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消えちゃいけないオデッセイが5代目にして消滅! ミニバン市場をけん引した偉大なる1台の歴史とは

掲載 更新 45
消えちゃいけないオデッセイが5代目にして消滅! ミニバン市場をけん引した偉大なる1台の歴史とは

 この記事をまとめると

■ホンダ「オデッセイ」をプレイバック!

ミニバン市場に異変! バカ売れだった「ノアヴォク・セレナ・ステップワゴン」が売れないワケ

■初代から「走れるミニバン」として大人気だった

■5代目となる最新モデルは2021年で生産が終了した

「クリエイティブムーバー」の切込隊長として大ヒット!

 日本の多人数乗車、ミニバンブームをけん引してきたホンダ・オデッセイ(冒険旅行の意味)が、ついに2021年12月、生産を終える。筆者自身、2代目オデッセイアブソルートV6を所有し、10年以上、乗り続けてきた経験があるのだが、ここではオデッセイの歴史を振り返ってみたい。

 初代オデッセイは、1994年、ホンダ・クリエイティブムーバーの第一弾、家族の幸せをテーマとしてデビュー(その後、CR-V/1995、ステップワゴン/1996、S-MX/1996と続いた)。当時の純ホンダ車にはRV系の車種がなく、そこを補う意味での登場だった。とはいえ、背の高いRV用、あるいはスライドドア車に対応する生産ラインを持っていなかったため、狭山のアコード用生産ラインを使うことになり、そこで全高が決まったという話はあまりにも有名だ。

 結果、ミニバンとしての室内高を確保するため、現在のホンダ車では当たり前の低床パッケージが苦心の末、生まれたのである。初代のボディサイズは全長4750×全幅1770×全高1645-1660mmであった。また、当初、シートレイアウトは2-2-2席の6人乗りが基本で、2列目ベンチシートを追加したことで一気にブレイク。実際、70%が2列目ベンチシートで売れていたという。室内高は子供が車内で立って歩ける1200mmが絶対条件だったという。

 そして、当時としては画期的な3列目席を床下にスマートに格納するパッケージングも、初代オデッセイが確立したのである。理由は簡単、シートだらけの車内はカッコ悪い、そんな発想だったという。

 初代のパワートレインは2.2リッター直4、2.3リッター直4、そして3リッターV6を揃え、なんと走りにこだわるあまり、サスペンションは前後ダブルウイッシュボーンが奢られていたのである。つまり、単なるファミリーミニバン、多人数乗車としてだけでなく、走り好きのパパも納得できる走行性能を持っていたことになる。以降、日本の国民車的ヒット作となり、生産は1999年まで続けられ、2代目に引き継がれることになる。初代の販売台数は43万台以上であった。

 1999年12月にフルモデルチェンジされた2代目オデッセイは、エクステリアデザイン的にはキャリーオーバー。パワートレインも初代後期の2.3リッター直4、3リッターV6の構成のままだが、シフトレバーをコラム式からインパネに移されたゲート式(Sマチック)となり、とくに走りに重点を置いた大改良が施されたモデルと言っていい。それを象徴するのが2001年11月のマイナーチェンジを機に追加された、今ではオデッセイのメイングレードと言えるアブソルートである。

 アブソルートはローダウンサスペンションと17インチタイヤを装着した、まさにミニバンのスポーツモデルという位置づけであり、実際、その欧州車にも匹敵する走りの質感、上質かつスポーティなフットワークテイスト、そしてV6エンジンの気持ち良さとパワーに感動し、筆者もパールホワイトのV6モデルを即買いしたぐらいである。ボディサイズは全長4770-4835×全幅1795-1800×全高1630-1655mmであった。3列目席をクルリと回転させて床下にスッキリ収納できる技は健在で、わが家の家族構成が変わっても、愛犬も乗車しやすく、車中泊も可能な大容量ワゴンとして活躍し、自身の愛車歴の中で、もっとも長い年月をともにした1台でもあった。2代目オデッセイの販売台数は約27万台超であった。

 2003年、オデッセイは大変革を遂げる。そう、3代目は新開発低床プラットフォームによって、FFで立体駐車場への入庫が可能な全高1550mmを実現した低全高ミニバンへと生まれ変わったのである。が、ホンダはただ立体駐車場に入る全高を目的としたわけではない。本当の狙いは、スポーティなエクステリアデザインの実現と、何と言っても低重心による走りの進化だった。

