2021年3月15日、日産自動車(以下、日産)は、対向式ダイレス成形や3Dプリンター技術など、日産の新技術を活用した「NISMO ヘリテージパーツ」を商品化すると発表した。
新技術の「対向式ダイレス成形」、第1弾はR32用のリアパネル
「NISMO ヘリテージパーツ」とは、日産、NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)およびオーテックジャパンの3社が、サプライヤーと共同で製造廃止となった純正補修部品を再供給するもの。ユーザーが日産のパフォーマンスカーに少しでも長く乗り続けられるよう、できる限りサポートする活動の一環として、2017年12月より販売を開始している。現在まで約3年間で販売開始時の80部品から、300部品以上に拡大している。
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今回採用された新技術の「対向式ダイレス成形」とは、金型を用いずにボディパネルを成形する工法だ。ボディパネルの少量生産に対応する技術として、2019年10月に発表された。棒状の工具を取りつけたロボットが、パネルを徐々に変形させて成形する「インクリメンタル成形」技術を用い、成形工具を対向側にも配置することにより複雑な形状の成形を可能にしている。
日産では、この技術を活用してR32型スカイラインGT-Rのリアパネルを商品化する。商品化にあたっては、基盤技術である「対向式ダイレス成形」工法および、鏡面化ダイヤモンドコーティング工具による無潤滑加工をベースに、熟練作業者の板金ノウハウを取り入れながら試作を繰り返した。併せて、サプライヤーとも連携することで、自動車部品に求められる高い品質を実現している。
また、SOLIZE(株)と共同開発した3Dプリンター技術を用いて、R32型スカイラインGT-Rのハーネス用プロテクター(樹脂部品)を商品化した。日産は、ハーネス本体を製造するサプライヤーとも協力の上、3Dプリンターの性質に合わせた部品の再設計・性能試験を実施し、高い品質基準が求められる自動車部品の商品化を短期間で実現している。
現段階では、これらのパーツの価格は未発表。日産では今後も、総合研究所や生産技術研究開発センターの技術を活用し、「NISMO ヘリテージパーツ」の供給アイテムのさらなる拡大に貢献していくという。
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スペアタイヤを外して見てね。