくれている」
ブロンズドライバーとしてノミネートされたキーティングは、規則上、ユナイテッドのLMP2エントリーでスタートドライバーを務める必要があり、またレース中に4時間半をドライブしなければならない。
ただし、GTPクラスで走行する必要があるのは2時間だけだ。彼は、LMP2での走行時間を完了するためにユナイテッドのシートに戻る前の、レースの早い段階で(JDCミラーのポルシェで)走行するつもりだという。
「GTPでは、(最低)走行時間は2スティント半に相当する」とキーティング。
「レースの早い段階でそれをクリアするつもりだ。3人のコ・ドライバーには負担がかかるけど、僕には負担がかからないね!」
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