2016年12月に登場したC-HRは、登場から現在までの6年間フルモデルチェンジを行っていない車種だ(2019年にマイナーチェンジ)。トヨタラインナップの中ではモデルライフが長く、車両設計にも古さが見えてきた。
2022年8月5日、C-HRに特別仕様車のMode-Nero Safety Plus IIIが設定された。特別なボディカラーやシート表皮、パノラミックビューモニターやパーキングサポートブレーキを標準装備するなど、機能の充実が図られているが、車両の抜本的な改良とはいえない。
新型クラウン投入でC-HRピンチ!? 過酷なSUV生存競争に生き残れるのか
クラウンクロスオーバーの投入や、クラウンスポーツ、クラウンエステートなど、トヨタSUVの話題は事欠かない。競争が激烈になる中で、C-HRは生き残ることができるのだろうか。C-HRの今後や、クラウンのSUV化による影響を考えていく。
文/佐々木亘、写真/TOYOTA、奥隅圭之
世界戦略SUVは役割を終えたのか
2019年のマイナーチェンジでは、内外装の変更に加えて走りに磨きを掛けたスポーツグレードの“GR-SPORT”を設定
トヨタの世界戦略SUVとして登場したC-HR。販売開始から半年後には、SUVとして初めて月間の販売台数ランキングで1位を獲得した。
しかし、2022年7月の登録台数は821台、販売ランキングも45位と振るわない。ハリアー、ヤリスクロス、カローラクロスなど、人気SUVが乱立するトヨタの中では、今ひとつパッとしない存在になってしまった。
プラットフォームにはTNGAを採用し、車両の基本設計自体にはそれほど古さを感じないものの、安全装備や各所の作り込みを見れば、時代の流れは感じてしまう。
C-HRは他のSUVでは感じることの少ない運転の楽しさがあるクルマだ。積極的にステアリングを握り、運転したくなるスポーツカーのようなキャラクター付けは、世界のSUVでも数少ない存在である。
C-HRに課せられた役割は、まだ遂行しきれていない。世界戦略SUVは、最新技術によって生まれかわり、もう一度表舞台に立つべきだ。
C-HRが生き残るために必要なこと
クラウンが4タイプで登場した。ここで筆者が感じるのは、トヨタの「クロスオーバー」そして「SUV」に対する考え方が大きく変わったということだ。
RAV4、ハリアー、ヤリスクロスやカローラクロスなど、人気があり出来の良いSUVは数多くあるが、その魅力は「便利」で「機能的」なところだろう。SUV(スポーツユーティリティビークル)は、その名のとおり「多目的に利用できる」ことが優先され、荷物を多く積み込める、人が快適に移動できるというポイントが重視されてきた。
もちろんクラウンSUVにも、こうしたポイントは加味されているが、機能性よりもデザインや走行性能に、軸足を置いているように思う。自らが操縦して楽しめる、ステアリングを握るとワクワクするという、クルマの「運転操作」に対するこだわりが、強く見えてくるのだ。
C-HRも、新型クラウンシリーズのように、カッコよく、運転の楽しめるクルマである。この強みを、クラウン同様に高めていけば、C-HRがトヨタラインナップの中で存続する意味があるのではないだろうか。
市販化の半年前にニュルブルクリンク24時間耐久レースへ参戦したC-HR。モータースポーツへの造詣は深く、トヨタ車の中では数少ない、本当のモータースポーツスピリットを持つ。
C-HRが生き残り、やらなければならないことは、トヨタとモータースポーツを繋げること。そして、その楽しさをユーザーに伝えることに他ならない。
クラウンSUV化でどうなる? どのクルマの立場が危ういか
新型クラウンがSUVとなったことで、競争が激烈になるトヨタのSUVラインナップ
トヨタのSUVラインナップは、12車種存在する。他カテゴリーに比べ、倍近いクルマがSUVだけで用意されているのだ。ここへクラウンスポーツ、そしてクラウンエステートが2023年中に加わる。増えすぎたSUVラインナップを精査する動きも考えられるだろう。
価格帯やボディサイズ、キャラクターがクラウンシリーズと被り、立場が危うくなる車種も出てくる。レクサス・トヨタではもちろんだが、日本で人気となっている他社のSUVモデルも危機感をもつべきだ。
まずはクラウンクロスオーバーの影響を大きく受けそうなのが「ハリアー」である。高級サルーンのようなSUVで、キャラクターや機能性が被ってくるだろう。現実問題として、ハリアーユーザーがクラウンクロスオーバーへ乗り換えを検討するという動きも見えてきた。さらにクラウンエステートやクラウンスポーツなどとも競合する可能性が高く、トヨタ内で人気の奪い合いになる可能性が高い。
レクサスではESの立場が危うい。FRが多い高級セダンの中で、独特のFFプラットフォームを武器に戦ってきたES。クラウンのFFベースAWD化により、自身の希少性が保てなくなるのではないか。クラウンクロスオーバーには、セダンを感じる部分もあるため、クルマの魅せ方を工夫しなければ、ESの良さが埋没し、クラウンに食われるという事態も起こりえる。
最後に、アウディのQ3 sport back・Q4 sport back e-tronを挙げておきたい。欧州車の中では、インテリアの作り込みが日本車に近く、違和感が少なく乗れる輸入車として、アウディは幅広く支持を集めている。しかし、世界を見据えたクラウンは、国内の輸入車ユーザーにも攻勢を強めていくだろう。妥協なき徹底した品質へのこだわりを見せるアウディだからこそ、クラウンと品質を争う相手になるはずだ。
SUVとなったクラウンの影響を受けるクルマは、上記3車種に加えてC-HRはもちろん、さらに広がるだろう。既存車種は自らの役割を明確に意識し、魅力を発信していくことが大切だ。特にC-HRには、自分の立ち位置を見失わないでほしい。
C-HRはラインナップに残る重要な意味があるクルマだ。故にトヨタも販売店も、ここまで大切に育ててきた。よりC-HRの長所を伸ばし、現在抱える問題をクリアに出来るような、ニューモデルの登場を期待したい。魅力的なクラウンを作り上げたトヨタなら、C-HRのリニューアルも成功させてくれるはずだ。
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みんなのコメント
トコロテン式にラインナップから押し出されるとしてもそれはまた別の話。