フィアット日本法人 6割が女性オーナー
執筆:Kazuhide Ueno(上野和秀)
フィアットの日本における登録台数が、8月単月の最多を記録した。
2021年の8月は571台を登録。一般的に売れ行きが落ち込みがちな8月ながら、7月比でわずか4台減っただけ。
フィアット・ブランドの販売を支えたのがフィアット500シリーズだ。
愛らしいスタイリング、取回しの良い大きさ、経済性から女性の間でも人気が高い。
フィアット500は2008年3月に国内導入されて以来、年間販売台数は11年連続で4000台を超え、2021年第2四半期のモデル別ランキングでも15位に入っている。
フィアット日本法人の分析によれば「魅力的な限定車を投入したことと、6月に新グレード(カルト、ドルチェヴィータ)に改編したこと」が注目を集めているという。
「コロナ禍で自家用車という安全安心な個人の移動手段が見直されて、既存と新規の来店者数が好調。既存のお客様からの乗換えが増えた」ことによって、販売が下支えされているのも特徴。
「フィアットとの物語を提案する“マイ・ファースト・フィアット”や、リースプランの“パケット・フィアット”などのマーケティング施策を行ってきた。こうした活動の結果、フィアットの女性オーナー比率は、2005年の15%から2020年は60%」へと増加している。
フィアット500、カブリオレ仕様の500Cという強いキャラクター性を生かす巧妙なセールス・プロモーションが、長年にわたって好調を維持する秘密に違いない。
8月の輸入車トップ10 フィアットが10位
7月の輸入乗用車のブランド別登録台数を見ると、各社が新型車を導入したことが結果に結びつき、合計で1万8514台を記録。
前年の8月は、コロナ禍のいわゆる第2派における感染者数がピークを迎えていた。それを考えれば、対前年同月比102.6%という上げ幅は、妥当な線と言えるだろう。
そんな8月の輸入乗用車登録台数のトップ10を数字でご覧いただこう。登録台数、前年同月比、順位の変動幅を併記しておく。
1位:メルセデス・ベンツ(3722台:93.5%)
2位:フォルクスワーゲン(3013台:100.0%)
3位:BMW(2339台:94.9%)
4位:アウディ(1669台:95.5%)
5位:BMWミニ(1392台:85.2%)
6位:ボルボ(1039台:100.9%)
7位:ジープ(992台:105.5%)+1
8位:プジョー(624台:112.8%)-1
9位:ルノー(580台:123.4%)
10位:フィアット(571台:132.2%)+1
上位を見ると、メルセデス・ベンツが首位を堅持。
フォルクスワーゲンは、8月ながら新型ゴルフ効果で3013台を登録。これは7月比で見ても、98.7%という堅実な記録になる。
また、ジープとプジョーがポジションを入れ替えたことに加え、10位にはフィアットが浮上してきたことは注目しておきたい。
伸び率で見ていくと、最も大きな伸びを見せたのは最近好調なアルファ・ロメオで、196台を登録して332.2%を記録。そこにBMWアルピナ(300%)、ベントレー(237%)が続いた。
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