現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 約5500万円! ホンダ「NSX-R GT」が予想以上の落札価格。スプーンがレース参戦20周年を記念して製作したマシンでした

ここから本文です

約5500万円! ホンダ「NSX-R GT」が予想以上の落札価格。スプーンがレース参戦20周年を記念して製作したマシンでした

掲載 8
約5500万円! ホンダ「NSX-R GT」が予想以上の落札価格。スプーンがレース参戦20周年を記念して製作したマシンでした

落札価格は予想をはるかに超えたNSX-R GT

2024年2月29日、ボナムズが米国フロリダ州のアメリアで開催したオークションにおいてホンダ「NSX-R GT by Spoon」が出品されました。2008年のマカオ GP ロード スポーツ チャレンジに出場し、クラス3位でフィニッシュしています。今回落札された価格は、日本レースファンとしてもじつに誇らしいリザルトでした。

英国で広報車だったホンダ「NSX」に価値はあるのか? 整備は行き届いていても落札されなかったには理由がある!?

ホワイトボディから製作が進められたモデル

1989年に誕生した「NSX」は、ホンダ初のスーパースポーツであると同時に、日本を代表するスーパースポーツとして世界に大きな影響力を及ぼしたモデルだった。一般的な家庭用ハッチバックのような快適さとイージードライブを保ちながら、世界のライバルに十分に対抗し得るパフォーマンスを発揮する。このクラスに新たなスタンダードを打ち立てたことは、NSXの大きな偉業と評してもよいだろう。

NSXが開発のプロセスにあったとき、F1GPの世界はターボによるパワー戦争の最中にあった。しかし、ホンダはNSXのパワーユニットに3LのV型6気筒DOHC 24バルブの自然吸気を選択した。そもそもこのエンジンは、ホンダの最上級サルーン「レジェンド」用に開発された2.7L仕様がベースとなるものだが、排気量拡大のほかに可変吸気バルブシステムのVTECを採用したことなどで、最高出力は5速MT仕様で280psを発揮。最高速の268.8km/h、そして0-96km/h加速6秒以下という数字は、当時ホンダがライバルとして意識していたフェラーリの「328GTB」や、その後継車といえる「348tb」に匹敵するものだった。快適性や人間工学、ドライビング・ダイナミクス、またビルド・クオリティといった点で、NSXはまったく別の次元にあった。

だがホンダのパフォーマンスへの挑戦はそこでは終わらなかった。1992年にはエンジンをさらに高精度化し、軽量化を徹底した「タイプR」を発表。1997年にはエンジン排気量を3.2Lに拡大し、6速MTとの組み合わせも実現するなどの(AT車は3Lのまま生産が継続された)マイナーチェンジを実施。2002年には再びよりスパルタンな仕様の「NSX-R」を発売し、最終的には2005年まで初代NSXの生産は続いたのである。

車重は980キロという驚異的な数字を実現

今回ボナムズが米国で開催したアメリア・アイランド・オークションに出品されたNSX-Rは、2007年にホンダ・レーシングから直接購入されたホワイトボディから製作が進められたもので、それは日本のレーシングチーム、「スプーンスポーツ」のレース参戦20周年を記念して特別に製作されたモデルである。

スプーンスポーツ代表の市嶋 樹氏が東京を拠点に活動するスプーンスポーツは、ホンダ・ブランドに特化したモータースポーツのトップコンデンターであり、またチューナー界のアイコンでもある。その市嶋氏が2007年モデルのNSX-Rでレーシングカーを製作しようと考えるまでに、長い時間は必要なかった。

スプーンスポーツのカタログに掲載されているパーツをふんだんに使用し、初戦となったマカオGPでは自然吸気のまま参戦したが、その後3Lエンジンに換装しシングルターボを搭載して440psを発揮。軽量化と剛性アップも同時に進められ、車重は980kgという驚異的な数字を得るに至ったという。左右のドアやダッシュボードなどはすべて軽量なカーボンファイバー製。アジャスタブル式のコイルオーバー・サスペンションやエアロパーツは、もちろんすべてスプーンスポーツ製のものとなる。

スプーンレーシングのカラーリングが鮮やかなこのマシンを入手できるチャンスは、やはり限られているだろう。今回ボナムスが提示したエスティメート(推定落札価格)は24万ドル~28万ドル(邦貨換算約3580万円~4170万円)。

