現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > シボレー「コルベット Z06」は普通の人でも操ることできるセミレーシングスーパースポーツだ!

ここから本文です

シボレー「コルベット Z06」は普通の人でも操ることできるセミレーシングスーパースポーツだ!

掲載 更新 2
シボレー「コルベット Z06」は普通の人でも操ることできるセミレーシングスーパースポーツだ!

 1954年、初代の「コルベット」が米国で発売された。当時の米国は、第2次世界対戦が終わり、欧州から帰国した時に持ち帰ったMGやオースチンヒーレーといったスポーツカーに人気が集まっていた。そのブームを対抗するためにGMは「コルベット」を開発し、発売したのだ。以来、1970年「コルベット」は生産を絶切れさせることなく新型を発表してきた。現行型も1920年にデビューしている。

 今回、試乗したのは「コルベット」の中でも、特別なモデルとしてマニアの間では知られているモデルだ。「Z06」(ズィーオーシックス)は、1963年の2世代目に加わったスペシャルな「コルベット」。サーキットで圧倒的な強さを発揮するために開発されたモデル。スーパースポーツをベースにさらにチューニングされたスーパーモデルだ。

トヨタがBEVのコンセプトカー「bZ Sport Crossover Concept」「bZ FlexSpace Concept」を公開

「これまで自分が見たロードカーの中で、もっともレーシングマシンに近い」というのは本当か?

 第8世代目の「Z06」は、ボディーからノーマルとは違う。それは、コルベットレーシングの流れを汲むものだ。コルベットレーシングはアメリカのスポーツカー選手権で2020年には6回の優勝と7回のポールポジションを獲得した実績を持つ。そのマシンづくりのノウハウが外観にも生かされている。

 全長はノーマルより55mm長く、全幅は85mm広いが、全高は5mm高いというプロポーション。ホイールベースは同じだ。全幅が拡大しているがこれはリアの345/25ZR21タイヤをクリアするためでもある。さらに大きく変わったのがパワーユニットだ。ノーマルのOHV、V8、6.2Lエンジンは、新開発のDOHC、V8、5.5Lに代えられた。



 当然だが、性能も最高出力は502PS/6450rpmから646PS/8550rpmに、最大トルクは637Nm/5150rpmから623Nm/6300rpmにアップしている。車両重量は約20kgしか変わらないので、動力性能の向上は目ざましいものがあるに違いない。

 実車と対面する。ボディーカラーはブラック。フロントノーズは冷却効果は高めるために、ノーマルとは形状が違う。サイドの空気取り入れ口も効率が良くなっている。リアスポイラーは調整可能だ。これらはすべてサーキット走行で最大限の性能を発揮させるための変更だ。その結果、時速300kmで約164kgものダウンフォースを得られるようになった。

 これだけのスペックを聞かされ、公道に乗り出すことになった。なんたって、この「Z06」をテストした本国のレーシングドライバーが「これまで自分が見たロードカーの中で、もっともレーシングマシンに近い」とコメントしているクルマを、公道で走らせようというのだ。

 コックピットに座り、ポジションを調整する。ベースになった8代目「コルベット」から、GMは日本市場用に右ハンドル仕様を設定したが「Z06」も右ハンドル仕様だ。長方形の太巻きハンドルが、レーシングカーのよう。低めの着座位置だが、右フェンダーは見えるので、車幅感覚はつかみやすい。これならレースで、サイドバイサイドで争っても安心感がある。一般公道でも見切りが良い。さらに、後方視界は、ルームミラーがリアカメラの映像を映し出しているので、視界が広く、安全だ。

 体をしっかりとホールドしてくれるセミバケットシートに座り、シフトノブで指つまんで動かす。P/R/N/D・Mで、Dは8速AT。TCDオフ/リフト/フロントカメラのスイッチもインパネに並んでいる。



 スターターボタンでV8、5.5Lエンジンを始動させる。アイドリングからV8、大排気量エンジン独特の、野太いエキゾースト音と、ブルブルと車体全体がふるえるような振動が伝わる。V8スポーツファンにはたまらない振動だ。Dレンジにシフトし、アクセルを踏む。646PSのセミレーシングカーは、意外に静かに走り出した。

 街中での「Z06」はジェントル。8速ATの6速で60km/h走行する。この時のV8、5.5Lは1300回転でユルユルと回っている。ブレーキも強力。つま先の動きでググッと減速する。乗り心地は硬めだ。中低速ではドンッ、ドンッ、とハネる。速度を高めるとハネはやや収まるが、それでも硬めだ。その理由はもちろんサーキット走行のためだ。

 一般道ではせいぜい0→100km/hの加速を味わうぐらい。3秒台で走りきり、V8、DOHCはレッドゾーン入口の7500回転まで一気に上昇する。4000回転をオーバーしてからのエキゾースト音は、爆音に近い。

