多人数乗車を求める声に応えるマツダからの回答は、3列シートを持つクロスオーバーSUVだった。しかしこのCX-8、先に登場した弟分のCX-5と同じく、ことごとくSUVの匂いがしない。エクステリアも、インテリアも、そして走りも、まるで高級サルーンの如き立ち振る舞いなのだ。REPORT&PHOTO◎小泉建治(KOIZUMI Kenji)
生活感はゼロ! 妖艶すぎるインテリア
トヨタ・ポルテ/スペイドにお洒落な内外装の特別仕様車「ア・ラ・モード・ブラン」「クイーン3」登場!
もうミニバンは作らないと宣言したマツダ。一貫した流麗なデザイン、ダウンサイジングターボには手を出さない、ディーゼルは積極果敢に展開、MTを多くのモデルにラインナップ……など、本格的スポーツ路線を突っ走る同社のブランドイメージを明確にするためにも、ミニバンとの決別はとても理にかなった選択だと筆者も思う。だが、そうはいっても3列シートを望む声は少なからず市場にはあるわけで、それに応えるマツダからの回答がCX-8というわけだ。
しかしこのCX-8、SUVであり、なおかつ3列シートを持つくせに、ことごとく生活臭もしなければアウトドア臭もしない。まず外観だが、CX-5と同様に高級サルーンもしくは高級クーペのようなスカしたデザインで、これで未舗装路に足を踏み入れようなんて気はまず起きない。そしてドアを開ければ、眼前に広がるのは真っ白なレザーシート! 子供にポテトチップスでもボロボロこぼされたら発狂するよ私は。
でも、ファミリーカーなのにポテトチップスをこぼされたときのことなど考えず、躊躇なくホワイトレザーシートを設定してきたマツダの心意気に筆者は賛辞を送りたい。クルマでもマンションでもそうだが、ファミリー向けとなった瞬間、急に生活臭にあふれる残念な佇まいになってしまうのが我が国の常だ。でもCX-8なら、家族思いなんだけれどどこか危うさを感じさせる男(もしくは妻)を演じられる(演じるだけで十分満足です)。さすが「広島の欧州車」の異名を取るマツダである!
走りは、まんまスポーツサルーン!
そしてマツダのフラッグシップに
今回の試乗会が行われたのは横浜界隈で、ワインディングを楽しんだり、高速道路をガンガン走るようなシーンはナシ。それでもCX-8の方向性は十分に感じ取れた。それはつまり、SUVというよりも、サルーンの新しい形を模索した結果がこうなった、ということ。そんな感想を試乗後に企画設計部の方に伝えると、「まさにその通りですね」との答え。走りも、デザインも、これぞ次代のサルーンの形ですよ、などと知ったように講釈たれる筆者の言葉に「そうです、そうです」といちいち頷いてくださる。
ただ、あまりにサルーン的な面ばかりに言及し、SUVとしての資質に触れない筆者に違和感を覚えたのか、「でも、CX-8はマツダなりに『SUV』の理想形を徹底的に追求したクルマなんですよ」とクギを刺された。上質感を強調してくれるのはいいんだけれど、オフロード性能やユーティリティ性能を忘れてもらっては困る、というわけだ。
でもね、たとえばカタログを見たって、オフロードの写真なんて一点もありゃしない。全部、大都会の街中で、出てくるモデルはヒゲとメガネとスーツがキマリ過ぎのビジネスマン風ダテ男じゃありませんか。ちなみにこの大都会のロケ地、シカゴですよね? 自分、地理マニアですから。
「ただ、ウチには上級サルーンとしてアテンザがありますから。CX-8は、やはりファミリーユースやアウトドアユースも視野に入れたクロスオーバーSUVなんですよ」
では、御社の社長はどちらに乗られていらっしゃるのですか?
「……CX-8を……注文したと聞いております……」
ほらやっぱり。CX-8はマツダの社長車として使われるほどの高級サルーンなのである。
もちろん7人乗れるし(6人乗りもあり)、たっぷりとしたロードクリアランスのおかげで悪路走破性にも優れるだろう。でもCX-8なら、高級サルーンの代わりとしても十分に通用する。高い視点や乗り降りのしやすさは、SUVのほうが有利だったりもする。近い将来、こうしたSUVがクルマのフォーマルな形となり、サルーン(セダン)は一種の様式として残るだけとなっても筆者は驚かない。
Specifications
マツダCX-8 XD L-Package(2WD)
全長×全幅×全高:4900×1840×1730mm ホイールベース:2930mm 車両重量:1830kg エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ 排気量:2188cc ボア×ストローク:86.0×94.2mm 圧縮比:14.4 最高出力:190ps/4500rpm 最大トルク:450Nm/2000rpm JC08モード燃費:17.6km/L 車両価格:395万8200円
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
新車採用が「義務化」! でも後退時「バックモニター」だけで動くのは「危険すぎ」!? “カメラ”に映らない「死角」がヤバかった
「子供が熱を出したので障害者用スペースに停めたら、老夫婦に怒鳴られました。私が100%悪いですか?」質問に回答殺到!?「当たり前」「子供がいたら許されるの?」の声も…実際どちらが悪いのか
「財布を忘れて帰ろうとしたら、免許不携帯で捕まりました。今取りに帰るんですよ。私が悪いんですか?」質問に回答殺到!?「事実でしょ」「非常識」の声も…「うっかり」でも許されない理由とは
「ヘッドライトが“まぶしい”んですけど、どうにかならないですか?」 困惑の声多数! あなたの行為「違反」かも? 「ハイビーム」の“落とし穴”とは
アウディ製5気筒エンジン搭載、最後のドンカーブート『F22ファイナルファイブ』発表
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?