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旧型と現行で異なる魅力 元祖武骨SUV ジープラングラーの中古車選び指南

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旧型と現行で異なる魅力 元祖武骨SUV ジープラングラーの中古車選び指南

 空前のSUVブームにおいて、都会的な洗練されたSUVが人気になっているいっぽうで、その真逆のかつてクロカンと呼ばれたSUVが憧れの存在となっている。

 エクステリアはお世辞にも洗練されているとは言えないが、武骨さと力強さが人々を惹きつけ、半ば所有することがステータスになっている感がある。

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 日本で販売絶好調のジープにおいては、ジープブランドの原点と言えるラングラーの人気は絶大で、欲しいという人が続出している。

 本企画では、ジープブランドを中古車で購入する場合に最も買い得感やメリットがあると言われているラングラーの中古車について考察していく。

文/萩原文博、写真:FCA、MERCEDES BENZ、池之平昌信

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SUVブーム真っ盛りで販売も好調!!

武骨なクロカン系SUVが人気で、スズキジムニー&ジムニーシエラはデビュー後2年が経過するが、いまだに長い納車待ちが続いている

 トヨタハリアー、ヤリスクロス、日産キックス、マツダMX-30といったように2020年に登場したニューモデルの顔ぶれを見ても、SUV隆盛なことがわかる。

 2020年9月の登録車の新車販売台数上位20台を見ても、6台はSUVなのだ。しかし、このSUVでも潮流が変わろうとしている。

 SUVの中でも特に人気が集中しているが、かつてのクロカン4WDを彷彿させるタフギア系の外観デザインを採用しているモデルだ。

 国産車ではスズキジムニー/ジムニーシエラをはじめ、ダイハツタフト、トヨタライズ/ダイハツロッキー、トヨタRAV4などが該当する。

 またこの傾向は輸入車のほうがより顕著で、メルセデスベンツGクラスやジープラングラーは安定した人気を誇っている。

 曲線を多用したSUVが主流となる中で、直線を多用し無骨なデザインを採用したモデルに脚光が集まっているのである。

メルセデスベンツGクラスの人気は異常レベル。新車価格は軽く1000万円を超えるにもかかわらず飛ぶように売れて、納期はかなり長い

ジープブランドの販売の約40%がラングラー

ジープブランドの原点とも言うべきモデルがラングラーで、古きよき伝統を受け継いでいる武骨でタフな雰囲気はほかでは出せない

 このような傾向の中で特に注目なのがジープラングラーだ。

 ラングラーは現在のジープブランドの車種の中で、1955年に登場したジープCJ-5のデザインを色濃く継承したモデルだ。

 特に、ヘッドライトの内側が7スロットグリルにまで食い込んだデザインや、台形のフロントフェイシアは、DNAを強く感じる。

 ジープブランドをはじめ、フィアットやアルファロメオ、アバルトの計4ブランドを扱っているFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)ジャパンは2019年の日本市場での販売台数は対前年比9.9%増の2万4666台だった。

 しかも2016年以降4年連続で過去最高を更新しているのである。この好調の牽引役となっているのがジープブランドなのだ。

 なんと2019年のジープブランドは対前年比16.3%増の1万3360台で、実にFCAジャパンの販売台数の54.1%を占めているのである。

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 このジープブランドの躍進の原動力となっているのが2018年にフルモデルチェンジを行ったラングラー。2019年のジープブランドの販売台数のうち約40%がラングラーとなっているのだ。

 タフギア感満載のラングラーだが、実は都会でもよく見るケースが多く、人気の高さをうかがえる。そこで、今回はジープブランドのコアモデルであるラングラーの最新中古車事情に迫ってみる。

圧倒的にタマ数の多いラングラーは中古車もお得

どんなところも走ることができるタフな走行性能もラングラーの大きな魅力。画像を見ているだけで欲しくなった人も多いのでは?

