現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 驚くほど曲がるプレミアムセダンがあってもいいではないか!──ホンダ レジェンドを箱根で楽しむ

ここから本文です

驚くほど曲がるプレミアムセダンがあってもいいではないか!──ホンダ レジェンドを箱根で楽しむ

掲載 更新
驚くほど曲がるプレミアムセダンがあってもいいではないか!──ホンダ レジェンドを箱根で楽しむ

最近、ホンダが冴えていると思う。2017年登場の新型「シビック」にはじまり、2018年秋に日本に上陸したSUVの新型「CR-V」も、同年秋にマイナーチェンジしたスーパースポーツ「NSX」も、どれも印象的な出来映えだ。全長5030mmの大型セダン「レジェンド」も例外ではない。

5代目になる現行モデルが登場したのは2015年だった。3.5リッターV型6気筒ガソリンエンジンに電気モーターをあわせて使った4輪駆動システム「SPORT HYBRID SH-AWD」が最大の特徴だ。

3度目の正直なるか? ハイブリッドセダンでリベンジ──ホンダ新型インサイト登場!

基本は前輪駆動ベースのパラレル式ハイブリッド。フロントにはモーターがひとつ載せられ、スタート時や加速時などにトルクやパワーを上乗せする。そしてリアは、左右の後輪を別々に駆動できるふたつのモーターを搭載するホンダ独自のシステムだ。

ホンダの開発者の考えは「モーターの大トルクなどを積極的に使い、かつ4輪それぞれの制御を緻密にし、曲がりのいいハンドリングを大型セダンでも実現する」といったものだ。しかし登場初期のモデルは、駆動モーターの制御にやりすぎ感もあって、ハンドリングに違和感があったのはいなめなかった。

そこで2018年2月、ホンダはレジェンドに大きく手を入れた。新型について「これまで以上にドライバーが『意のまま』と、感じられるようなクルマとの一体感」を、実現したとうたう。

はたして乗ってみると、たしかに従来と違うハンドリングだ。”スポーティ”ではあるものの、実に”ナチュラル”な制御である。都心から高速道路を通り箱根を走ったが、あらゆるシチュエーションで気持ちのいい走りを味わえた。

とりわけ箱根のワインディングロードは気持ちよかった。カーブを曲がるとき、車両の挙動に無理がなくなり、ステアリングの切れのよさが際立った。大型のボディを操縦している感覚がない。上りでも下りでもニュートラルな特性で、かつ力はたっぷり、ブレーキもよく効く。

このクラスのセダンで、どれだけコーナリング性能を重視するかは難しいと思う。しかしドイツの、とりわけメルセデス・ベンツのEクラスやSクラス、BMWの5シリーズや7シリーズはコーナリング性能でも秀逸ぶりを発揮する。だから、おろそかに出来ない性能であると思うし、極めるのも納得がいく。

グローバル市場を視野に入れた場合、昨今、プレミアムセダンもスポーティな味付けが好まれる傾向が強い。エンジンはよりパワフルに、そして操舵はシャープになり、足まわりも、これまでだったら”硬い”と表現したくなる乗り味すらより一般的になってきている。

セダンでも同様の傾向を求めるのは、とりわけ米国や中国からの要望が強いからだ。走りの気持ちよさを1番に狙った感のあるレジェンドは、そのニーズを当初から意識していたのではないか、といったようにも思える。

今回のマイナーチェンジではさらに、ボディ骨格における接着剤の塗布面積を増やした。これにより、強度とともにしなやかさも増したという。この点でも進化が見られる。

モーターを走りのために積極的に使うのは、大型セダンではユニークなアイディアで、そこがホンダらしい。それゆえ私などは、頭で理解して好きになってしまうが、今回のレジェンドは「SPORT HYBRID SH-AWD」システムの作動がわかりにくくなっているので、理解した内容は体感しづらい。が、そのほうがナチュラルなフィーリングで、前述のとおり気持ちいい。

ドライバーが違和感をもたないように、つまりあまりそれと分からないような制御になった点を、”進化”と評価すべきなのかちょっと迷うところであるが、さりとて技術の新奇さばかり誇示していてもしょうがないと思う。なにより気持ちよさの点で言えば断然、新型が上だ。レジェンドはこれで”おとな”になったといえばいいのかもしれない。

モーターと自然吸気エンジンの組み合わせは力強い。アクセルペダルと連動し、ドライバーが楽しく感じるような力の盛り上がりかたに、うまく照準を合わせてある。ファインチューニングの成果だ。また、市街地や高速では、トルクの出かたが気持ちよい。

ワインディングロードで速度をあげていくと、ヤンチャぶりを好む開発者のテイストが残っているせいか、ボディがはねるのをダンパーが抑えきれていないように感じた。ひとりで飛ばすならそれでも問題ないけれど、ゴルフなどに行ってリアシートにひとを乗せるのであれば、ジェントルな運転を心がけたほうがいいだろう。

あとはインテリアの趣味性だ。空間的な余裕はたっぷりあるし、センターから左右対象になったダッシュボードのテーマも、それなりにスポーティであると思う。が、707万4000円のプライスタグをつけたホンダ最高峰セダンとして、もっと“イズム”を感じさせる造型を採用してもよかったかもしれない。走りの面で、かなり挑戦的なメカニズムを採用したのだから。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
破格の約90万円!! ダイハツ・[コペン]は今こそ買い時でしょ!
ベストカーWeb
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
[BEV]計画着々と進行中!? トヨタが福岡県に[BEV]電池工場を新設
ベストカーWeb
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
モリゾウがトヨタを激励。豊田スタジアム新コースでの“人力パワー”に観客から拍手/WRC写真日記
AUTOSPORT web
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
アストンマーティン・ヴァルキリーのデビュー戦とふたりのドライバーが決定。IMSAはデイトナを欠場へ
AUTOSPORT web
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
「エニカ(Anyca)」サービス終了…カーシェアはどこへ向かうのか?
ベストカーWeb
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
オジエが豊田スタジアムステージの苦手意識を明かす「僕たちはいつも遅い」/ラリージャパン デイ1コメント
AUTOSPORT web
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
オヤジむせび泣き案件!! ホンダの[デートカー]が帰ってくるぞ!! 新型[プレリュード]は究極のハイブリッドスポーツだ!!!!!!!!!
ベストカーWeb
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

707.41100.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

27.5503.0万円

中古車を検索
レジェンドの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

707.41100.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

27.5503.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村