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三菱 デリカミニの4WDモデルだけに与えられた「デリカ魂」。砂利道も一般道も高速道路も、どこでも快適な軽自動車【試乗】

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三菱 デリカミニの4WDモデルだけに与えられた「デリカ魂」。砂利道も一般道も高速道路も、どこでも快適な軽自動車【試乗】

2023年5月25日に発売され、一般向け試乗会も始まっている三菱の軽自動車「デリカミニ」。展開されるグレードの中でも予約注文段階での人気がもっとも高い「Tプレミアム(DELICA MINI T Premium 4WD)」に、試乗することができた。

デリカミニの内外装デザインについてはこちら

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アッパーグレード、そして4WDに人気が集中
三菱 デリカにはじめてできた弟、軽自動車でスーパーハイトワゴンで、そしてSUVである「デリカミニ」。予約受付を開始した2023年1月13日から発売前日の5月24日までに、約1万6000台もの注文があったという。

予約注文の内訳を覗いてみると、ステアリングヒーターや電動両側スライドドア、先進運転支援システム(ADAS)マイパイロットなど、標準装備を充実させた「プレミアム」系グレードが90%を占めている。レーダークルーズコントロールの需要が高いことや、13~20万円という価格差もプレミアム人気を押し上げた要因ではないだろうか。

そしてもうひとつ、デリカ兄弟らしい特徴と言えるのが駆動方式の比率だ。三菱のeKシリーズを含めて一般的な軽自動車は2WD:70%、4WD:30%で構成されるが、デリカミニにいたっては約60%が4WDなのだ。三菱らしい力強いデザインと広い室内空間などというコンセプトが、アウトドアレジャーを趣味とするアクティブなヤングファミリーに刺さったと考えられるが、4WD比率を高めた理由はまだあるという。

タイヤの外径を大きくしたことのメリット
それが4WD専用チューンであり、販売現場でのアピールポイントになっているのだ。

三菱にはノックダウン生産したジープに始まって、ラリーで活躍したコルトやランサー、パジェロ、デリカなどとオフロードの系譜が脈々と続いており、こうした技術やブランド力は現代において三菱らしい個性や付加価値として息づいている。この技術を活かしてデリカミニのブランド力をより個性的な方向へ高めるため、4WDモデルに専用のセッティングを施されたのだ。

プロペラシャフトを介した4WDモデルはリアデファレンシャルを搭載するため一般的に全高を高く設定される。デリカミニも同様に、主要諸元で全高を見てみると4WDモデルは1830mmで、2WDモデルより30mm高いことになっているが、この差のうち10mm(実際には8mm)はタイヤの大径化によるものだ。

プレミアムグレードで比較すると、ホイールサイズは15インチで同じだがタイヤの扁平率を高めて165/60R15(2WDは165/55R15)とすることでタイヤは分厚くなり、クッション性が増して乗り心地良く、さらに接地面積も前後方向へ若干拡大してオン・オフロードでの走行性能は高まる。

今回の試乗したのはこの4WDで、走り出してすぐ快適性の高さは実感できる。舗装路では路面の凹凸を踏んだときの突き上げ感が柔らかに感じられるだけではなく、振動とともに伝わってくるドッと」いう音もタイヤの減衰力に吸収されて静粛性も高まっているようだ。

オンロードではゆったりと気持ちよく走る
そして、もうひとつの4WD専用チューンが前後4本のショックアブソーバーだ。

三菱の岡崎製作所にあるクロスカントリー路をはじめとする荒れた路面・未舗装のテストコースで開発を進められ、荒れた路面での快適性と、そしてオフロードでの路面追従性と走行安定性を高めるセッティングを行われてきた。

4WDモデル専用に与えられたのはこのふたつ、いずれも足まわりの柔軟性を高める設定でその恩恵を感じられるシーンは砂利道や草地などオフロードの方が多いだろう。悪路でタイヤが空転した時、ブレーキ制御で駆動力を空転していないタイヤに伝えるグリップコントロール機能を標準装備(FF/4WD)していることもあって、頼もしさ・安心感は高い。

もちろん街中を走っていても、一般道からスーパーの駐車場へ進入するときの段差、橋の継ぎ目、わだちなど、快適性を感じられるシーンは多くある。

とくにコーナリング中にわだちを乗り越えると車体を左右に揺さぶられて不安感を感じることもあるが、今回の試乗コースで似たようなシーンに出くわしても安定感の高さを示してくれた。全高の高さゆえの揺れはあるが、これをすぐに収束させてフラットな体勢に整えてくれるのだ。

驚かされた、ストレスフリーな高速道路での巡行運転
今回、高速道路をからめた試乗ルートを引いて、ETCゲートから合流(20km→80km/h加速)を試してもターボ付き659ccエンジンが発生する64ps/100Nmのパワーは十分すぎる・・・余裕ある加速性能を示す。

それ以上に驚かされたのはスーパーハイトワゴンとは思えない直進安定性の高さで、これを支えるシステムが4WDだ。基本構造はオンデマンド方式としているが、前後輪にわずかな回転速度差を設定することで後輪に駆動力を常時配分するフルタイム4WDなのだという。前述したわだちでの安心感も、この駆動方式を採用しているからこそ得られた性能なのだろう。

プレミアム系に標準装備されるADAS、カメラとミリ波レーダーを組み合わせたマイパイロットのACC(アダプティブクルーズコントロール)を起動させれば、高速道路での巡行も楽ちん。車線維持支援機能のハンドルアシストもスムーズで違和感を感じない。ターボエンジンのパワー感と直進安定性の高さ、ADASを標準装備するゆえ、長距離移動は苦にならない。

あえて個性を与えられたデリカミニの4WD。FFとの違いが気になるところ
予約注文の1万6000台のなかでも他ブランドからの乗り換えが多く、ホンダ N-BOXやダイハツ タントのような「スーパーハイトワゴン」、スズキ ハスラーのような「SUVタイプ」のユーザーが多いのだという。いずれにしても、デリカミニが「もうひと個性が欲しい」という需要に応えられるモデルだからこそ選ばれているのだろう。

予約注文は実車を見ずデザインや内装の機能を見て選択したことになる。販売店への試乗車配備が行われているいま、その乗り味や使い勝手などクルマとしての基本性能が、ユーザーにウケるかどうか、ここからの販売台数を押し上げるかどうかのカギを握る・・・のだが、これもきっと愚問なのだろう。デリカミニの快進撃は続きそうだ。

ちなみにタイトル写真に出ている公式キャラクター、ブルドッグでもアライグマでもなく、あくまで「デリカミニの化身」なのだという。名前も一般募集の中から「デリ丸。」に決定、ぬいぐるみをはじめとするグッズ販売も予定されている。

三菱 デリカミニ Tプレミアム 4WD 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1830mm
●ホイールベース:2495mm
●車両重量:1060kg
●エンジン型式・種類:BR06型・直3DOHCターボ+モーター
●排気量:659cc
●エンジン最高出力:47kW(64ps)/5600rpm
●エンジン最大トルク:100Nm/2400-4000rpm
●モーター最高出力:2.0kW(2.7ps)/1200rpm
●モーター最大トルク:40Nm/100rpm
●トランスミッション:CVT
●WLTCモード燃費:17.5km/L
●タイヤサイズ:165/60R15
●車両価格:223万8500円

[ アルバム : 三菱デリカミニ-試乗 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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