ドゥカティが誇るスポーツネイキッドマシンのモンスター。発売から25年を経ても、その輝きは全く色褪せることなく、セクシーかつスポーティなキャラクターで人気を博している。
ドゥカティの販売を支えるベストセラーだった時代も長く、ドゥカティファンのみならず、多くのライダーにも知られた存在である。また、スポーツネイキッドという新たなジャンルを切り開いたマシンともいえ、ライバルメーカーにも少なからず影響を与えたマシンでもあった。
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90年代初頭のドゥカティは、今以上にレーシングイメージが強く、ラインナップはカウリングを纏ったマシンばかりだった。モンスターはそんな中で登場したのでインパクトはなかなかであった。しかも走りは、もともとがスパルタンさが身上のドゥカティであるから、妥協はなし。当時のスーパーバイク系のフレームに空冷のハイパフォーマンスLツインエンジンを搭載したパッケージングは、従来のネイキッドマシンが持つイメージを大きく覆すものであった。
「ドゥカティ=エキスパートの乗るマシン」といった図式は崩れることなく、別の言い方をすれば「一般ウケし難い走り」となっていたのである。
その後、幾度となくモデルチェンジが行なわれ、さらにはさまざまなバリエーションが追加されていく。そのなかで乗り易さや扱い易さは着実にアップしていく。基本はスポーツマシン、そこから徐々に幅広いレベルのユーザーに支持されるマシンへと進化してったモデルなのである。
サスペンションはカヤバ製。軽快な走りを支えるためにトレリスフレームや両持ち式スイングアームなどが採用されている。別に上位グレードでなくてもいいそんなモンスターシリーズで現在、僕が最もお気に入りなのが797。シリーズで最も出力が低く、価格もリーズナブル。
バランスはラインナップで1番! だと思う。
しかし今回、このマシンについて書こうと思ったきっかけは、ネットで「モンスター797 20万円購入サポート・キャンペーン」を見たからである。年内に797、797+を購入した人を対象に、20万円も値引きしてくれるという太っ腹なキャンペーンである。
液晶表示でいうプレイを採用するインストゥルメントパネル。サイズや表示が大きく視認性も高い。業界人として「おっ? 魅力的!」とそこに食いついたわけではない。「きっとやっぱり上位グレードが人気なんだろうか…」といった、想像が働いたからである。
日本人はどうしても一番パワフルで、豪華なマシンを選ぶ傾向にある。これはバイクに限らずによくある話。しかし、それが家電製品であればいざしらず、バイクの場合は選ぶモデルによって本来の楽しさが味わいにくくなってしまうこともある。高機能さを知らずに乗ったりして、より扱い難いものになってしまうパターンだ。
例えば同じモンスターの1200S。ハイパワーだし各種制御機能も備わり安全性も高い。だが必ずその高性能さが万人ウケするという訳ではない。人によってはバランスの良いモデルを選ぶ方が美味しい買い物になることもあるのだ。筆者はそういう理由でモンスターであればこの797を推す。なにせ、マシンの軽量さやコンパクトさは変えることが出来ないのだ。797のようにシンプルさや軽さを武器にするモデルのほうが好みなのである。
エンジンは最高出力73ps、最大トルク67Nm。トップグレードにあたる1200sの最高出力152ps、最大トルク125Nmとかなりの差があるが、そのスペック差をものともしない楽しさが797にはある。乗ってこそ分かる797の素晴らしささてこの797というモデルはシリーズで唯一空冷エンジンを搭載しているモデルである。長きにわたり熟成を重ねた完成度の高さは走り出してすぐに感じられるはずだ。適度なビート感、そしてそれが電子制御を介さずに、素のままでスロットルに反応し、マシンを活き活きと走らせる。決してパワフルすぎず、そして不足もない。
ドゥカティのマシンが苦手なことが多い低回転域でも、ぐずったりすることなく扱い易い。そのうえで、デスモドロミックエンジンの特徴でもある、高回転域の伸びきり感を適度なスリルのなかで堪能することが出来る。
803ccの空冷2気筒エンジンを搭載するモンスター797。価格は2019年モデルは未定。2017年モデルは約111万から113万円ほどで販売されていた。最上位の1200Rは228万7000円。排気量が大きくなると、パワフルなだけでなくエンジンブレーキも大きくなりがち。とくにツインエンジンではその傾向が強くなる。それを緩和しようとスリッパークラッチ等を装備するのだが、797はそもそもそれを必要としない。自然な減速でリズミカルにシフトダウンを行なってコーナーに進入していくことが出来るのだ。マシン任せにならず、コントロールする楽しみがあるといえる。
ライディングポジションはモンスターの特徴でもある「ネイキッドなのに前傾」という、やや低めで幅広のハンドルを装備するが、兄弟車に比べるとより自然なライドポジションで、スポーティな走りでなくとも操作に違和感はない。
幅の広いハンドルバーや低いシートポジションなど、乗りやすさも非常に優秀。街中での走りでも爽快な操作フィーリングが味わえるように設計されている。特に光輝くのがワインディング。軽快さはランナップ随一で、スイスイ水を得た魚のようにワンディングを駆け巡る。
エキスパート級の走りでなくともコーナーリングでグッとトラクションがかかるのがわかる。とにかくマシンとエンジンがとても好バランスで調和しているのだ。
ここまで言っても、日本ではやはり一番売れるのは1200なのかもしれない。数値は違えど、同じ名称。そして似たルックスであることで、弟分といった印象を持たれやすいことも大きいかもしれない。
しかしバイクは大は小を兼ねない。この797はそこに存在意義があるのだ。
文・鈴木大五朗 写真・ドゥカティ ジャパン
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