車の最新技術 [2024.01.22 UP]
ホンダの新電気自動車「Honda 0」シリーズを解説する【石井昌道】
文●石井昌道 写真●ホンダ
電気自動車を買って試す本音レポート リアルEVライフ[「自宅充電器設置はどうする?」の巻]
1月9日~12日までアメリカ・ラスベガスで開催されたCES2024で、ホンダの新たなBEV(電気自動車)となる「Honda 0(ゼロ)シリーズ」が世界初公開された。
ホンダは、2021年4月の三部敏宏社長の就任会見で、2040年にはBEV、FCEV(水素燃料電池車)の販売比率をグローバルで100%を目指すと表明。日本の自動車メーカーとしてはもっとも電動化に前のめりであり、エンジン屋のイメージが強いこともあって世間を驚かせたが、現状ではBEVの販売比率はごくわずか。とくに日本では2020年10月にホンダeを発売したものの2023年12月までの3年強で1807台しか販売されておらず0.1%程度だ。もっとも2023年の日本の乗用車(軽自動車をのぞく)のBEVの販売台数は2万2848台にすぎず比率は1.7%。そのうち半数以上を輸入車が占めているので日本メーカーは日産が頭一つ抜けているとはいえ、どこも本腰を入れるにいたっていないのが現状だ。
CES 2024 プレスカンファレンス
そんな状況で示された「Honda 0(ゼロ)シリーズ」は、ホンダがBEVに入れる本腰であり、2026年には北米を皮切りに第一弾商品が投入されるという。ゼロにかけた思いは3つあり、MM思想や操る喜び、自由な移動の喜びといったこれまでも、そしてこれからも変わることのないホンダの原点に立ち返るという意味合いの原点・出発点のゼロ」、新しい価値創造に向けて「ゼロから新たなものを生み出す」、そして交通事故死者ゼロ、環境負荷ゼロに向けた「ゼロへの決意」となっている。また、新たな「Hマーク」エンブレムも採用されるという。
新「Hマーク」
独自開発されるBEV専用アーキテクチャーは “Thin”、”Light”、”Wise”といった新たな開発アプローチがとられるという。“Thin”は薄いという意味で、フロア高を抑えたプラットフォームで低全高スタイルや高い空力性能が実現可能。”Light”は、BEVでは文字通り軽さを目指している。”Wise”は賢明な、思慮深いなどといった意味だが、ホンダの75年のものづくりで培った知見を注ぎ込み、AD/ADASやIoTコネクテッドなど、ソフトウェアデファインドモビリティを実現するという。
Honda 0シリーズ コンセプトモデル「SALOON」
現在販売されているBEVの多くは、課題である航続距離を伸ばすために大容量バッテリーを搭載しているが、資源をたくさん使い、重くて電費自体はよろしくないというジレンマに陥っている。ホンダはそれを良しとはせず、軽量かつ低全高など薄いボディ、モータースポーツで培った空力性能などに力を入れ、少なめのバッテリーで300マイル(480km)の航続距離を実現するそうだ。いまのところ、航続距離は400~500kmあればギリギリ実用的な範疇と言われているので、そこでバランスを取るということだろう。2020年代後半に投入するモデルでは10年後バッテリー劣化率10%以下、急速充電15分以下が開発目標になっている。
Honda 0シリーズ コンセプトモデル「SPACE-HUB」
ADASやコネクテッドなどもホンダは積極的に取り組んできたが、「Honda 0(ゼロ)シリーズ」ではもちろん最先端のものがつぎ込まれる予定だ。
嬉しいのはBEVであっても“操る喜び”に力を入れると強調していることだ。BEVはシャシー性能の資質が高いうえに、制御が緻密になるので、本腰を入れれば素晴らしいダイナミクスが実現可能なはず。エンジン車に負けず劣らずのドライバーズカーに期待したい。
「Honda 0(ゼロ)シリーズ」は期待が持てるシリーズであり、やっとホンダのBEVが見えてきたというところだが、ややこしいのは同シリーズ以外にもBEV戦略があってわかりずらいことだ。
日本では2024年に軽商用BEVの「N-VAN e」、2025年に「N-one」ベースのBEV、2026年に2種類の小型BEVを投入予定。北米では2024年にGMと共同開発の「ホンダPrologue」、「Acura ZDX」を投入予定。中国にはすでに「e:NS」というホンダのBEVブランドがあり、2027年までに10車種を投入予定で2035年までに全モデルBEV化される。これらは地域ベストの戦略による地域専用BEVだ。
さらに2025年には次世代BEV専用アーキテクチャーによるグローバル戦略BEVを投入するというが、これは「Honda 0(ゼロ)シリーズ」とは別モノ。しかしながらアーキテクチャーは共有するようだ。前述の新たな「Hマーク」エンブレムは、グローバル戦略BEVでも用いられるようで「Honda 0(ゼロ)シリーズ」とどちらが先になるかはまだわからない。
そのほか、ソニー・ホンダのBEVである「アフィーラ」は2025年に受注開始および発売で2026年春に北米からデリバリー開始となっていて、同時多発的にホンダBEVが出てくることになる。わかりやすくするなら、BEVブランドとして1本化するか、地域ベストとグローバルの2本立てぐらいが妥当なところだろうが、同時多発的なやり方とどちらがいいのかはやってみなければわからない。とにもかくにも、魅力的な商品が末永く販売されることを願いたい。
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みんなのコメント
「アフィーラ」なんてホンダお得意の《あれは実験車扱いで一代限り》になるのが目に見えてる。