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【新型ゴルフのベストバイか!?】最新ディーゼル搭載のゴルフTDIは走りも楽しめるGTカーだった!

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【新型ゴルフのベストバイか!?】最新ディーゼル搭載のゴルフTDIは走りも楽しめるGTカーだった!


■排ガスの浄化はもう心配ご無用
2021年6月に日本上陸を果たした新型フォルクスワーゲン(VW)ゴルフ。8代目となる新型は、先代から横置きエンジン用のモジュラー・プラットフォーム「MQB」を継承しながら、走りと快適性を向上させるとともに、大幅なデジタル化やADASの充実などにより、一層洗練されたモデルとなった。ワゴンボディのヴァリアントも追加され、徐々にラインアップが充実している。

そんなニュー・ゴルフに、クリーンディーゼルエンジンを搭載した「TDI」が加わった。15年に発覚したディーゼルゲートでは、何かとネガティブな話が飛び交ったVWグループのディーゼルエンジン。しかし、その後はしっかり改良が加えられ、今はもう何も心配する必要はない。むしろ新型ゴルフTDIに搭載された新型ディーゼルエンジンは、排出ガスのクリーン化が徹底的に施されている。

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●ゴルフ TDI Rライン(FF・7速DCT)

新型ゴルフTDIが搭載するのは、「EA288 evo」と呼ばれる2L直4直噴ディーゼルターボ。このエンジンは、「ツインドージング」と呼ばれる排ガス浄化システムを採用している点が特徴だ。

このシステムは、エンジン直後に「第1SCR(酸化還元触媒)」、アンダーボディに「第2SCR」と2系統のSCRシステムを搭載している点が特徴で、エンジン始動直後や低負荷走行時は第1SCRが、高負荷走行時には第2SCRが排気ガスを浄化。

この2つのSCRを用いることで、NOx排出量を従来比で最大80%も削減。ユーロ6d排ガス規制に適合させた。しかも、酸化還元に用いるAdBlue(尿素水)は、第1、第2の双方で噴射するが、使用量は従来と変わらないという。

●わずか1600回転で360Nmものトルクを発生する、2L直噴ディーゼルターボ

最高出力150馬力/3000~4200rpm、最大トルク360Nm/1600~2750rpmのスペックは、従来のEA288型と最高出力は同じだが、最大トルクは20Nm大きく、発生回転数も低くなっている。結果、WLTCモード燃費は20.0km/Lと、先代(18.9km/L)からさらに向上した。


■ロングドライブで活きるディーゼルエンジン

実際にドライブしてみても、その進化ぶりははっきりと伝わってくる。市街地をゆっくり流すだけでも、豊かなトルクのおかげでとにかく走りやすい。7速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の変速もとてもスムーズで、ドライバビリティは非常に優れている。

●ゴルフ TDI Rライン(FF・7速DCT)

TDIエンジンの振動やノイズもしっかり抑えられていて、ディーゼルであることを意識するのはエンジンを始動する瞬間くらい。排気音もアイドリング時、走行時とも十分に小さく、キャビンにも耳障りなノイズは入ってこない。

乗り心地も申し分ない。新型ゴルフTDIは、1.5 eTSIと同様にリヤサスペンションが4リンクなのだが、車両重量が1460kgと1.5 eTSIより100kgほど重いこともあって、より安定感の高い上質な乗り心地となっている。試乗車はRラインで、225/40R18サイズのブリヂストン・トランザT005という低扁平タイヤを装着していたが、快適性は十分に確保されていた印象だ。

●Rラインにのみオプションで18インチホイールが用意されている

ワインディングロードでの走りもなかなかスポーティだ。低回転域からトルクフルなTDIエンジンと、そのトルクを効率的に伝える7速DCTは、勾配のきつい上り坂でも余裕たっぷりで、力強さは十二分。ハンドリングはフロントが重いこともあって若干アンダーステアだが、正確性は高く、狙い通りのコーナリングが楽しめる。ステアリングフィールも自然だ。

とはいえこのクルマは太いトルクを活かした走りが持ち味で、直進性もとても優れている。グランドツーリングカーとしてのキャラクターが強いモデルなので、街乗りももちろん快適だが、どちらかと言えばロングドライブでその真価を発揮するはずだ。


■装備内容を見ればこの価格帯なら!

またこれは新型TDIに限った話ではないが、純正インフォテインメントシステムの「Discover Pro」が、夏の日本導入時より使いやすくなっていた。以前はナビの起動に時間がかかり、タッチディスプレイの反応も悪く、あまりいい印象を受けなかったのだが、今回乗った試乗車ではそのあたりのネガが払拭されていて、とても使いやすく感じたのだ。

●ゴルフ TDI Rライン(FF・7速DCT)

ナビの独特な操作ロジックや、音声案内のぎこちなさなどはまだ改善の余地はあるが、新型ゴルフが日々進化しているのを感じられたのはよかった。

さて今回の新型ゴルフTDIだが、装備内容は1.5 eTSIと同等で、17インチアルミホイールやシートヒーター、ステアリングヒーター、ドライビングプロファイル機能などは全車標準である。それで税込み344万4000円からという価格は、かなりバリューフォーマネーが高いと言えるだろう。筆者は個人的に新型ゴルフのベストバイは、このTDIだと思っている。

<文=竹花寿実 写真=佐藤正巳>

◆新型VW ゴルフTDI バリエーションと価格
・TDI Rライン:408万8000円
・TDI スタイル:403万8000円
・TDI アクティブ アドバンス:398万9000円
・TDI アクティブ ベーシック:344万4000円

◆主要諸元
TDI Rライン(FF・7速DCT) 
【寸法・重量】
全長:4295mm 
全幅:1790mm 
全高:1475mm 
ホイールベース:2620mm 
トレッド:前1535/後1505mm 
車両重量:1460kg 
乗車定員:5人 

【エンジン・性能】
型式:DTS 
種類:直4DOHCディーゼルターボ 
ボア×ストローク:81.0×95.5mm 
圧縮比:16.0 
総排気量:1968cc 
最高出力:110kW(150ps)/3000~4200rpm 
最大トルク:360Nm(36.7kgm)/1600~2750rpm 
使用燃料・タンク容量:軽油・51L 
WLTCモード燃費:20.0km/L 
最小回転半径:5.1m

【諸装置】
サスペンション:前ストラット/後マルチリンク 
ブレーキ:前Vディスク/後ディスク
タイヤ:前後225/40R18(標準は225/45R17)

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