スプーンレーシングの名はすでに世界的に轟いており、その実力を反映してか落札価格は予想をはるかに超える、36万8000ドル(邦貨換算約5480万円)にまで高騰した。日本のレースファンとしても、これはじつに誇らしいリザルトといえるのではないか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

クシタニが2024-25FWガーメントを発売! 暖かさと運動性の高さを両立した防寒パンツ・ブーツ・グローブをラインナップ
クシタニが2024-25FWガーメントを発売! 暖かさと運動性の高さを両立した防寒パンツ・ブーツ・グローブをラインナップ
バイクのニュース
ミツオカ新型「M55」世界初公開に反響多数! MTのみ設定&“旧車”デザインに「良すぎる」の声! 青内装の「ゼロエディション」が話題に
ミツオカ新型「M55」世界初公開に反響多数! MTのみ設定&“旧車”デザインに「良すぎる」の声! 青内装の「ゼロエディション」が話題に
くるまのニュース
ついに昔の[ダイハツ]が蘇る!? [不祥事]以来変わった[社内の雰囲気]とは
ついに昔の[ダイハツ]が蘇る!? [不祥事]以来変わった[社内の雰囲気]とは
ベストカーWeb
ニューズウィーク誌が選ぶ「2025年最も期待される新型車」にベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」が選出されたもっともな理由…とは?
ニューズウィーク誌が選ぶ「2025年最も期待される新型車」にベントレー新型「コンチネンタルGTスピード」が選出されたもっともな理由…とは?
Auto Messe Web
フィアット125周年をイタリアが国をあげて祝福、2つの特別展示会をトリノで開催
フィアット125周年をイタリアが国をあげて祝福、2つの特別展示会をトリノで開催
Webモーターマガジン
「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】
「ランクル」兄弟で最もモダンな“250”に試乗! オンロードでもオフロードでも隙がない万能モデルだ。【試乗レビュー】
くるくら
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
「クルマの左寄せ」苦手な人が多い!? よく見えない「左側の車両感覚」をつかむ“カンタンな方法”がスゴい! JAFが推奨する“コツ”ってどんなもの?
くるまのニュース
文化を身近に。BMWが贈る特別イベントに名門ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が登場!
文化を身近に。BMWが贈る特別イベントに名門ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団が登場!
OPENERS
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
全長2.5mで新車100万円級! トヨタの「斬新2シーターモデル」がスゴイ! めちゃお手頃サイズなのに「必要にして十分」の“おふたりさま向けマシン”とは
くるまのニュース
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
アルピナの未来、26年「BMW傘下」でどう変わる? 高性能EV&Mモデルとの差別化を考える
Merkmal
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
高すぎるよぉ…! 価格が暴落したら買いたいスーパーカー3選
ベストカーWeb
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
男性が乗って女性にモテるクルマTOP5は? ChatGPTに聞いて出た「ホントかよ!」な答えとは!!
WEB CARTOP
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
悲喜交々のST-4。「複雑な気分」のENDLESS GR86と「逆に清々しい気持ち」で5連覇を逃した冨林勇佑
AUTOSPORT web
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
光岡、話題の55周年記念車『M55』を市販化、100台限定で808万5000円
レスポンス
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
「とりあえず増税ね」で50年!? 「世界一高い」自動車諸税&ガソリン税“見直し”正念場 “年収の壁”の向こうの璧
乗りものニュース
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
あれぇぇ!? [ノートオーラNISMO]と[シビックRS]を比較してみると意外な結果
ベストカーWeb
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
レゴ、F1全チームをテーマにした製品を2025年1月1日から販売開始。往年の名車ウイリアムズFW14Bなど“オトナ向け”製品も3月に発売
motorsport.com 日本版
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
ホンダが「凄い施設」を初公開! 夢の「全固体電池」実現に一歩前進!? パイロットラインを栃木で披露
くるまのニュース

みんなのコメント

8件
  • clu********
    安っ
  • tim********
    車両がレースで使ったままか各部OHしてあるかでも価格が変わるだろう。
    何の記載もない。ノーマルの3LnoNSX-Rですら距離少なければ5000千万以上してるよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索
NSXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2420.02794.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

600.05900.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村