フツーの人が乗ることのできるセミレーシングスーパースポーツ

 ハンドリングは常に重め。コーナーをそれなりのスピードで曲がる時は、ドライバーはハンドルと戦うことになる。しかし、サーキットならともかく、一般道ではその実力を十分に試すことはできなかった。むしろ、ハンドルの重さを別にすれば、V8、5.5Lエンジンの646PS、623Nmも、アクセルワークで、自在にパワーを発揮させられるので、意外に扱いやすかった。これが、欧州のセミレーシングスーパーカーなら、とても公道を走らせることはできないだろう。アメリカ車は、基本的に高齢者から若者まで、誰でも運転できるクルマ造りをしている。

 それは「コルベット」のようなスーパースポーツでも同じ。だからその血を受け継いでいる「Z06」も、とりあえずレーシングドライバーでない僕でも、ある程度は乗りこなせる運転しやすさを残しているのだろう。そういった意味では最も気を使わずに、フツーの人が乗ることのできるセミレーシングスーパースポーツだといえる。



■関連情報
https://www.chevroletjapan.com/campaigns-events/corvette-z06

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
フェルスタッペンとのタイトル争いは“敗北濃厚”も……今季の戦いで自信深めたノリス「優勝争いに必要なものを持っていると言えるようになった」
motorsport.com 日本版
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
フェラーリ『ローマ』後継の新型スーパーカー、車名は『アマルフィ』が最有力!
レスポンス
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
注目が集まる角田裕毅の2025年シート「僕はレッドブルの一員なのでここにいます。ホンダとは話をしていません」
motorsport.com 日本版
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
次の「黄バイ」はBMW? 首都高専用パトロールバイク「F900XR」がカッコ良すぎる!
くるくら
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
まさかの「RAV4“軽トラ”」登場!? ド迫力の“真っ黒顔”がスゴすぎる! オフロード感強調の「SPIEGELカスタム」どんなモデル?
くるまのニュース
これはクセスゴ!!  オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
これはクセスゴ!! オーナー自作多数のホンダ「CT125・ハンターカブ」カスタム発見!!
バイクのニュース
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
[15秒でわかる]アキュラ『ADX』新型…内外装はスポーティかつ高級な印象に
レスポンス
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
アルピーヌは東京オートサロン2025で3台のA110を披露
カー・アンド・ドライバー
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
WRCラリージャパン2024が開幕、4日間の熱い戦い トヨタ逆転優勝なるか
日刊自動車新聞
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
【スクープ!】AMG製電動スーパーSUVデビュー間近!メルセデスAMGが新型電動SUVを開発中!
AutoBild Japan
「マジで!?」ホコリまみれの“スクラップ車”が14億5000万円で落札!? 50年ぶりに見つかった1956年製メルセデスの“驚きの価値”とは?
「マジで!?」ホコリまみれの“スクラップ車”が14億5000万円で落札!? 50年ぶりに見つかった1956年製メルセデスの“驚きの価値”とは?
VAGUE
ミツオカ「M55」発売決定! 2025年生産販売台数は100台で、2024年11月22日から受付開始
ミツオカ「M55」発売決定! 2025年生産販売台数は100台で、2024年11月22日から受付開始
Webモーターマガジン
【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!!
【10月の新車販売分析】受注停止車種が多くともトヨタ1強にかわりなし! 軽乗用車はホンダとダイハツの2位争いが熾烈に!!
WEB CARTOP
『簡単にキズが消えた!』初心者でも簡単、コンパウンドで愛車の浅いキズを手軽に修復するテクニック~Weeklyメンテナンス~
『簡単にキズが消えた!』初心者でも簡単、コンパウンドで愛車の浅いキズを手軽に修復するテクニック~Weeklyメンテナンス~
レスポンス
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
トヨタ新型「ミニアルファード」登場は? 「手頃なアルファードが欲しい」期待する声も!? 過去に"1代で"姿消した「ミドル高級ミニバン」があった!? 今後、復活はあるのか
くるまのニュース
スクーターのようでスクーターではない!? シリーズ最大排気量イタルジェット「ドラッグスター700ツイン・リミテッドエディション」発表
スクーターのようでスクーターではない!? シリーズ最大排気量イタルジェット「ドラッグスター700ツイン・リミテッドエディション」発表
バイクのニュース
ホンダ 全固体リチウムイオン電池のパイロット生産ラインを公開
ホンダ 全固体リチウムイオン電池のパイロット生産ラインを公開
Auto Prove
MINI コンバーチブル【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
MINI コンバーチブル【1分で読める輸入車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

2件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3320.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

458.01080.0万円

中古車を検索
V8の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

3320.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

458.01080.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村