「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、マイナーチェンジを受けた2代目ホンダ フィットと、同時に追加された「フィットハイブリッド」だ。
ホンダ フィット(2010年:マイナーチェンジ)
フィットがマイナーチェンジされ、コンパクトモデルとしては初のハイブリッド車が新たに設定された。環境と走りの性能の両立に期待が持てるモデルだ。さっそく、エンジン車と乗り比べてみることにしよう。
●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか
まずはエンジン車のフィットに乗ってみたが、すっきりとした乗り味が魅力だ。マイナーチェンジ前よりカドが丸められた印象で、ボディへの細かな振動が抑えられ、なおかつ路面からのインフォメーションもしっかりと捉えられるようになった。振動が元になるようなノイズの発生が小さくなったことに加えて、ボディ全体の剛性感も高く感じられ、静粛性もアップしている。
ひと言でいえば粗さがなくなって、操作に対して正確に応答してくれることが何よりも魅力。しかしながら、サスペンションストローク的には大きく変わった印象は薄い。キビキビとした見かけ上の動きの良さは一段と向上した反面、限界付近での動きに対してはちょっぴりアップ、といった程度だ。
同じフィットでもハイブリッドはシステムの重量感によってハンドリング面では安定方向に働いてくれた。全体に穏やかな動きをもち、操作に対する反応もスムーズで、コーナーで安心してステアリングを切り込んでいける。ボディのしっかり感も出ていることから、限界付近でも落ち着いていてハンドリングと乗り心地のバランスがいい。
追い越し時はにモーターがヒューッとまるで小さなターボのようにアシストしてくれるので、回転の上昇は少なくノイズの変化も気にならない。力強く加速を行ってくれる感じがいかにもホンダのハイブリッドらしく、ここ一発のトルク感はありがたい。
使い勝手の高さはハイブリッドでも変わりはない
エンジン車は、ハイブリッド車と比較してキビキビ感が光るものの、操作感や接地感が全体に軽めで、動きのわかりやすさと扱いやすさが持ち味だ。CVTは急減速旋回時に引きずり感を嫌ってか低速でフリーになりやすく、駆動力レスポンスが鈍い。街中ではいくぶん減速感は緩和されたものの依然として減速Gが残る。改良は行われているものの、CVTの停止直前のフィールは今ひとつだった。
だが、フィットの人気が高いのは走りだけでなく、インテリアの質感にもある。とくにハイブリッドはゴテゴテしない程度に未来感が上手に演出されていて、このクルマの性格を見事に表現している。その最たるものであるアンビエントメーターは、ゲーム性さえ感じさせる。だが、このクラスだからこそ、このカジュアルさがちょうどいいともいえるだろう。
シートまわりの収納スペースも豊富で、ラゲッジスペースも広い。人や荷物をたくさん積める、これ1台で何でもできるオールマイティ性の高さはフィットのウリだが、ライバルたちに対するこのアドバンテージは、ハイブリッドになっても変わらない。シートアレンジは豊富で、ツーリングワゴン並みの使い勝手は相変わらず高い。
ハイブリッド車とエンジン車では価格差もあるが、長い目で見れば、やはりベストチョイスはトルクフルでしっかり感のある走りを実現したハイブリッドになるだろう。同じハイブリッド システムを搭載したインサイトよりも使い勝手がいい上に走りが良く、価格も抑えられているのだから。
■ホンダ フィット ハイブリッド スマートセレクション 主要諸元
●全長×全幅×全高:3900×1695×1525mm
●ホイールベース:2500mm
●車両重量:1130kg
●エンジン種類:直4 SOHC+モーター
●排気量:1339cc
●エンジン最高出力:65kW<88ps>/5800rpm
●エンジン最大トルク:121Nm<12.3kgm>/4500rpm
●モーター最高出力:10kW<14ps>/1500rpm
●モーター最大トルク:78Nm<8.0kgm>/1000rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:30.0km/L
●タイヤ:175/65R15
●当時の価格<税込み>:172万円
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みんなのコメント
この当時トヨタのハイブリッドに対抗したい苦肉の策とマツダのスカイアクティブにやられた感の両方を感じたなぁ。