現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > クラウンにレジェンドと存続に暗雲垂れ込めるセダン! かつてなぜ人気を得てどうして凋落したのか

ここから本文です

クラウンにレジェンドと存続に暗雲垂れ込めるセダン! かつてなぜ人気を得てどうして凋落したのか

掲載 61
クラウンにレジェンドと存続に暗雲垂れ込めるセダン! かつてなぜ人気を得てどうして凋落したのか

 ネガティブな内容で最近何かと話題になるセダン

 少し前にはクラウンが現行モデルを最後にしてセダンスタイルをやめてSUVになるのではないかなどの情報が飛び交い、そして最近では日産スカイラインが絶版になると、某新聞が伝えると、日産サイドがその報道を否定する動きがあった。さらには、ホンダがレジェンドの生産終了を計画しているニュースまで飛び出した。このごろ、何かとセダンが話題になっている(それもネガティブネタで)。

若者オーナー皆無! キング・オブ・おやじセダンTOP5

 自販連(日本自動車販売協会連合会)統計による2021年5月単月の登録車のみとなる通称名(車名)別販売ランキングをみると、トップ10のうちセダンはというと、3位にカローラが入っているとはいえ、これはステーションワゴンのツーリングやハッチバックのスポーツなどとの合算であり、そのほとんどはツーリングとなっている。純粋にトランクを持つセダンスタイルのみのモデルとしては、26位にランクインしているクラウンが最高位となっているといえよう。

 かつてバブル経済といわれた頃は、カローラといえばセダンで、そのライバルとなるサニーやシビック、ファミリアなどもセダンがラインアップされていた。つまり「ファミリーカー=セダン」であったのだ。

 さらに、バブル経済からさらに歴史をさかのぼった80年代に突入したばかりの頃には、FRを採用する最後のカローラセダンとなった4代目カローラまでは「2ドアセダン」というものがラインアップされていた。それはライバルも同様で、サニーでも同じ頃までは2ドアセダンをラインアップしていた。これは、当時最大の輸出先となるアメリカでパーソナルカーとして、2ドアセダンのニーズが高かったこともあって加えられていたもので、日本でも販売されていたといえる。

 かつてのセダンは2ドアで4ドアセダンは贅沢品として存在した

 そもそも、1966年にデビューした初代カローラは当初2ドアのみで、翌1967年に4ドアが追加されている。サニーについても1966年に初代がデビューした時には2ドアのみで、翌1967年に4ドアが追加されている。

 初代カローラ登場前に、国民車構想を意識して開発され、1961年に初代がデビューした大衆車の先駆けとなるトヨタ パブリカは、1978年に2代目が生産終了するまで、一貫して2ドアにトランク付きというスタイルを貫いた(バンやトラックもあったけどこちらも2ドアだった)。

 つまり、60年代あたりでは同じモデルでも4ドア車のほうが贅沢であり(価格もアップする)、2ドアセダンがそもそもファミリーカー(大衆車)としてはメインであった。後から追加された4ドアは同じ車種での「贅沢仕様」として位置づけられており、その流れで70年代後半までは2ドアセダンをラインアップするモデルが残っていたと考えられる。

 当時2ドアが標準のようになっていたのは、剛性確保の問題もあったとされるが、ドアが4枚になることは当然コストアップとなるので、贅沢というだけでなく、利便性も格段に向上するのである。大きなドアを開けて、前席シートを倒さないと後席への乗降ができない2ドアに比べれば、4ドアははるかに便利だったのである。

 もちろん、その当時でもクラウンやセドリックでは4ドアセダンスタイルが当たり前でもあったので、「4ドア=贅沢」となっていたのである。

 ちなみに丸目4灯式ヘッドライトも上級車の証であり、日野コンテッサでは最廉価のスタンダードだけ丸目2灯式となっていた。4代目カローラセダン(バンも採用)ではシリーズ最初で最後とされる丸目4灯式ヘッドライトを採用したのも、豪華さを出したかったからだと聞いたことがある。

 いまでは、世界的に多用途性にも欠け不便に思われがちな4ドアセダンであるが、もともとは、「2ドアセダンより便利で贅沢に見える」ということで、大衆車と呼ばれるクラスでも広まっていったのは、セダン離れの進む今ではなんとも皮肉な話に見える。