 新車販売台数でもブランドの中で最も多いラングラーだが、中古車市場でも同様だ。

 現在ジープブランドの中古車は約1360台流通しているが、ラングラーは約510台と最も多い。

 続いては約270台のグランドチェロキー、約189台のレネゲート、約163台のコンパスと続き、チェロキーは約158台となっている。

 約510台流通しているラングラーの中古車だが、最も多いのは2007年~2018年まで販売された旧型モデルの約314台。

 そして続いて多いのはフルモデルチェンジして2018年から販売されている現行型の約98台だ。それでは、流通台数の多い旧型と現行型に絞って中古車市場を解説する。

視認性に優れたインパネ、細々せずにスイッチ類、ダイヤル類も大きいので操作性に優れている。現行ラングラーの室内は機能美を感じさせる

旧型は値上がりが現在進行形

 まず、最も流通台数の多い旧型から。

 現在の流通台数は約314台となっているが、3カ月前の2020年8月時点では約420台流通していたので、減少傾向となっている。

 それでも300台を切った9月末からは増加傾向に転じているので今後の動きには注視していきたい。

旧型ラングラーは7スロットグリル部分が現行に比べてフラットなこともあり、レトロな感じを醸し出している。この顔が好きな人も多い

 流通している中古車の平均走行距離は約3.5万kmだった3カ月前から現在は約3.7万kmまで延びているにもかかわらず、平均価格は3カ月前の約322万円から現在は約348万円へと値上がりしている。

 旧型ラングラーの平均価格の推移を1年という長いスパンで見てみると、2019年11月の平均価格は約355万円で、その後は順調に値落ちし、2020年6月に底値となる約313万円まで値落ちが進んだ。

 しかしその後は値上がり傾向へと変わり、約349万円まで値を戻しており値上がりは現在進行形となっている。

旧型は中古車価格の幅が広い

 旧型ラングラーの中古車のグレード構成は、約123台で最も多いのが、最高出力284psを発生する3.6L 、V6エンジンを搭載した5ドアのエントリーグレードのアンリミテッドスポーツ。

 続いては約101台の上級グレード、アンリミテッドサハラ。そして約16台の3ドアのサハラとなっている。

 旧型ラングラーの中古車は圧倒的に利便性の高い5ドアのアンリミテッドが中心だ。価格帯は約125万~約798万円で、高価格帯には最もハードなモデル、ルビコンやカスタマイズ済の中古車が多く並んでいる。

旧型ラングラーにも3ドアと5ドアが設定されていたが、人気は使い勝手に優れている5ドアモデルとなっている。これは現行も同じ傾向

旧型ラングラーの中古車最新情報

新型の中古車のタマ数は増加傾向

オレンジのボディカラーが斬新なアンリミテッドサハラ。そのほかレッド、イエローなどヴィヴィッドなカラーも似合う

 いっぽう、2018年に登場した現行型ラングラーの中古車の流通台数は3カ月前の約85台から現在は98台へと増加傾向となっている。

 流通している中古車の平均走行距離は3カ月前の約1000kmから約2000kmへと延びているものの、平均価格は約582万円から約587万円へとわずかに値上がり傾向となっている。

 現行モデルの平均価格を1年スパンで見てみると、2019年11月当時は約570万円で、その後は値落ちが進み2020年5月には当面の底値となる約530万円を記録した。しかし、その後中古車相場は反発し一気に現在の約587万円まで上昇してしまった。

 現行型、旧型ともに4月から5月ちょうど緊急事態宣言が発令され、ユーザーの動きが鈍くなっていた時が狙い目となっていたのだ。

3ドアのスポーツ、アンリミテッドサハラのファブリックシートモデルは受注生産

現行ラングラーの最新中古車情報

現行型中古車の割安感はないがすぐ乗れるが魅力

そのほかのジープブランドモデルの最新中古車情報

 現行型ラングラーの中古車のグレード構成を見てみると、最も多いのは5ドア、アンリミテッドルビコンというハードモデルの約21台。

 続いてもアンリミテッドサハラの約15台。そしてアンリミテッドスポーツの約11台と5ドアの3.6Lエンジン搭載車が上位を独占している状況だ。

 3ドアモデルや現行型から搭載された2Lエンジン車は流通しているものの台数はまだ少ない。

3ドアのスポーツは490万円と買い得感の高い新車価格だが、受注生産のため今後も中古市場に増える可能性が少ない希少モデル

 価格帯は約458万~約799万円とまだあまり割安感はない。

 その理由は流通している中古車の走行距離が少ないうえ、40kmという未登録車があるからだ。

 新車購入を検討していて、納期が長くなるならすぐに乗れる中古車という選択はアリだ。ボディカラーも黄色やオレンジ、緑といった多彩なカラーバリエーションが中古車でも選べるのは魅力と言える。

 100万円台の中古車が流通し、割安感は旧型ラングラーのほうが高い。しかし現行型は新車では納車まで時間が掛かるところが、中古車を選べばすぐに乗れるという魅力がある。

 ラングラーの中古車は旧型と現行型では異なる魅力があるということだ。

ラングラーは新車の新規が高いため、必然的に納期が長くなっている。中古車ならすぐに乗り出せるという魅力がある

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