11月10日(日)、三重県の鈴鹿サーキットで2024年全日本スーパーフォーミュラ選手権第9戦『第23回JAF鈴鹿グランプリ』の公式予選が行われ、野尻智紀(TEAM MUGEN)が今季2度目のポールポジションを獲得した。
同じくフロントロウの2番手は、第8戦のポールシッター太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が入り、坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)が3番手に続いた。坪井はこの予選で1ポイントを獲得。一方、タイトルを争う牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が10番手に終わり予選ポイントを獲得できなかったため、両者の差は19.5ポイントに開き最後の決勝に進むこととなる。
■SFラストランの山本尚貴が魅せた
上空にはやや雲が広がっているが、気温は17度、路面温度は19度と第8戦予選と比べてわずかに温度は高い状況。公式予選は定刻9時15分にスタートが切られた。
Q1A組には、小高一斗(KONDO RACING)、牧野、福住仁嶺(Kids com Team KCMG)、三宅淳嗣(ThreeBond Racing)、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)、国本雄資(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、笹原右京(VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、Juju(TGM Grand Prix)、山本尚貴(PONOS NAKAJIMA RACING)が出走。
セッション開始と同時に多くのマシンがコースに出るなか、大嶋とJujuはウェイティング。2分半ほどが経過したところでピットを離れると、そのまま連続周回に入った。
他の9台はコンディションチェックを行うとピットへ戻りタイヤを交換、残り時間が7分を示す頃から続々とコースへと出ていく。前日と比べてやや雲が多いことを考慮してか、入念にタイヤのウォームアップを行い、残り1分半ほどのところで岩佐からアタックに入っていった。
まずはその岩佐が1分38秒055で暫定トップに立つが、すぐさま阪口が1分37秒819で逆転。さらに牧野が1分37秒719で阪口を上回りトップに立った。
しかし、セクター1、2と最速タイムを並べた山本が1分37秒574で牧野を大きく離してトップに浮上する。三宅、国本、最後は小高がコントロールラインを通過してセッション終了。今日がスーパーフォーミュララストレースとなる山本が、まずは予選Q1でトップタイムをマークした。
約0.15秒差で牧野が2番手に続き、以下、阪口、笹原、福住、岩佐の6名がQ2進出。国本、小高、大嶋、三宅、Jujuの5名が予選終了となった。
続くB組には、山下健太(KONDO RACING)、太田、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)、野尻、平良響(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、坪井、大湯都史樹(VERTEX PARTNERS CERUMO・INGING)、木村偉織(San-Ei Gen with B-MAX)、大津弘樹(TGM Grand Prix)、佐藤蓮(PONOS NAKAJIMA RACING)の10台が出走。
こちらは全車がいったんコースに出た後、ピットに戻ってタイヤを交換しアタックへ。前日の雪辱を誓う野尻からタイムアタックがスタートした。野尻はセクター1、2と全体ベストを示す赤表示を並べるが、野尻、小林に続いて3番目にアタックに入った坪井が野尻のセクタータイムを次々に上回って見せる。
まずは野尻が1分37秒758で暫定トップに立ったが、坪井が約0.4秒上回る1分37秒751で逆転。さらにセクター3で全体ベストタイムをマークした太田が1分37秒492で野尻を破って2番手につけた。
続いて大湯が1分38秒295で4番手に入るが、佐藤が1分38秒018でこのポジションを奪い、さらに山下が1分37秒880で佐藤から4番手を奪取。これで佐藤が5番手、大湯が6番手にドロップする。山下の後からコントロールラインに戻ってきた木村と大津は大湯のタイムを越えられず、セッション終了。坪井、太田、野尻、山下、佐藤、大湯の6名がQ2に駒を進め、大津、木村、小林、平良がQ1敗退となった。
■逆転チャンピオンを目指す牧野は、より厳しい展開に
A組からは牧野が、B組からは坪井が順当にQ2へ進み、チャンピオン争いに残ったふたりがポールポジション争いを見せるかに思われた。しかしQ2の主役は野尻だった。
岩佐、阪口、福住仁続いて4番目にアタックに入った野尻は、直前を走る福住からセクター1、2と最速タイムを奪っていく。セクター3の全体ベストこそ坪井に奪われるが、コントロールラインに戻ってきてみれば1分36秒542でトップタイム。坪井は1分36秒844で2番手に続いた。
坪井がこのままの順位をキープすると予選で2ポイントが加算され、牧野との差を20ポイント以上に拡げることができるため、決勝レースを待たずにタイトル確定となる。牧野のタイムに注目が集まったが、タイムは伸び悩み、1分37秒245で8番手。
これで坪井のタイトル獲得が決まったかに思われたが、牧野に続いて戻ってきた太田が1分36秒797をマークし2番手に浮上。坪井が3番手に下がったことで、獲得ポイントが1ポイントに減り、決着は決勝レースに持ち越されることとなった。
最後にPONOS NAKAJIMA RACINGの2台がホームストレートに戻ってきて、山本が9番手、佐藤が4番手に入り予選終了。野尻が前日の雪辱を果たす、今シーズン2度目のポールポジションを獲得した。
2番手につけた太田は今季4度目のフロントロウ獲得。3番手の坪井は初のチャンピオンに向けて王手をかけたかたちだ。
4番手以降は佐藤、福住、阪口というトップ6。これがスーパーフォーミュララストレースとなる山本は9番手。牧野は10番手から大逆転を目指すこととなる。
シリーズ争いが決着する第9戦決勝レースは、このあと14時30分にスタート予定だ。
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