アルパインは、世界最高峰のカーオーディオ「AlpineF#1Status(アルパイン エフナンバーワン ステータス)」を開発し、2021年秋よりグローバルで販売を開始すると2021年6月22日に発表した。
国内販売については、アルパインの直営店である「アルパインスタイル」が、「AlpineF#1Status」を搭載したフルコンプリートカーとして販売する。
オーディオシステム構成は、ヘッドユニット(HDS-7909)、DAP(DAP-7909)、プロセッサー(HDP-H900)、パワーアンプ(HDA-F900)、4ウェイスピーカー(HDZ-9000)のフルシステムだ。
気になる価格だが、「AlpineF#1Status」のフルシステムが約250万円で、デッドニングなどを含むインストール費用が約150万円。これにアルファード エグゼクティブラウンジSのアルパインスタイルカスタマイズ含む車両価格が約800万円で、トータル約1200万円なり。
384kHz/32bitハイレゾ音源再生が可能
さて、この「AlpineF#1Status」だが、アルパインが掲げるビジョン「Emotion in Mobility 移動を感動へ」を体現するモデルとして開発したカーオーディオシステム。アルパインが長年培ってきた技術力や知見、ノウハウを集約して、約3年をかけて開発してきたという。
トピックはカーオーディオ業界として初めて、384kHz/32bitハイレゾ音源の再生を実現したこと。このスペックはCDの17.4倍の音情報を伝えられるもので、歪みの極めて少ない原音に近い滑らかな音楽を楽しめる。
一般的なハイレゾは96kHz/24bitのものをいい、これよりもハイスペックな仕様ならば192kHz/24bitを指し、これらはすでに一部のカーオーディオシステムに搭載されている。384kHz/32bitは現時点での最高スペックとなり、本来ならばレコーディングスタジオや、こだわりのホームオーディオなどで利用されるものだ。
人の耳で聞き取れる周波数は20kHzが限度と言われているが、それを優に超える高音域を再生できる394kHzのハイレゾ。人の耳には聞こえない領域まで取り込むことによって、本来の音色を忠実に再現することで、豊かな表現力や、繊細さ、奥行き感が得られる。
すばらしい臨場感を味わうのは不向きと思われるカーオーディオなのだが、「AlpineF#1Status」は高音質を体感するための技術も合わせて搭載している。
完全シンクロで音のバランスを整える
限られた車内のスペースにおいてオーディオシステムを構築する際、従来は音源再生などを操作するヘッドユニットと、チューニングの役割を果たす「オーディオプロセッサー」は分けて搭載する手法が用いられている。すると、デジタル信号を扱う機器ごとに水晶(クロック)を持ち、それぞれのタイミングで信号を処理することになる。これが原因のデジタル信号のズレ「ジッター」が発生してしまう。これを解消するために「マスタークロック マネージメントシステム」を開発し搭載。
システムの心臓部には、水晶発振器として世界最高の周波数精度を持つ「OCXO DuCULoN」を採用することで、ヘッドユニットとオーディオプロセッサー間の伝送システムを1つのクロックで完全にシンクロさせ、伝送におけるジッターの発生を限りなく抑えている。
さらに、スピーカーと座席の位置による音の到達時間のズレを補正する技術は、より高精度に制御するためパソコンのCPUと同等の処理能力を持つ、最大1GHz/64bitのデジタルサラウンドプロセッサーを4基搭載。これにより従来の製品の調整幅が最小で約7.2mm相当(気温20℃)だったものを、約0.9mmというより高精度での調整を可能としている。
スピーカーの振動板はCFRP素材で統一
音の出口、スピーカーにもこだわる。採用するすべてのスピーカーの振動板の素材に高性能な炭素繊維強化樹脂(CFRP)を採用し、各スピーカーユニットから出る音色を完全にシンクロさせている。炭素繊維強化樹脂は軽さと剛性を高レベルで両立。ハイレゾ音源を余すことなく堪能できる音を作り出す。
アルファード エグゼクティブラウンジSに組み込み販売
最高峰のハイレゾ音源再生を実現するため、アルパインは「AlpineF#1Status」のフルシステムを「トヨタ アルファード エグゼクティブラウンジS」に組み込み、フルコンプリートカーとして販売する。
2列目のエグゼクティブシートを「AlpineF#1Status」の臨場感を余すことなく体験できるポジションとして開発。車両そのものを最高の音質を再現できる環境に整えるための新コンセプト「Solid Flame#1(ソリッドフレームナンバーワン)」のもと、フロントドアや後席スライドドアへのデッドニングに加え、後席やトランク床部などには制振材、天井には制振と吸音材、さらにタイヤハウス裏側にも制振加工を施すなど、徹底的なノイズ低減策を講じる。走行時の耳障りなロードノイズを引き下げ、静粛性の高い室内空間を創出している。
所有欲を満たすアルパインスタイルの内外装
コンプリートカーはアルパインスタイルのカスタマイズカーのメニューを踏襲。エクステリアはエアロパーツにフルバンパータイプのULTIMATE LINEを設定(ほかにもハーフスポイラータイプなども選べる)。アルミホイールは新作のDTM FORGED_RにヨコハマタイヤのAVID ENVigor S321を組み合わせる。
インテリアは、純正ナビを移設した上でアルパインの大画面ナビBIG Xを装着するほか、アルパインブルーに統一したイルミネーションやアルパインオリジナルフロアマットなどを設定する。
「AlpineF#1Status」を装着するにあたり、アルプスアルパインの誇るサウンドマイスターが1台1台サウンドチューニングを実施する徹底ぶりだ。
車両購入はアルパインスタイル全店舗にて受け付け、事前にホームページにて予約すれば購入の相談に乗ってもらえる。フルコンプリートカー以外のシステムでの取り扱いや取り付けの相談も可能だ。
アルパインスタイル ホームページ
「AlpineF#1Status」アンバサダーのCHEMISTRY川畑 要さんも驚くいい音
製品発表会には「AlpineF#1Status」のアンバサダーに就任したCHEMISTRYの川畑 要さんも登場。クルマ好きでアルパインブランドのファンだったという川畑さんは、実際に「AlpineF#1Status」のフルコンプリートカーで視聴し、「まるでライブ会場にいるような空間だった」とコメント。自身のYouTubeチャンネル「KKTV」で24時間で作詞作曲したテーマソング「Tailwind ~音楽とともに~」を披露した。
今後「KKTV」を中心にアルパインの原点となるものづくりの現場や、直営店「アルパインスタイル」の取り組みや、クルマといい音がもたらす感動の体験などを発信していくという。
発表会では「JABBERLOOP」のライブ演奏も
製品発表会では、スペシャルゲストとしてクラブジャズバンド「JABBER LOOP(ジャバループ)」が登場、生演奏を披露した。
音のプロフェッショナルである彼らは、事前に「AlpineF#1Status」を試聴。レコーディングスタジオ並みのハイレゾ音源の再生をフルコンプリートカーの車内で聞き、その能力の高さに驚いていた。
〈文と写真=ドライバーWeb編集部・兒嶋〉
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みんなのコメント
しかしアルファードは要らんw