2024年シーズンで2回目の開催を迎えたシカゴ市街地コースでの2024年NASCARカップシリーズ第20戦『グラントパーク165』を前に、現地土曜午前にもシリーズ主導で製作されたEVプロトタイプカーが初公開に。世界的電力関連企業グループであるABBとの提携も発表し、同社がシリーズ最初の公式“IMPACT”パートナーに就任すると同時に、電動コンセプトモデル『ABB NASCAR EVプロトタイプ』がお披露目されている。
現在カップシリーズに参戦するゼネラルモーターズ(GM/シボレー)とフォード(フォード・パフォーマンス)、そして北米トヨタ(TRD U.S.A.)の3社も開発に関与し、NASCARとその技術パートナーが集結して製作が進められてきた同車は、現行Next-Gen規定車両やル・マン24時間参戦用の“ガレージ56”プロジェクトも担当したメンバーが開発の中軸を担い、その車体には改造されたNext-Gen規定シャシーが活用されている。
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「このシカゴストリートレースの現地にて、シリーズが掲げた“IMPACT”の最初のパートナーとしてABBを迎え、同時に『ABB NASCAR EVプロトタイプ』を発表できることを光栄に思う」と語るのは、NASCARのシニアバイスプレジデント兼チーフIMPACTオフィサーに就任するエリック・ナイキスト。
「ABBは業界のリーダーであり、今後10年間でネットゼロの運営排出量達成を目指すなかで、当社の脱炭素化の取り組みを支援してくれるはずだ」
このEV開発は2022年の夏頃から本格化し、テストドライバーをベテランのデビッド・レーガンが務めている。車体には、特別設計のグッドイヤータイヤに直接パワーを供給するSTARD製UHPの6相モーターを3基搭載。フロント1基、リヤ2基の配置で全輪駆動とし、78kWhの液冷式バッテリーを含めた調整可能なパワートレインは、ピーク時に約1000kW(約1360PS)を発生するという。
シリーズとして「2035年までに、コアオペレーション全体でカーボンフットプリントをゼロにしたい」との目標を掲げているNASCARは、電化と革新的なソリューションを導入すべくABBとの提携に踏み切った。
「ABBは電化と自動化の技術的リーダーであり、世界中のカスタマーの運営最適化、電化、脱炭素化を支援してきた」と語るのは、ABBのエグゼクティブバイスプレジデントを務めるラルフ・ドナーティ。
「NASCARとABBの北米部門、そしてNASCARの業界全体が協力する真の目的は、EVレースから長距離輸送、施設運営まで、電動化技術の限界を押し広げることにあるんだ」
■内燃機関からの転換や、新しいEVシリーズ展開の予定は?
バージニア州にある1周0.526マイルのマーティンズビル・スピードウェイを中心に、ショートオーバルやロードコースでの最適化を狙ったテストが続けられて来たというEVストックカーのプロトタイプは、その走行感覚の面でやはり「奇妙な印象をもたらす」クルマだという。
「マーティンズビルはエンジンの感触と音に大きく左右されるトラックで、回転数や音の減速度から、どのくらいの速度で走っているかがわかるんだ」と、NASCARの3大ナショナルシリーズで600戦近い経験を誇る開発担当のレーガン。
「コーナーを抜けて壁に近づくと、右側が見えなくても音の変化(反響)で距離が知れる。側面から出るエキゾーストが壁に跳ね返り、回転数と速度、さらにウォールへの距離を体感できる。でもこのクルマはそれがない。だから直線ではもっと意識して、レーストラック全体を使うようにしなければならなかったよ」
このABB NASCAR EVプロトタイプの全長は現行カップカーに対し約8インチ(約20cm)短く、重量は500ポンド(約230kg)ほど重い仕上がりとなっている。
「それでも回生機能については驚異的だ。減速度を非常にアグレッシブに調整して、ブレーキをほとんど踏まなくても瞬時に停止するようにできるから、これに慣れるのは大変だった。これまでは少し速すぎた場合、左足でペダルを踏む巧妙さで進入速度や姿勢を導いて来たが、その点は少し難しくなるだろう」と続けたレーガン。
「ノイズがないからタイヤのスキール音や振動など、これまでステアリングやシートから感じていたものが、文字どおり“聞こえる”んだ。だから頭の中では、聞こえたものと感じたものが『違うのでは……』と考え始める。だから、優れたドライバーであるためのスイートスポットとエッジを見つけるのに、少し苦労するかもしれない。そこが優れているのがトップの連中たる所以だけどね」
本来、NASCARはこのEVプロトタイプを2月初旬の『Busch Light Clash at L.A. Coliseum』の時期にデビューさせる予定だったが、週末のイベントが悪天候のため極端に短縮されたことから、初披露を見送る判断を下していた。
将来的に「そのアイデア(電動化)を完全に否定するわけではない」としつつ、現在のところNASCARは、このEVプロトタイプが現行Next-Gen規定カップカーや内燃機関に取って代わるものではなく、また新しいシリーズの計画もないと強調し続けている。
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