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EVの強みを鮮明に! 日産が災害復旧支援コンセプトカーの「REリーフ」を発表

掲載 更新 2
EVの強みを鮮明に! 日産が災害復旧支援コンセプトカーの「REリーフ」を発表

EVらしい電力供給能力に加えて悪路の走破性も強化!

日産自動車は9月29日、自然災害などによる停電時に電気自動車の大容量のバッテリーから非常用電力を供給できる災害復旧支援を目的とした電気自動車のコンセプトカー、「REリーフ」を欧州で発表した。

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災害対策における緊急対応(emergency REsponse)、人道支援(humanitarian REcovery)、そしてコミュニティの強靭性(REsilience)の3つの「RE」を由来として名付けられた「REリーフ」は、ピュアEVの「日産リーフ」をベースに製作されたコンセプトカーだ。

「REリーフ」には瓦礫など障害物の多い災害時の悪路走行を可能とする改良を加えるとともに、簡単に電気を取り出せるようクルマのフェンダー部分に耐候性の高い電気ソケットを装備。搭載する大容量リチウムイオンバッテリーから110~230Vの電気機器へ電力の供給を可能とした。また、高められた悪路走破性により、被災地域を自由に移動し復旧作業に必要な照明や作業ツールの電源としてだけでなく、通信や冷暖房など、被災者が必要とする機器に電力を供給する。

欧州日産でプロダクトマーケティングを担当する、ヘレン・ペリー部長は以下のように述べている。

「日産は、電気自動車が単なる移動手段としてだけでなく、人々の生活に豊かさをご提供できる方法を常に模索しています。『RE-LEAF』のようなコンセプトカーは、災害復旧支援における電気自動車の可能性、よりスマートでよりクリーンなテクノロジーが救命活動、災害復旧支援などの一助となることを提案しています」

REリーフは、リーフに搭載されている電力供給機能を活用している。リーフは大容量バッテリーに貯めた電力を走行時に使用するだけではなく、PCS(Power Control System)を介して建物や電子機器に電力を供給することができる。さらに電力系統を安定化させるV2G(Vehicle-to-Grid)技術によって、再生可能エネルギーの有効活用や発電施設の負荷を低減することも可能。これらの機能は電気自動車を家庭や社会に電力を供給する移動可能な蓄電池としての活用、また電力需給の安定化への貢献により、将来の分散型エネルギーモデルの構築に寄与することを目的とした「ニッサンエナジー・シェア」という考えに基づいている。

自然災害は多くの停電をもたらし、世界銀行が2019年に発表した報告書によると、2000年から2017年に発生した停電のうち、ヨーロッパでは37%が、米国では44%が自然災害と気候変動が原因とされ、災害が発生した場合、電力が復旧するまでにおおよそ、24~48時間かかるといわれている。

ペリー部長はこう続ける。

「電気自動車は、災害対策の手段として注目されているだけでなく、数多くの電気自動車が電力系統とつながることで、仮想発電所として電力の供給を可能とするなど、他に類を見ない可能性を秘めています」

日本では2011年から自然災害による停電時の非常用電源、または移動手段としてすでにリーフが活用されている。日産では2018年より「ブルー・スイッチ活動」を開始し、現在、国内の60を超える地方自治体と「災害連携協定」を締結。災害の復旧支援のために電気自動車を活用するプログラムを進めている。2019年10月に発生した台風19号の際には、長野県のボランティアセンターにおいてリーフが活躍した。

230Vの電気機器の消費電力の例

電動削岩機24時間:36kWh
ベンチレーションファン24時間:21.6kWh
電気ケトル (10ℓ)24時間:9.6kWh
100W LED照明24時間:2.4kWh

コンセプトカーREリーフ

車体にあしらわれた琥珀色(アンバー)のアクセントは、古代ギリシャ語で「electron(電子)」の意味をもつ「琥珀」にちなんだもので、瓦礫や障害物のある悪路走行を可能とするため、最低地上高を225mmに引き上げ、専用のアンダーガードで車の床下を保護した。また、17インチのオールテレインタイヤを装着するとともに、専用のオーバーフェンダーを装着している。さらにルーフに取り付けられたLEDライトバーを琥珀色に点滅させることにより、車両の接近を歩行者などに知らせる。

搭載されるリチウムイオンバッテリーは大容量かつ高い信頼性を誇るだけではなく、複数の電気機器に安定した電力供給が可能。また、簡単に電気を取り出せるようフロントフェンダーに2つの耐候性外部コネクター、トランクには3つのコンセントを装備する。また、災害復旧支援活動に必要な機器を収納できるよう後部座席を取り外すとともに、前部座席とラゲッジスペースをケージにより分離し、ラゲッジスペースには32インチモニターと引き出し式デスクおよび通信機器を装備して被災地における復旧支援活動をサポートする。

「RE-LEAF」仕様

・ベースモデル:日産リーフ・テクナ(欧州仕様)
・タイヤ:BF Goodrich Bajaオールテレイン(225/65R17)
・ホイール:Compomotive MO5 8” x 17”
・ホイールアーチ:カスタムGRPコンポジット40mmワイドアーチ
・地上高:225mm
・全幅(前/後):1830mm/1890mm(1740mm/1760mmから拡張)

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みんなのコメント

2件
  • 被災地への侮辱行為
  • 支援に向かったはいいが、電欠で帰ってこれなくなることはないの?
    他メーカーみたいに可搬型バッテリーをガソリン車で届ける方が現実的だと思うけどなあ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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