見た目も走りもスポーティ
Dセグメントの高級SUV、メルセデス・ベンツ GLC。
登場から約3年半が経過した昨年10月にマイナーチェンジを果たし、内外装のデザインに最新のメルセデス・ベンツのアイコンを導入して、一層購買意欲を湧かせる仕様へと変化した。
今回、我々が試乗したのはGLCのモデルでも、クーペのデザインをまとったGLCクーペ 220dである。
GLCクーペ 220dはスポーティな装いに加えて「アジリティサスペンションコントロール」が標準装備されており、正確無比なドライビングが可能だという。
通常のGLCに比べて、クーペは10mmローダウンされていることからも、ボディ形状に合致したハンドリングを目指していることがわかる。
ディーゼルらしからぬ静粛性
220dのパワーユニットは、Eクラスにも採用されている。
Eクラスで体感した際には、非常に静粛性が高いと感じた。GLCではどうであろう。
エンジンを始動してアイドリング状態で回転計とにらめっこする。
Eクラスの方に軍配は上がものの、こちらもいたって静粛性は高い。
ディーゼルだと思わない人もいるかもしれない。
メルセデス・ベンツ特有の、バイワイヤー方式のセレクターレバーをDレンジに入れてスタートだ。
駐車場から公道へ出る。見切りが良く切れ角もゆとりを感じさせる。
この乗りやすさは、さすがメルセデス・ベンツである。
Cクラスの骨格だけに、ドライビングポジションからの眺めは隅々まで把握できる印象だ。いい意味で見た目のボリューム感を感じさせない。
試乗会場周辺はワインディングを中心としたコースで、GLCのスポーティな走りを試すにはちょうどいい。
エンジンとトランスミッションの相性◎
日本仕様のGLCはすべて右ハンドルでということで、トランスファーを使ってのトルク配分はフロントが33%、リアに67%分配される。
ちなみに左ハンドル仕様は45対55と、日本仕様よりもフロントへの配分が大きい。
これはフロントディファレンシャルの位置関係上の違いのようだ。
より後輪のトルクを大きくして、旋回性を向上させるスポーティさも演出できるという点もある。
起伏があるタイトなコーナーの連続も、ヒラヒラと軽快に走らせる。
ATとエンジン出力のマッチングもいいので、ビジーなシフトワークにならない。
サスペンションの追従性も良好だが、リアが硬めの味付けだ。
9速になった9Gトロニックは制御が細かく、積極的なシフトワークを繰り返す。
一方で平坦な道をゆるやかに走っていると、静粛性とクルージング性のマッチングが心地よさを提供してくれる面もある。
ガソリンモデルも魅力的だが、この改良を重ねたディーゼルユニットは、フラットなトルクがゆとりをもたらすので街中から高速まで不快感は皆無であろう。
見晴らしのいい程よい大きさの高級SUV、普段の扱いやすさも心得た心地よいモデルであった。 文/松本英雄、写真/篠原晃一【試乗車 諸元・スペック表】●GLCクーペ 220d 4マチック AMGライン 4WD型式3DA-253315最小回転半径5.6m駆動方式4WD全長×全幅×全高4.73m×1.93m×1.93mドア数5ホイールベース2.88mミッション9AT前トレッド/後トレッド1.62m/1.65mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS-車両重量1920kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員5名車両総重量-kgミッション位置コラム最低地上高0.16mマニュアルモード◯ 標準色ポーラーホワイトオプション色オブシディアンブラック、イリジウムシルバー、ダイヤモンドホワイト、ブリリアントブルー、セレナイトグレー、ヒヤシンスレッド、グラファイトグレー、モハーベシルバー掲載コメント-型式3DA-253315駆動方式4WDドア数5ミッション9ATAI-SHIFT-4WS-標準色ポーラーホワイトオプション色オブシディアンブラック、イリジウムシルバー、ダイヤモンドホワイト、ブリリアントブルー、セレナイトグレー、ヒヤシンスレッド、グラファイトグレー、モハーベシルバーシート列数2乗車定員5名ミッション位置コラムマニュアルモード◯最小回転半径5.6m全長×全幅×全高4.73m×1.93m×1.93mホイールベース2.88m前トレッド/後トレッド1.62m/1.65m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量1920kg最大積載量-kg車両総重量-kg最低地上高0.16m掲載用コメント-エンジン型式654環境対策エンジン-種類直列4気筒DOHC使用燃料軽油過給器ターボ燃料タンク容量66リットル可変気筒装置-燃費(10.15モード)-km/L総排気量1950cc燃費(WLTCモード)15.1km/L└市街地:11.5km/L└郊外:15.4km/L└高速:17.2km/L燃費基準達成-最高出力194ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm400(40.8)/2800エンジン型式654種類直列4気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量1950cc最高出力194ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm400(40.8)/2800環境対策エンジン-使用燃料軽油燃料タンク容量66リットル燃費(10.15モード)-km/L燃費(WLTCモード)15.1km/L└市街地:11.5km/L└郊外: 15.4km/L└高速: 17.2km/L燃費基準達成-自動車テクノロジーライター松本英雄自動車テクノロジーライター。かつて自動車メーカー系のワークスチームで、競技車両の開発・製作に携わっていたことから技術分野に造詣が深く、現在も多くの新型車に試乗する。車に乗り込むと即座に車両のすべてを察知。その鋭い視点から、試乗会ではメーカー陣に多く意見を求められている。数々のメディアに寄稿する他、工業高校の自動車科で教鞭を執る。『クルマは50万円以下で買いなさい』など著書も多数。趣味は乗馬。
メルセデス・ベンツ GLCクーペ(現行型)の物件一覧はこちらメルセデス・ベンツ GLCクーペ(現行型)のカタログはこちら
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みんなのコメント
「リアが硬めの味付け」→リアサスは段差でバタバタ、後席の人は落ち着いて乗ってられない。
素直に書いたら良いのに...。
しかし知名度に胡座かいてしょぼいグレードばかり売ってたらいずれ中古車がだぶつくだろう
相変わらずの故障率で中古ベンツとか地雷だからね