もくじ
ー 間違いなく「特別なクルマ」
ー ラリーへの郷愁以上の存在
ー 番外編 予算別おすすめインプレッサ5選
ー 番外編2 スバリストからひと言
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間違いなく「特別なクルマ」
ワインディングから平地へとステージが変わり、4速や5速を使うようになると、エボは神経質なところを見せる。
シャシーが非常に敏感なために直線でも常にステアリング操作で進路を調整する必要があるのだ。トミ・マキネン・エディションはコーナーを速く走るためのクルマであり、いつでもまるで獲物を追いかけるテリアのように素早く進路を変えるので、プッシュする前からとてつもないスピードでコーナーへと突っ込んでいける。
アンダーステアぎりぎりのところでもフロントタイヤのグリップ限界はとてもわかりやすい。ステアリングは直進に戻るあたりで奇妙な弾力を感じるが、ロック直前では素晴らしくキビキビとして、路面状況を非常にうまく伝えてくれる。
ドライのピークディストリクトでは、リアのディファレンシャルの存在に気付くことはないだろう。ウェットやグリップの低い路面では、アクティブ・ヨーコントロールがトルクを分配している様子が感じられるはずだ。
しかし、今日のコンディションではこのクルマの駆動力とトラクションに限界はないようだ。ギアシフトは最上の部類で、5速がクロスしたこのギアボックスを操作するのはまるでマニー・パッキャオが打つコンビネーションのよう。
スロットルを開けるほどにこのクルマはその力強さを見せる。3000rpmまでは何も起こらないが、そこからは抵抗など一切ないかのように7000rpmまで一気である。間違いない。トミ・マキネン・エディションはとても特別なクルマだ。
しかし、インプレッサのとなりでは派手さが足りないように見える。
ラリーへの郷愁以上の存在
2ドアのインプレッサは常に刺激的な存在であり、22Bの膨らんだフェンダーがあればなおさらだろう。さらにこのスバルはシートポジションもより優れている。低く座らせるとともに、ステアリングを体の近くまで持ってくることができ、その角度もより自然だ。
一方で、シートそのものもサイドまで包み込む形状であり、直ぐにクルマとの一体感を感じることができる。低速から中速にかけての乗り心地は、エボよりは若干優れているかも知れないが同じように硬い。
そして、やはり80km/hあたりから驚くほど滑らかで落ち着いたものになる。ステアリングにはトミ・マキネン・エディションで見られたような直進状態近くでの妙な引っ掛かりもない。
事実、22Bのステアリングは素晴らしい。ベースモデルのリアウインドウに「クイックステアリング」と書いた小さなステッカーが貼られているとおり、よりレシオを高めたステアリングは、シャシー全体と見事な調和を見せて、全てのコーナーでこのクルマを正確に操ることを可能にしている。
三菱がフロントに頼る一方、スバルは常によりニュートラルに感じさせる。コーナーに飛び込めばすぐにフロントとリアの四輪全てが機能して、ドライバーはそのバランスをただ楽しめばいい。
センターコンソールにあるダイアルでセンターデフのトルク配分を調整するのは、まさに無上の楽しみであり、この先も飽きることなどないだろう。
10%の排気量の違いによって、22Bのエンジンはエボよりもさらに強力に感じる。事実、中回転域は驚くほど力強く、まるで大砲で打ち出されたかのようにこのクルマを前へと突進させる。レッドゾーンは7900rpmに設定されており、エボのエンジンがリミッターに達するところでも、インプレッサはさらに回転を上げようとする。
発売当時のスバルの出力280psという公式発表は見事な嘘としかいいようがない。
ほんの少しだけスバルの方をより好ましいと思うが、これは当時マキネンよりもコリン・マクレーやリチャード・バーンズを応援していたせいかも知れない。客観的に見れば、この2台にほとんど差などない。
この2台の魅力の大部分は過去のラリーへの郷愁にあることは間違いないが、それだけではない。いまも変わらず重要なことは、トミ・マキネン・エディションと22B STiが、三菱エボとスバル・インプレッサの中の頂点に君臨するモデルだという事実である。
番外編 予算別おすすめインプレッサ5選
ターボ2000(1996年式)
いまでは「クラシック」インプレッサとして知られるモデルであり、1990年代中盤に生み出されたターボ2000は速いインプレッサのオーナーになる最も安価な選択肢である。
そのフラット4は203ps以上を発揮し、四輪駆動のシャシーと相まって、こんにちでも速く感じられる。
市場価格:2000ポンド(30万3680円)
P1(2001年式)
インプレッサのハイパフォーマンスモデルのなかで、P1は伝説的な22Bの次に人気のモデルである。22B同様、そのボディ形状は2ドアとなるが、エンジン排気量は2.0ℓに留まる。
市場価格:18000ポンド(273万3120円)
WRX(2006年式)
第2世代のインプレッサは初代よりも新鮮に見えるが、価格はそれほど高い訳ではない。後半に登場した最も素晴らしいルックスを持つ「ホークアイ(鷹目)」モデルでも、非常に手に入れやすい。
市場価格:5000ポンド(75万9200円)
WRX STi(2007年式)
280psのパワーによって、WRX STiは高性能なインプレッサとしてのイメージを保っている。この価格帯からも非常に良くメンテナンスされた個体を数多く選ぶことができる。
市場価格:1万ポンド(151万8400円)
WRX STi 2.5 (2016年式)
最新のWRX STiであり、インプレッサの名前が付かないために、さきに登場したモデルほどの尊敬は得られていないかも知れないが、よりパワフルで、より付き合いやすいクルマである。
市場価格:2万ポンド(303万6800円)
インプレッサ購入にあたって
どのモデルを購入するのであれ、適切なメンテナンスが行われてきたことを確認する必要がある。定期的なメンテナンスが必須であり、オイル交換は約10000kmごとに必要。トランスミッションとディフェレンシャルのオイルも40000kmごとに交換する必要があり、カムベルトの寿命は72000kmだ。
ターボは常に運転前後にゆっくりとウォームアップとクールダウンを行う必要があり、前オーナーの普段の扱いを確認した方がいい。一方、クラッチは短ければ64000km程度で交換が必要となる。
番外編2 スバリストからひと言
われわれがテストで使用した新車のようなインプレッサ22B STiのオーナーであるエイドリアン・スペンサーは、スバルのスペシャルショップである「Adgespeed」の創業者だ。
マンチェスター近くに拠点を構えるこのショップは、もともとスペンサーが所有するペター・ソルベルグがドライブしたインプレッサWRC参戦車両を走らせるためにはじめたものだが、スペンサー曰く「ビジネスとしてお金を稼ぐ必要があったので、他のドライバー向けにラリーカーを製作したり、ロードカーのメンテナンスやチューニングを行っていました」とのことだ。
「スバルのクルマに対するチューニングは依然として盛況です。過去10年ほどは安定した需要があります。低年式のインプレッサはいま非常にお買い得ですから、ぞんざいに扱われた車両が多くなっています」
「なにをやっているのかもわからないままに、自分自身で改造してしまう人たちがいるんです。エンジンのオーバーホールとあわせて、プログラムの書き換えにも数多く対応しています。それから大径ターボの取りつけなんかも行っています」
「最近では、価格が上がり始めていて、車両が古くなるにつれて、皆さんオリジナルの状態を保ちたいと思うようになっています。もし、インプレッサをクラシックモデルにしたいのなら、オリジナルの状態を保つ必要があります。例えば、3万ポンドをかけてP1を改造したような人たちを知っていますが、その車両の価値は、同じモデルの新車同様のコンディションにはかなわないのです」
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