最新技術を積極投入。出力アップが嬉しいポイント
マツダ3の○と×
○:ライバルを寄せ付けない多彩パワーユニット
×:未だに割高感が拭えない「スカイアクティブX」
「最新モデル試乗」200psにパワーアップしたマツダCX-5。話題のブラックトーンエディションに乗ってみた!
最新テクノロジーは、モデルチェンジを待つことなく投入する――そんなマツダのポリシーを受けて、マツダ3が商品改良された。エンジンとトランスミッション(AT)のソフトウェア・アップデートによる性能向上、およびスプリングやダンパー特性の見直しによる、ダイナミクスと乗り心地の改善が主なメニューだ。リファインによりスカイアクティブXと1.8リッターディーゼルの最高出力は、それぞれ190ps(旧180ps)、130ps(旧116ps)にアップ。さらに2リッターガソリンのファストバックには「要望が多かった」6速MTが追加されている。
試乗車は、マツダが世界で初めて実用化した独自の燃焼方式を採用するガソリンエンジン「スカイアクティブX」と、1.8リッターディーゼルを搭載するファストバック(ともにAT仕様)。前者は「燃焼制御を最適化することで、ほぼすべての領域でトルクと出力を向上」。後者は「燃料噴射制御の最適化で高回転まで力強さを持続」がうたわれ、同時にATの最適セッティングを通じて動力性能向上が図られた。
力強さを実感。すべてが正常進化。これは価値がある!
いずれのモデルでも効果は明確だった。「圧倒的な差がある」というまでには至らないものの、確かに力強い。
スカイアクティブX搭載モデルは、メーカーが「高応答エアサプライ」と表現するスーパーチャージャーの制御を緻密化。より多くの空気をシリンダーに送ることでパワーアップしている。まずスタート時の力強さが増していた。あたかも「排気量が上乗せされた」かのような印象で、街乗りでもたびたび恩恵を受けるだけにうれしいポイントだ。わずかなアクセルワークに対する挙動も、ドライバーの意志にリニアに反応する。初期型を手にしたユーザーにも、最新スペックへのレトロフィットが無償で行われる予定というのも、見逃せないポイントである。
1.8リッターディーゼルは、加速の自在感がいっそうアップしていた。いい意味で「自然吸気のようなフィーリングが増した」といいたくなる仕上がりだった。30km/h付近からアクセルをわずかに踏み増したような領域で、とくに力強さが明確だ。
フットワークの改善は、さほど大きくは感じられなかった。従来比で「サスペンションの動きの初期からダンピングが増した」印象はあるものの、それがむしろ、硬質なテイストを生み出しているように感じられるシーンもあった。
マツダ3は、いちだんと魅力的になっていた。従来型のユーザーにも配慮しつつリファインを積極的に継続するマツダの姿勢には、大いなる賛辞を贈りたい。
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