積算1万1413km 過剰反応な運転支援システム
text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
筆者は安全運転を常に心がけている。おそらくクルマのシステム以上に。
しかし日産ジュークの運転支援システムは、危険予知に対し安定した仕事をしてくれない。ほかの、多くのメーカーのシステムも似たようなものだけれど。
システムが過度に反応し、メーターパネルに赤い警告灯が点滅する頻度が多すぎる。高速道路で特に、隣の車線を走るクルマへ敏感なようだ。正直、役立っているとはいいにくい。
積算1万1888km 多くのシーンで納得の仕上がり
新しい日産ジュークのデザインは初代より控えめ。あまり目立つ方ではない。先代のスタイリングが挑戦的だったことを考えると、対照的ですらある。
日産ジュークは、ホンダeのようなレトロチックなスタイリングではない。トヨタGRスープラのように、スポーツカーとして大胆な造形でもない。でも、新型もベーシックなデザインとまではいえない。
搭載するエンジンは、116psを発生する1.0L 3気筒ガソリン・ターボエンジン。革新的なユニットではないが、英国サンダーランド工場で作られている。
コンパクト・クロスオーバーというカテゴリーは成長の一途。2代目のジュークは、キャシュカイ(デュアリス)に次ぐ日産の人気モデルだ。
長期テストで、ともにしてきた日産ジューク。多くのシーンで納得のいく仕上がりに、感心することが多かった。
広くなり、快適性を高めたインテリア
特に初代ジュークより良くなったのが、インテリア。素材の質感はだいぶ向上している。また特にリアシートと荷室回りで、空間も広くなった。
この車内空間の拡大を生んでいるのが、ルノー・日産・三菱アライアンスによるCMF-Bプラットフォーム。ルノー・キャプチャーやクリオ(ルーテシア)とも共有している。
上質さを高めたインテリアは、長距離運転も快適。座り心地の良い「モノフォーム」と呼ばれる新設計のシートも、貢献度が高い。
デザイン処理はライバルより控えめで、一部のドライバーにはむしろ好まれるだろう。別の英国編集部スタッフも、インテリアデザインはフォード・プーマより日産ジュークの方が好きだと話していた。
2代目ジュークで気になった点の1つが、インフォテインメント・システムの使い勝手。特にタッチモニターの操作性は良くないと感じた。近年では、ますます重要な要素になっている部分だと思う。画面操作に対し、反応しないことも多々あった。
鈍いタッチモニターの反応は別として、システムの構成自体は理解しやすい。アップル・カープレイへの対応も有用だ。
車内のマイナス点は、ほかにも。リアワイパーが動くたびに聞こえる、ダッシュボード裏側からのカチッという音や、コーナーを曲がる時にきしむシートのランバーサポートなども、改善を求めたい部分。リアシート付近からの、カタカタという音も気になる。
どれも些細なこと。しかし新車に2万3000ポンド(310万円)も支払うのだから、気になる点は少ない方が良い。
思いのほか運転を楽しめる
ソーシャルディスタンス的に、定員いっぱいでのジュークでのドライブはできなかった。でも、庭の枯れ葉を入れた大きな袋は、3つまで問題なく積めた。
荷室の開口部は上部が狭まっていて、大きめの四角い荷物は思うように積めない。しかし、コンパクト・クロスオーバーとしては充分な積載力だろう。
走りにこだわりを持つドライバーにとって、日産ジュークは視界に入ってこないモデルだとは思う。コンパクト・クロスオーバーの中では、フォード・プーマがドライバーとの一体感を強く味わえるモデルだが、日産ジュークも悪くはない。
流れの良い英国郊外の道でも、安心感が高く、操る自信を持たせてくれる。運転も、思いのほか楽しいと感じられる。
都市部の道の方が、ジュークにとって多くの時間を過ごす環境だろう。そこでも好印象な走りを披露する。試乗車は19インチのホイールを履いていたが、より小径な方が、ツギハギの多い路面での乗り心地には有利なはず。
