231psのV6から611psのV12まで
ロールス・ロイスは別枠といえるが、メルセデス・ベンツSクラスほど一目置かれるラグジュアリー・サルーンは他に存在しないだろう。特に第5世代となるW221型は、多くの要人に愛された。近年では、すっかり目にする機会が減ったけれど。
【画像】最新技術を投入 メルセデス・ベンツSクラス W221から現行のW223 マイバッハも 全115枚
5代目の栄光は昔のものになってしまったが、まだ中古車市場には流通している。しかも、驚くほどの低価格で。英国の場合、約3000ポンド(約48万円)で売りに出ている例もある。V8エンジンの上級グレードでも、1万ポンド(約161万円)以下がある。
Sクラスらしく、エンジンのラインナップは幅広い。英国仕様では、S 280が搭載した231psの3.0L V6自然吸気ガソリンからS 65 AMGが搭載した6.0L V12ツインターボ・ガソリンまで選べる。
新車当時、英国で人気を集めたのはS 320 CDIとS 350 CDIが搭載した、3.0L V6ディーゼルターボだった。最高出力は235psと271psを発揮したが、前者の方はフェイスリフト後に消滅している。
とはいえ、折角のお手頃な中古車なのだから、V型12気筒エンジンを検討するのも悪くない。S 65 AMGでは最高出力611psを誇り、約2.2tもある大きなボディに、0-100km/h加速4.4秒という俊足を与えている。
フェイスリフト前で自然吸気の6.2L V8を積み、フェイスリフト後にはツインターボの5.5L V8になったS 63 AMGでも、0-100km/h加速は5.0秒を切る。最高出力は500馬力を軽く超えていた。
メルセデス最新の技術を真っ先に投入
動力性能だけでなく、乗り心地も素晴らしい。エアサスペンションが巧みに路面の不整を吸収し、車内を教会のような静寂に保つ。シートも豪華極まりなく、初代オーナーが希望していればマッサージ機能も備わる。
操縦性も悪くない。スポーツカーには並ばないにしろ精度は高く、シャシーバランスに優れ、カーブでの落ち着きは秀逸。ステアリングホイールは軽く回せるが、手のひらへ伝わる感触も充分にある。
メルセデス・ベンツの高い技術力も再確認できる。Sクラスといえば、同社最新のシステムが真っ先に投入されるモデルとしても有名だ。
2世代前ながら、アクティブ・レーンキーピング・アシストにアクティブ・ブラインドスポット・アシスト、レーダー・クルーズコントロールなど、多彩な運転支援システムが実装されていた。最新モデルと文字の上では遜色ない。
そのぶん、メンテナンスに求められる費用も小さくない。有能なエアサスペンションも、メンテナンスフリーで済むわけではない。
燃費も、小さなハッチバックの比ではない。小排気量のディーゼルターボなら、14.0km/L近く走る。だが、V8やV12エンジンを選ぶなら、平均で7.0km/L程度は覚悟したい。税金や保険もサイズ相応に高くなる。
それでもW221型の車両価格を考えれば、修理費用に目をつぶれなくはないだろう。友人にドライバー役を頼んで、素敵なスーツを着て、リアシートを堪能するという楽しみ方もできる。もちろん、フロントシートでの運転も悪くない。
新車時代のAUTOCARの評価は
驚くほどではないものの、S 320 CDIは、依然として仕上がりが素晴らしい。速く燃費に優れ、豪華でありながら運転する喜びも得られる。
伝統的な高級サルーンでありながら、頭が追いつけなくなるような最新技術も詰め込まれている。このクラスの新たなベンチマークといっていい。(2006年2月14日)
専門家の意見を聞いてみる
ニック・ヤング氏:サウサンプトン・ショーファー・ハイヤー社
「メルセデス・ベンツSクラスは、常に頂点へ位置するショーファードリブン・モデルだと思います。わたしは当時のEクラスから、第5世代のSクラス、そして第6世代へ担当車両をステップアップしてきました」
「W221型ではS 350 Lを運転していましたが、3.0L V6ディーゼルターボはパワフルで燃費がいい。ロングホイールベースのボディなら、ゆとりのある空間も得られます。求められるすべての装備や機能が搭載されていましたね」
「ショーファードリブンのサルーンとして、お客様へ最高の体験を提供できていたと思います。プレミアムな価格に見合うだけの。特に動力性能に長けていたわけではありませんが、信頼性は高く、運転も楽しめました。不満は思い浮かびません」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
ディーゼルターボの場合は、アイドリング時にカラカラと不自然なノイズが大きくないか、聞き耳を立てる。金属的な音は、タイミングチェーンが伸びている可能性を示している。放置するとエンジンを完全に駄目にしかねない。
トランスミッション
定期的なメンテナンスが不可欠。オートマティック・フルードは、6万4000km毎の交換が推奨されている。滑らかに変速できるか、試乗で確認する。
サスペンション
エアサスペンションは、コーナリング時にボディを水平に保とうとする。正常に機能するか確かめたい。不調な場合は、エアポンプの交換が必要かもしれない。
インテリア
英国仕様の場合、カーナビを新しいバージョンへアップデート可能。もし古いままなら、購入前に作業を依頼しても良いかもしれない。
電気系統
ハイテクなW221型では、電気系統の不具合が珍しくない。オーディオアンプやシートのボルスター、キーレスエントリーの不調などは、比較的よく発生するようだ。
Sクラスを長期間停めたままにする場合は、トリクル充電器をつないで、バッテリーが上がらないようにしたい。電気系統へ重大な不具合を与えることにつながる。
ボディ
Sクラスといえども、W221型のボディは錆びることがある。塗装が水ぶくれのように膨らんだ場所がないか、注意深く観察したい。
知っておくべきこと
お抱え運転手によるショーファードリブンとして乗る場合は、ロングホイールベース版の「L」を選びたいところ。珍しい仕様ではなく、通常のホイールベース版と英国の中古車価格は変わらないようだ。
英国ではいくら払うべき?
3000ポンド(約48万円)~4999ポンド(約79万円)
英国では、初期のS 320 CDIを探せる価格帯。走行距離は20万km超えのものも多い。
5000ポンド(約80万円)~9999ポンド(約160万円)
S 320 CDIに加えて、S 350 CDIとS 500を英国では選べるようになる。走行距離は15万km前後が中心となる。
1万ポンド(約161万円)~1万4999ポンド(約240万円)
フェイスリフト後のS 350やS 500、S 600が含まれてくる。ロングホイールベースのLも選べる。
1万5000ポンド(約241万円)~1万9999ポンド(約321万円)
走行距離が8万kmを切る、状態の良いW221型を英国では狙える価格帯。状態もかなり良くなる。
2万ポンド(約322万円)以上
S 63やS 65など、AMGのW221型はこの価格帯から。極上状態のS 600なども出てくる。ロングホイールベース版も多い。
英国で掘り出し物を発見
メルセデス・ベンツ S 600 L 登録:2006年 走行距離:17万3800km 価格:1万2995ポンド(約209万円)
5.5L V12エンジンを搭載したリムジンが、コンパクトカーと変わらないお値段で買える。走行距離は確かに長いものの、新車時からのワンオーナーでメンテナンスはしっかり施されているはず。装備内容が素晴らしいロングホイールベースだ。
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