 セダン人気の凋落は、長い歳月を経て自動車自体のバリエーションというか、ミニバンやクロスオーバーSUVなど、新しいカテゴリーが増えて消費者にとって多様な選択ができるようになったことを物語っているものと考えられる。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「首都高の“ETC”」利用率が98%!? それでも「料金所」に”係員“なぜ存在? 料金所スタッフの勤務実態とは
「首都高の“ETC”」利用率が98%!? それでも「料金所」に”係員“なぜ存在? 料金所スタッフの勤務実態とは
くるまのニュース
さらば50cc…手に入れるなら今!? 50cc人気3選、今はまだ買えるの?
さらば50cc…手に入れるなら今!? 50cc人気3選、今はまだ買えるの?
バイクのニュース
コメリ、オリジナルのヘッドライトコーティング剤発売 最長1年間黄ばみ・劣化から守る
コメリ、オリジナルのヘッドライトコーティング剤発売 最長1年間黄ばみ・劣化から守る
レスポンス
最後の非電動・非ターボの水平対向6気筒…ポルシェ『911 GT3 RS』をスクープ!
最後の非電動・非ターボの水平対向6気筒…ポルシェ『911 GT3 RS』をスクープ!
レスポンス
半世紀前の名車バイクの走行距離がなんと“60km”!? 極上のホンダ「CB500Four」をイタリアで発見 気になる価格とは
半世紀前の名車バイクの走行距離がなんと“60km”!? 極上のホンダ「CB500Four」をイタリアで発見 気になる価格とは
VAGUE
 専用品がない旧車や緊急時の味方!!「液体ガスケット」とは?【バイク用語辞典】
専用品がない旧車や緊急時の味方!!「液体ガスケット」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
全長3.9m! ダイハツの「コンパクトSUV」は“一文字テール”が未来的! パワフルな「1200cc×ハイブリッド」やターボ搭載した「トレック」とは!
全長3.9m! ダイハツの「コンパクトSUV」は“一文字テール”が未来的! パワフルな「1200cc×ハイブリッド」やターボ搭載した「トレック」とは!
くるまのニュース
「支払は今度で……」なんていまだ人情話もある日本の路線バスもシッカリ経営に! キャッシュレス化がもたらすメリットとは
「支払は今度で……」なんていまだ人情話もある日本の路線バスもシッカリ経営に! キャッシュレス化がもたらすメリットとは
WEB CARTOP
【KTM 990RC R発表】RC8シリーズ以来の大排気量スーパースポーツRC・公道へ再降臨!デビューは2025年春以降
【KTM 990RC R発表】RC8シリーズ以来の大排気量スーパースポーツRC・公道へ再降臨!デビューは2025年春以降
モーサイ
悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
motorsport.com 日本版
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
AutoBild Japan
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
くるまのニュース
2025年は車を買う! でもどれにする?…スライドドア付き軽自動車・予算別ガイド、3ゾーン48車種
2025年は車を買う! でもどれにする?…スライドドア付き軽自動車・予算別ガイド、3ゾーン48車種
レスポンス
いつ見てもかわいいレトロデザイン!! 超小型車 フィアット新型「トポリーノ」は欧州で大人気! ネットに続々寄せられる熱い思いとは
いつ見てもかわいいレトロデザイン!! 超小型車 フィアット新型「トポリーノ」は欧州で大人気! ネットに続々寄せられる熱い思いとは
VAGUE
ラリージャパンで国沢光宏が躍動! 二つの顔を持つ紳士がルーテシア ラリー5で激走
ラリージャパンで国沢光宏が躍動! 二つの顔を持つ紳士がルーテシア ラリー5で激走
ベストカーWeb
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
レスポンス
ソニー、移動をエンタメに変える「MR Cruise」事業化…あらゆる車両に搭載可能に
ソニー、移動をエンタメに変える「MR Cruise」事業化…あらゆる車両に搭載可能に
レスポンス
日本人初の快挙! moto2チャンピオン小椋藍がトライアンフ トリプル トロフィーを受賞
日本人初の快挙! moto2チャンピオン小椋藍がトライアンフ トリプル トロフィーを受賞
バイクのニュース

みんなのコメント

61件
  • メーカーだってお飾り餅作ってるんじゃないのだから売れなければ作らない
    単にそれだけでしょう
  • 衝突安全などの要素はどんどん性能が上がっているんでしょうけど、デザイン面からみるとクラウン系だと初代アリストが出たあたり、セドリック系だとグランツーリスモとして世に出たあたりが一番輝いていたように思いますね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村