1.0Lのガソリン・ターボエンジンは、充分な力を発揮し、高速道路でも強い不満は感じない。ハイブリッドの登場にも期待したいところ。
ただし、アイドリングより少し上の回転域やレブリミット手前では、もう少しトルクが欲しい。低回転域でのトルク不足は、エンストを招いてしまう。筆者は何度も体験してしまった。
エンジンはとても静かで、回転数が上がっていても気付きにくいほど。MTだったこともあり、タコメーターが思いのほか高い回転数を指していて、慌ててシフトアップすることもあった。
コンパクト・クロスオーバーに求めるすべて
2代目日産ジュークは、筆者がコンパクト・クロスオーバーに期待するものを、不足なく備えていた。快適で、目的通りの実用性を備えたクルマだ。
ドライバーの熱い魂を燃やしてくれるタイプではない。しかしシーンを選ばず、普段遣いのクルマとして乗りやすい。コンパクト・クロスオーバーというカテゴリーを検討するすべてのユーザーが、納得できるモデルだと思う。
セカンドオピニオン
2代目ジュークは、初代ほどの強い第一印象を与えることはなかった。しかし確実な成長を遂げている。洗練されたデザインは、初代ほど時間の経過を感じさせるものではないと思うし、ドライビング運転は、ライバルの中でも上位に位置する。
筆者の好みでは、同じ車格なら通常のハッチバックを選びたくはなる。しかし今では、それは少数派の思考なのだろう。 Mark Tisshaw(マーク・ティショー)
テストデータ
気に入っているトコロ
キラキラのホイール:ダイヤモンドカットが施され、見た目は抜群。多くの人の注目も集める。
居心地の良さ:長距離ドライブでも、同乗者から快適性に対する不平は一切出なかった。
気に入らないトコロ
運転支援システム:過剰反応気味で、ダッシュボードの警告灯が頻繁に点滅しすぎる。
リアシート側からの異音:発生源は特定できなかった。内装部品の組み立て品質の問題だろう。
タッチモニター:指での操作に対する反応が非常に悪い。強く改善を求めたい。
走行距離
テスト開始時積算距離:5460km
テスト終了時積算距離:1万1888km
価格
モデル名:日産ジューク・テクナ1.0 DIG-T 117(英国仕様)
新車価格:2万2495ポンド(303万円)
現行価格:2万2960ポンド(309万円)
テスト車の価格:2万3640ポンド(319万円)
ディーラー評価額:1万8915ポンド(255万円)
市場流通価格:1万6814ポンド(226万円)
個人評価額:1万6090ポンド(217万円)
オプション装備
2トーンペイント(フジ・サンセット・レッド+パールブラック)、シャークフィン・アンテナ:1145ポンド(15万4000円)
燃費&航続距離
カタログ燃費:16.4km/L
タンク容量:46L
平均燃費:14.3km/L
最高燃費:15.3km/L
最低燃費:12.9km/L
航続可能距離:655km
主要諸元
0-100km/h加速:10.4秒
最高速度:180km/h
エンジン:999cc直列3気筒ターボチャージャー
最高出力:116ps/5250rpm
最大トルク:18.3kg-m/1750 -3750rpm
トランスミッション:6速マニュアル
トランク容量:422L
ホイールサイズ:19インチx7.5J
タイヤ:225/45 R19
乾燥重量:1199kg
メンテナンス&ランニングコスト
リース価格:258.3ポンド(3万5000円/1カ月)
CO2 排出量:141g/km
メンテナンスコスト:なし
その他コスト:なし
燃料コスト:511ポンド(6万9000円)
燃料含めたランニングコスト:511ポンド(6万9000円)
1マイル当りコスト:0.13ポンド(17円)
減価償却費:6405ポンド(86万5000円)
減価償却含めた1マイル当りコスト:1.73ポンド(233円)
不具合:なし
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みんなのコメント
国内でも15万台売って認知された車種。
これから成長する車種を販売しない日産経営陣の無能さよ。