現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【最新モデル試乗】BEV先進国から上陸したBYDドルフィンの驚くべきコストパフォーマンス

ここから本文です

【最新モデル試乗】BEV先進国から上陸したBYDドルフィンの驚くべきコストパフォーマンス

掲載 8
【最新モデル試乗】BEV先進国から上陸したBYDドルフィンの驚くべきコストパフォーマンス

注目の価格は363万円から、しかも65万円のCEV補助金対象車

 BEV分野で世界をリードする中国ブランド、BYDの第2弾となるドルフィンが上陸した。スリーサイズが全長×全幅×全高4290×1770×1550mmのコンパクトなBEVである。日本仕様はモーター出力70kW/航続距離400kmの標準仕様と、同150kW/476kmのロングレンジの2タイプ。気になる価格は標準仕様が363万円、ロングレンジは407万円。ともに65万円のCEV補助金対象車だから、リーズナブルに入手できる。かなり戦略的なバリュープライスだ。

電動車専門メーカーの日本導入第二弾、BYDドルフィンの試乗記。ドルフィンは日本でも扱いやすいコンパクトサイズのBEV。車高は一般的な立体駐車場に対応する1550mm。航続距離400kmの標準仕様と476kmのロングレンジを設定し、充実装備が魅力だ。注目の価格は363万円から407万円。65万円のCEV補助対象車に該当し、リーズナブルに入手可能である。岡本幸一郎氏がレポート。

 メイン試乗車は標準仕様。車名のとおりイルカをイメージしたエクステリアは、なかなか個性的だ。特徴的なボディサイドの強いキャラクターラインは、これを実現するために旧オギハラ(現在はBYD傘下)の金型技術を活用しているという。ヘッドライト間にガーニッシュが配されたことで、よりイルカっぽさが表現され、リアのLEDコンビネーションランプの意匠も印象的だ。

 車高は一般的な立体駐車場に対応する1550mm。本来は1570mmのところ、日本仕様は20mm低く設定した。ルーフ後端のアンテナの工夫で実現したもので、サスペンションには手が加えられていない。だから乗り心地への影響はない。

 インテリアもユニークである。海を感じさせるデザイン要素がちりばめられている。ダッシュ中央にある12.8インチの大画面ディスプレイは、ワンタッチで縦横を切り替えできる機能を内蔵。ウインカー作動音や、各種警告音は、いろいろな音色が選べるなど、遊び心も楽しい。シートの作りもよかった。聞いたとこではフランスのメーカーと共同開発したそうだ。上級のロングレンジなら、より個性的なカラーが選べる。室内は十分な居住空間が確保されていて、とくに後席の広さが印象的だ。

 安全機能を含め、装備は充実。生体に反応する幼児置き去り検知システムが標準装備されることも特筆できる。同じくドライバー注意喚起機能も充実している。走行セレクターは、ダイヤル式。視線を外すことなく操作できるようになっていた。輸入車ながらウインカーのレバーが右側にある配慮もポイントだ。

 走りの完成度は上々だった。速さは普通に乗るには十分。3段階のドライブモードが選べて、走り始めの加速の力強さが相応に変わるが、どれを選んでも出足は俊敏で心地いい。何より静かでスムーズ。BEVっていいな、と感じさせる乗り味である。
 乗り心地も悪くない。リアサスペンションがマルチリンク式のロングレンジに対し、メインで試乗したスタンダードはトーションビーム式になるが、意外や路面の凹凸や段差を通過しても衝撃があまり伝わってこない。快適にドライブできる仕上がりに驚いた。

 ドルフィンの本国デビューは2021年6月。すでにグローバル販売は43万台に達するという。そのぶん熟成も進んでいるようだ。各部の作りを含めて完成度は非常に高い。気のおけないパートナーとしてBEVライフを楽しませてくれそうだ。日本勢や欧州勢にとって少なからず脅威になりそうである。

BYDドルフィン 主要諸元

グレード=ドルフィン(標準仕様)
価格=未公表(9月中旬現在)
全長×全幅×全高=4290×1770×1550mm
ホイールベース=2700mm
トレッド=フロント:1530/リア:1530mm
車重=1520kg
モーター型式=交流同期電動機
モーター最大出力=70kW(95ps)/3714~14000rpm
モーター最大トルク=180Nm(18.4kgm)/0~3714rpm
一充電走行距離=400km(WLTCモード)
駆動用バッテリー=リン酸鉄リチウムイオン電池(ブレードバッテリー)
駆動用バッテリー総電力量=44.9kWh
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=205/55R16+アルミ
駆動方式=2WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.2m

