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TCRサウスアメリカ、2022年暫定カレンダー発表。元インディ経験者“ビア”はアウディをテスト

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TCRサウスアメリカ、2022年暫定カレンダー発表。元インディ経験者“ビア”はアウディをテスト

 創設初年度から大幅なカレンダー改訂を強いられながらも、全8戦のスケジュールを完走した南米大陸初のリージョン選手権、TCRサウスアメリカ・シリーズが2022年の暫定カレンダーを発表。引き続き開催ラウンド数は同一となる全8戦で、ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン3カ国での開催を予定する。

 また、ブラジル最大の人気ツーリングカー選手権SCBストックカー・ブラジルにも参戦し、かつては北米インディカーでインディ500も経験した最初のブラジル人女性ドライバーである“アナ・ベアトリス”ことビア・フィゲレイドが、初年度にロドリゴ・バプティスタらを擁して戦ったコブラ・レーシングのアウディRS3 LMSをテスト。2022年のシリーズ参戦に向けても意欲を示している。

TCRヨーロッパが全7戦14ヒートの2022年暫定カレンダー発表。予選ポイント刷新にクムホも採用

 2021年創設当初はチリでの開催も予定されていた南米初のTCRシリーズは、幾度かの開催地変更を経て、後半はアルゼンチン連戦が続く日程を余儀なくされた。その名残も受け、2022年は4月から11月にかけてブラジル、ウルグアイ、アルゼンチンで8ラウンドを開催するスケジュールが組まれた。

 最初の3ラウンドはブラジル国内で開催され、4月のヴェロチッタを皮切りに、5月のインテルラゴス、6月のゴイアニアでスタート。その後、チャンピオンシップはウルグアイに向かい、7月16日~17日の第4戦、8月27日~28日に第5戦と、現状は開催地未定のトラックでレースを実施する。

 同じく、まだ確認されていない会場で最後の3ラウンドを開催するアルゼンチンでは、9月17~18日、10月8~9日、11月5~6日の週末が予定され、シリーズオーガナイザーからはこれらの開催地確定情報とともに、どのラウンドをレース距離160km超えの“耐久イベント”とするかは「近日中にもアナウンスしたい」としている。

 一方、インディ・ライツ初の女性勝者としてその名を刻み、2011年、2012年にはインディ500参戦も果たしたアナ・“ビア”・ベアトリスことビア・フィゲレイドが、1月中旬に地元サンパウロのインテルラゴスで自身初のTCR規定ツーリングカーのテストに臨んだ。

 コブラ・レーシングのチームマネージャーであり、SCBではルーカス・ディ・グラッシなどを走らせたヒーロー・モータースポーツの責任者も務めたノノ・フィゲレイドが、2リッター4気筒直噴ターボを搭載するアウディRS3 LMSのテストにビアを招集。彼女に対し、350PSを誇る前輪駆動ツーリングカーのテスト機会を提供した。

「我々のアイデアとして、今回のテストはビア自身にTCR規定ツーリングカーの感触を知ってもらい、それに慣れてもらうことで、2022年のTCRサウスアメリカに新たな魅力を付与したいと考えたんだ。それが例え、どのチームになったとしてもね」と、テストの狙いを説明したノノ・フィゲレイド。

■テストでは“前輪駆動への適応”に最初は苦労していたビア
 一方のビアも、彼女がTCRサウスアメリカに参戦したマシンを初めてドライブした最初の女性ドライバーであるという事実に非常に満足しており、テスト後にはこの競争の激しいカテゴリーに加わる可能性を「大いに歓迎し、前向きに考えている」と話した。

「これは私にとっても、良い時期に来たノノからの招待状だったわ。もちろんこの機会を踏まえ、彼らと一緒に何か物事を実現することに共通の関心がある。南米大陸にこのカテゴリーを招致した(オーガナイザー代表の)マウリシオ・スラベイロもよく知る間柄だし、私はこのプロジェクトをノノ自身とこのアウディRS3で実現したいと思っている」と続けたビア。

 2021年にふたり目の子供となるマテウスを出産したばかりのビアだが、産後の回復を経て育児を両立しながら、わずか3カ月でモータースポーツに復帰した彼女は、3月にオール女性チームとしてIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のセブリング12時間に参戦し、同12月にはインテルラゴスでのポルシェ・カレラカップにも出場している。

 そのビアは、今回のテストに際し“前輪駆動への適応”という観点で、最初は特定の苦労を抱えていたことも明かした。

「そうね、正直に言って私はそのキャリアを通じて後輪駆動レースカーの運転に非常に慣れ親しんでいることを告白するわ。だから最初の数周で『フロントからリードするクルマに慣れるのは簡単ではない』と感じたの」と、2014年から2019年まで後輪駆動ツーリングカーのSCBでレギュラードライバーとして戦ったビア。

「主体的にリヤタイヤを操ることはできないから、それは常に手の内から少し遠くに位置することになる。でもリヤエンドを少し緩めてルーズに動かすことに慣れると、チームと私が決めたサスペンション、ウイング、タイヤのキャリブレーションにより、すべてのホイールをより良く回転させる感覚が出てきたわ」と、FFツーリングカーのインプレッションを続けたビア。

 おなじく2021年にSCBフル参戦を実現した元F1ドライバーのフェリペ・マッサが毎年主催する恒例のカートレース・イベントでも、並み居る実力派を抑えて優勝を飾った実績もあるビアは、実に26年のキャリアを通じてブラジル国内に留まらず、南米の女性ドライバー数増加に一定のインスピレーションを与えたことに「とても素晴らしいことだと感じている」と振り返った。

「実際、私は男性であれ女性であれ、誰もがコンペティティブで有能であるという平等を求めて、キャリアのなかで常に戦ってきた。でも、さらに素晴らしい大きな変化の兆候は、世界中の女性の社会的基盤の改善であると確信している」

■2022年TCRサウスアメリカ・シリーズ暫定カレンダー
ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 4月2~3日 ブラジル/ヴェロチッタ
Rd.2 4月30~5月1日 ブラジル/インテルラゴス
Rd.3 6月4~5日 ブラジル/ゴイアニア
Rd.4 7月16~17日 ウルグアイ/TBC
Rd.5 8月27~28日 ウルグアイ/TBC
Rd.6 9月17~18日 アルゼンチン/TBC
Rd.7 10月8~9日 アルゼンチン/TBC
Rd.8 11月5~6日 アルゼンチン/TBC

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