長年にわたって販売が続けられ、トヨタのコンパクトカークラスの主役として下支えを続けてきた現行型ヴィッツも、今年ついにフルモデルチェンジし、4代目に切り替わることが予定されている。
初代ヴィッツの登場は1999年、2代目は2005年に登場し、現行型となる3代目は2010年12月だから、実に8年半、現行ヴィッツは売られ続けていることになる。
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4代目となる新型は、長く愛されてきた「ヴィッツ」の名に別れを告げ、日本以外の国で使われていた「ヤリス」を名乗ることになる。
本稿では、そんな新型ヤリスの最新情報を入手。
ノーマル仕様の発売1年後に、スポーツモデル「GR」が追加設定されるという。以下、当編集部に入っている現在までの情報をくまなくお伝えしたい。
文:ベストカー編集部
ベストカー2018年3月10日号より
■ホットハッチ復活!! トヨタ本気のコンパクトスポーツ
トヨタ関係者からの有力情報によれば、今年秋に発表予定の新型ヤリスには、1.6Lターボを搭載するハイパワーバージョンが設定される。
今回登場予定の新型ヤリスは欧州市場におけるWRC(世界ラリー選手権)での活躍イメージを中心に、かなりスポーティな仕様が用意され、そのイメージリーダーとして用意されるのが今回お知らせする「GR」だ。
3代目セリカに設定された「GT-TS」や、6代目セリカの「GT-FOUR WRC仕様」など、トヨタは過去に何度か当時のラリー参戦車両をイメージさせるモデルを市販に移してきたが、このヤリスのハイパワーバージョンも、その延長線上にある。
グレード名称は「ヤリスGR」。Gazoo Racingが開発を主導する本気のモデルということだ。
トヨタのWRC参戦モデル、「ヤリスWRC」のロードバージョンともいうべきヤリスGR。特徴はなんといってもベースグレードとは大きくイメージを異にするワイドなフェンダーだ。
全幅の拡大によるワイド&ローなスタイリング、そしてGRモデル専用デザインとなるフロントバンパーといったエアロデバイスにより、ヤリスGRは高いロードホールディング性能と獰猛な外観のふたつを手に入れる。
拡幅されたフェンダーのなかに収まるタイヤのサイズは、225/40R18。
2017年末に発表され、150台限定で販売されたヴィッツGRMNのタイヤが205/45R17だったことを考えても、ヤリスGRがチョイスしたタイヤサイズは、かなり攻めたものであることがわかる。
その攻めたサイズのタイヤだが、むろん単なるドレスアップを目的としたものではない。心臓である1.6Lターボが発生する250psという出力を、あまことなく地面に伝えるためのものとして選択されている。この1.6Lターボに関しては、いまだに直4説と直3説が入り交じっている状況だが、ベストカー編集部が掴んでいる情報は「新開発の直3エンジン搭載」というもの。通常、燃費型ターボに採用される直3レイアウトで250psのハイパワーを発生させる点がヤリスGRの特徴であり、ユニークな点となっている。
この強力なエンジンに組み合わされるミッションは、前出のヴィッツGRMN同様6速MTのみで、駆動方式は4WD。250psの出力を楽しむには、最適なパッケージングといえるだろう。
■それでも高いが必死の値下げ300万円台で発売予定!!
非常に魅力的な存在であるヤリスGR、気になるのはその登場時期と価格だ。登場時期は、ベースとなるヤリスがデビューしてから、ちょうど1年後の2020年秋頃という情報が入っている。
そして価格はトヨタに近い関係者の口から、「モータースポーツ参戦を考えているユーザーのための、ベーシックなグレードは安く設定して320万円程度。モデルとしての平均的な価格は380万円程度になりそうだ」という情報が寄せられている。
かつてのヴィッツGRMNが212psの出力で400万円だったことを考えると、かなりのバーゲンプライスに感じるが、これは両車の成り立ちの違いによるところが大きい。
ヴィッツGRMNが、日本には設定されていない3ドアモデルをベースに製作されたのに対し、ヤリスGRはベースのヤリスの段階から、3ドアのハイパワーモデルを想定して開発が進められている。そこがリーズナブルな価格を実現できる理由だ。
とはいえ製作に手間がかかるのは変わりがなく、さほど多く生産できるモデルでもないため、気になるユーザーは今後の動向を注視し、正式発表となったら早めに動いたほうがいい。ヤリスGRが限定モデルとなるかどうかの情報は現状入ってきていないが、そうなってもおかしくないほどの内容だ。
トヨタのWRCにかける意気込みと技術、そのふたつをかつてないほど濃厚に味わうことができるヤリスGR。まずは来秋に向け購入資金の調達に動くことをおすすめしたい。こういったクルマを入手できるチャンスは、そう何度も巡ってくるものではない。
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