 当時、このコンセプトは、筆者のように、ミニバンは背が高く、見晴らし視界があり、室内高にも余裕があるべき、と唱えるユーザーがいた一方、スポーティな多人数乗車を望むユーザーには大ウケ。とくにアブソルートの走りの良さ、運動性能は、ミニバンの皮をかぶったスポーティカーと称されるぐらいだったのだ。

 パワーユニットはアコードと共通のK24A型、2.4リッターのみとなった。しかし、標準車の160馬力とアブソルート用の200馬力のふたつのチューニングがあったのが大きな特徴だ。ボディサイズは全長2830×全幅1800×全高1550mm。販売台数は25万台超であった。現存するもっとも多い、ファンが手放さずにいるオデッセイがこの3代目だそうだ。

 5代目でオデッセイ終了。買うなら今が最後のチャンスだ!

 2008年に登場した4代目オデッセイもまた、3代目同様の低全高パッケージを引き継いだ新型だった。内外装の質感は劇的に向上し、車両の安定性を高めるモーションアダプティブEPSやマルチビューカメラなどを新搭載。エコモードボタンとなるECONボタンがオデッセイに採用されたのもこの4代目からである。

 低全高ゆえ室内高は先代同様の1200mmながら、室内長の拡大によって3列目席足もと空間の余裕が増し、低全高ミニバンでありながら、さらなる走りの良さとミニバンらしい居住性を両立。ちょっと残念だったのは、アブソルートの2.4リッターエンジン+5速ATのパワーを高めるため、アブソルートのみハイオクガソリン指定になったこと。

 とはいえ、この頃にはボックス型×両側スライドドアミニバンの台頭で、オデッセイのような低全高×リヤヒンジ式ドアのミニバンの人気は一気に下降。販売台数的には3代目の3分の1にも満たない7万台ちょっととなり、次なる一手が不可欠となった。

 そして2013年、いよいよ本年12月にホンダの狭山工場の閉鎖とともに生産を終え、いったん、オデッセイの歴史が終焉することになる5代目の現行型に引き継がれることになる。最大のトピックはオデッセイ初の両側スライドドアを採用したこと。ボディサイズは全長4855×全幅1800-1820×全高1695-1925mmと、やっとミニバンらしい全高を手に入れたことになり、室内高も1300mmを確保。国内ではホンダの最上級ミニバンとして君臨する……はずだった。

 2代目までのオデッセイを知るファンにとっては、ミニバンらしい全高を持った両側スライドドアモデルとして一定の評価を得たものの、現存率がもっとも高いという3代目のスポーツオデッセイファンにとっては、高全高とスライドドアが”オデッセイらしくなく”許せないという声もあったはずである。

 しかも、人気の中心となるはずのアブソルートの初期型は、レギュラーガソリン化されたとはいえ、あまりにも走りを追求しすぎて、とくに後席の乗り心地が硬すぎ、ファミリーユースには厳しい、硬派すぎるミニバンだったことから、販売は低迷。後期型は乗り心地が改善されたものの、ステップワゴンやフリード人気に株を奪われ、最終的にはアブソルートのみのグレード展開に絞られ(だから価格も高騰)、2021年12月、1994年から続いた、ホンダ・オデッセイの長い長い、27年に渡る冒険旅行が終わりを告げることになる。

 が、5代目は内外装の高級感はもとより(特に後期型)、G-design Shift、ZFザックス製振幅感応型ダンパー、液封コンプライアンスブッシュといった走りにかかわる贅沢なアイテムがふんだんに採用され、先進運転支援機能=ホンダセンシングも充実。3列目席を床下にフラットに格納すれば、例によって大容量ワゴンとして使えるなど、走って、使ってみればわかるホンダらしいミニバンに仕上がっているのである。もし、今、ギリギリのタイミングで買えるとすれば、最終型の熟成されたホンダ渾身の上級ミニバンが手に入ることになる。

 とはいえこの先、日本国内でオデッセイが再登場する可能性はないとは言えない。ホンダの今では懐かしい響きのクリエイティブムーバーの火を消さないためにも、あるいは国産ミニバンのビッグネームの伝統を守るためにも、ぜひとも我々を驚かせるような姿で復活してほしいと願う。もちろん、打倒アルファード、これから未来につなぐ電動オデッセイということで!!

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みんなのコメント

45件
  • コンセプトがコロコロ変わったら売れる訳ない。しかも現行モデルは大した車でもないのに異様に高いから誰も見向きもしなくなっただけ。
  • 軽しか売れなくてかわいそう
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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