関連タグ

こんな記事も読まれています

大ヒット予想!! マツダ[新型CX-5]が超絶進化! ハイブリッドモデル登場でしかも安いなら期待大!!
大ヒット予想!! マツダ[新型CX-5]が超絶進化! ハイブリッドモデル登場でしかも安いなら期待大!!
ベストカーWeb
3万7000台も売れたロールス・ロイス! 10年の予定が30年以上も貢献した「シルバーシャドウ」とは一体どんなクルマだった?
3万7000台も売れたロールス・ロイス! 10年の予定が30年以上も貢献した「シルバーシャドウ」とは一体どんなクルマだった?
Auto Messe Web
トヨタのラリー育成は4名全員がプログラム継続。3期生の松下、後藤はラリー3にステップアップ
トヨタのラリー育成は4名全員がプログラム継続。3期生の松下、後藤はラリー3にステップアップ
AUTOSPORT web
新生EVツーリングカーの2年目に向け、2025年STCCカレンダー発表。ヨーテボリ市街地を含む全5戦に
新生EVツーリングカーの2年目に向け、2025年STCCカレンダー発表。ヨーテボリ市街地を含む全5戦に
AUTOSPORT web
なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
なぜ「モータースポーツ新会社」設立? GRとは違う「TGR-D」誕生!? トヨタ会長が語る会社分割の狙いとは
くるまのニュース
エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持
エリーゼを「徹底」レストモッド! アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツへ試乗 ローバーKは維持
AUTOCAR JAPAN
ベントレーがストリート感漂う「PICANTE」とコラボしカプセルコレクションを発売! テーマは「旅」…懐メロも入ったプレイリストも公開中
ベントレーがストリート感漂う「PICANTE」とコラボしカプセルコレクションを発売! テーマは「旅」…懐メロも入ったプレイリストも公開中
Auto Messe Web
2025年のMotoE暫定カレンダーが発表。ハンガリー大会が新たに追加も年間7大会14レースに減少
2025年のMotoE暫定カレンダーが発表。ハンガリー大会が新たに追加も年間7大会14レースに減少
AUTOSPORT web
2025年ジャパンカップのエントリー受付がスタート。3月にはプレシーズンテストも開催へ
2025年ジャパンカップのエントリー受付がスタート。3月にはプレシーズンテストも開催へ
AUTOSPORT web
「早く月曜日になってくれ」勝田貴元が明かすシート喪失の重圧と、来季決定の瞬間/ラリージャパン
「早く月曜日になってくれ」勝田貴元が明かすシート喪失の重圧と、来季決定の瞬間/ラリージャパン
AUTOSPORT web
“エンジンルーム”に「謎のスピーカー」搭載!? なんのため? 新型「Gクラス」に備わるユニークな機能とは
“エンジンルーム”に「謎のスピーカー」搭載!? なんのため? 新型「Gクラス」に備わるユニークな機能とは
くるまのニュース
“オーバーフェンダー”が高性能車の証! メルセデスAMGのド迫力クーペ「CLE53」はサーキットも視野に入れた「生まれながらの武闘派」
“オーバーフェンダー”が高性能車の証! メルセデスAMGのド迫力クーペ「CLE53」はサーキットも視野に入れた「生まれながらの武闘派」
VAGUE
次期型BMW iX3 「ノイエ・クラッセ」初のモデル、試験生産開始 2025年投入
次期型BMW iX3 「ノイエ・クラッセ」初のモデル、試験生産開始 2025年投入
AUTOCAR JAPAN
ブガッティが家具ショップをオープン! タイムレスな芸術性の高いインテリアの名前に「シロン」!? ドバイのショールームを紹介します
ブガッティが家具ショップをオープン! タイムレスな芸術性の高いインテリアの名前に「シロン」!? ドバイのショールームを紹介します
Auto Messe Web
珍しい「高速道路に信号機!?」撤去へ 首都高「箱崎ロータリー」 12月で見納め
珍しい「高速道路に信号機!?」撤去へ 首都高「箱崎ロータリー」 12月で見納め
乗りものニュース
フィアット「500e」がイタリアのハイブランドとコラボ! “ジョルジオ・アルマーニ”エディションがLAショーで米国初公開
フィアット「500e」がイタリアのハイブランドとコラボ! “ジョルジオ・アルマーニ”エディションがLAショーで米国初公開
VAGUE
ポルシェが高級スキー板を開発!? レジェンドと共同開発、価格は約27万円
ポルシェが高級スキー板を開発!? レジェンドと共同開発、価格は約27万円
レスポンス
ヒュルケンベルグ、終盤の追い越しで8位「タイヤに苦労しつつ、最善の結果を出せた」重要な4点でハースは6位に浮上
ヒュルケンベルグ、終盤の追い越しで8位「タイヤに苦労しつつ、最善の結果を出せた」重要な4点でハースは6位に浮上
AUTOSPORT web

みんなのコメント

8件
  • yoshi
    補助金対象を国産車に限定すべきですね。
    各国そうしている。
    国益を守るため、自由貿易から保護貿易に変わってきた。
  • aib********
    ドライバーアシストやセーフティ機能がぎこちないんじゃ、外面とスペックで誤魔化してる感じね。
    戦狼外交やってる国の車なんて、撤退リスクとリセール暴落のリスクがあって、日本じゃ買う人いないでしょ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村