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アルシオーネSVX──「スバル史上最も美しいクルマ」とも評される伝説のクーペ

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アルシオーネSVX──「スバル史上最も美しいクルマ」とも評される伝説のクーペ

スバルといえば質実剛健。「スペシャリティ」という言葉とは縁遠いようにも思われますが、かつてはスバルのスペシャリティクーペが存在しました。それが、アルシオーネSVXです。

 時に1991年9月、スバルから1台のスペシャリティカーが発表されました。その名はアルシオーネSVX。スバルのアイデンティティを象徴する、新たな4WDグランドツアラーとして誕生しました。スバルの考えるグランドツアラーの理想像を求めて開発されたアルシオーネSVX(以下SVX)は、当時の広報資料によれば「大人の豊かなパードナルライフを演出する、本格グランドツアラー」というコンセプトの基に、「走る歓び」「乗る満足」「持つ誇り」の3点をポイントに開発された、としています。

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世界的デザイナーも加わった流麗なデザイン

 SVXの最大の特徴であり魅力でもあるそのエクステリアは、あのジョルジェット・ジウジアーロにオリジナルコンセプトに基づくデザインアイデアを求め、ドーム形状のラウンドキャノピーやトランクリッド周辺のモチーフに活かされています。

 このラウンドキャノピーは、ルーフを除くすべてのキャビンをグラスtoグラスで覆うというもの。ピラーはキャビン外面に露出しないヒドゥンピラーとし、まるで戦闘機のキャノピーのような印象を与えてくれました。

新開発の3.3Lエンジン他、スバルの技術を結集

 このボディを走らせるエンジンとして、新開発の水平対向6気筒3.3L自然吸気のEG33を搭載。最高出力は240ps/6000rpm、最大トルクは31.5kgm/4800rpm。インマニの左右チャンバー間に可変吸気制御バルブを設け、その開閉によって吸気特性を変化させる可変吸気コントロールシステムを採用し、低回転から高回転までトルク特性を向上させています。ちなみにトランスミッションはこの当時では標準的な4速AT。10モード燃費は7.0km/lでした。実燃費はどのくらいだったのか気になりますね。

 駆動方式は、もちろん4WD。通常はフロント35%、リヤ65%というトルク配分で、走行状況に応じて電子制御でトルク配分を変化させるVTD-4WDシステムを採用していました。

 足まわりでは、前後ストラットのサスペンションに加え、後輪を操舵させる4WSシステムを採用。当時は4WSが流行しており、ホンダやトヨタ、日産、マツダ、三菱と各メーカーとも4WSを採用したクルマを数多く発売しており、フラッグシップであり、ある意味スバルテクノロジーのショーケースでもあったSVXに採用されたのも当然といえましょう。

スバル究極の1台のお値段は……

 ちなみにSVXのお値段ですが、バージョンEが333万3000円、バージョンLが399万5000円という価格で販売されました。SVXのライバル的な存在だった三菱GTOが333万5000円~398万5000円、日産フェアレディZ(Z32)が330万円~440万円、ホンダ・レジェンドクーペが385万円~455万円、マツダ・ユーノスコスモが333万円~531万5000円、トヨタ・ソアラ(30)が326万9000円~745万円という設定でしたから、まさにスペシャリティクーペのど真ん中という価格帯でした。

 このようにスバルのフラッグシップとして全力を投じて送り出されたアルシオーネSVXですが、正直セールス的には苦戦してしまいました。折しもバブル崩壊で高価格帯のクルマを買う余裕が減っていったことも大きな要因だと思われます。結果的に後継モデルが作られることはなく、一代限りでその歴史を閉じてしまいましたが、その輝きは今もなお魅力に溢れています。

「アルシオーネSVXのすべて」が電子書籍で読めます!

 さて、アルシオーネSVXをもっと知りたい! という方にオススメしたいのが、SVX発表当時に発売された、「アルシオーネSVXのすべて」の電子書籍です。ロードインプレッションはもちろん、メカニズムやデザインインタビュー、使い勝手と、SVXのことを最も掘り下げた1冊といえるでしょう。
 
 こちらは会員登録が必要ですが、三栄書房のASB電子雑誌書店で購入できます。お値段は450円。

ちなみにAmazonのkindleでも読むことができますが、こちらは540円となっています。

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